@@@@ 街 の 生 き 者 happenings @@@@

大ま科駄属の人虫が、虫を尋ねて街を行く

(1)ツバメ日記/二番子飛ぶ
(2)蟻ん子の地球一周
    次号以降の予定。

(1)ツバメ日記/二番子飛ぶ 昨年秋ツバメの巣が壊され、春4月10日ころ再来したツバメは、あっと言う間に飛び去った(81号)。

5月7日(水) しかし、ときどきやって来て2、3周ほど駆けて去る。 朝7時ころ2羽飛来。今年に入って2羽揃っての飛来は、初めて。 庭を駆け壊された住まい、対面(といめん)のやはり半壊の建築半 ばの巣に脚爪を掛ける。 どうやら修理して、子を育てるようだ。 やれやれ、やきもきしたわい。 多分今日は暗くなるまで、2羽は行ったり来たりするだろう。去年までの家か、 対面の新築半ばの家か、それともちょっと手がけたところか、どうもはっきりしない。

5月15日(木) 予報通り一日中雨または小雨。ここ数日天気よくない。用事があって新橋に行ったが、その帰り、ドトールで一休みしようと自転車を降りるとツバメがゆっくり旋回している。街路樹鈴掛けの木の下を、ゆっくり、丹念に、飛ぶ。 こういうことだろう。子供のころ、ツバメは曇りの日低空を飛ぶ、虫が低いところを飛ぶからだ、と聞いた。 ああ、しまった。ツバメは一時間飛び続けたのだろうか。一時間ほどボケッとしてドトールを出ると、彼は飛んでいるではないか。このドトールには店内の外、歩道に面して椅子とテーブルがおかれているのだ。そこにコーヒーを持ってきて、ツバメが飛び続けたのか、それとも虫を捕らえて子の口に放り込んだのかどうか、僕はツバメの動きを見るべきだった。   

  6月6日(金) 猫が庭を歩いている。ツバメが、地上に降りて家の建築資材・・・乾燥して黄色くなった草の茎など・・・を採ろうとして、ツバメは、しばしば地上に降り立つからだ。 そのツバメを狙って、猫が来るのだ。 ツバメの家修復は、急ピッチで進み完了目前だ。

6月9日(月) 土、日とここには来ていないが、卵を温めている。卵の誕生日を6日(金)の夜としよう。

6月30日(月) 27日(金)から今朝30日(月)にかけて卵から顔をだしたのだろう。割礼、ではない、割卵の日、つまりツバメの誕生日を27日(金)夜としておこう。 残念なことだが、一羽落ちて、干からびている。カラスやネコのご馳走になる前に、もしかしたら駐車場に出入りするクルマに轢かれたのだろうか。自転車も出入りするが、自転車の運転者が落ちたツバメを轢いて仕舞うことは、ちょっと想像しにくい。 よく聞く話しだけれど、落ちたスズメやツバメの子は、ひとは、もとの場所に戻がす。実際のところ、このツバメマンションでも、去年そういうことがあった。一番子の巣立ちのとき、ツバメ人生最初の処女飛行に失敗、胴体着陸した子がいた。ネコやカラスが、この瞬間を狙っているが、間一髪マンションに住む電気屋さんが巣に戻した、と、そのひとが去年ツバメの写真をとっているとき話してくれた。

7月2日(水) 一羽しか見えない。巣の下は惨憺たる有り様だ。昨日見た干からびた雛一体(昨日写真を撮らなかったので、収容しないで、そのままにしてある)に、二体分の卵の殻、茶褐色の(成長しなかった)塊が散乱している。僕の考えでは、親が、この二つの卵を、誕生しないものと見極めて、落としたのだ、そう思う(61号)。 誕生前の週の木曜(26日)卵が1個、落ちていた。これも、親が落としたのだろう。この1個と誕生したが落ちて干からびた雛、巣の中で親からの虫を待っている一羽、茶色の塊となって土に変わりつつある二体、卵は、計5個だったのか。

7月3日(木) どうやら2羽出たようだ。修繕された擂り鉢状の巣は、昨年までのより、その擂り鉢が深い。卵は6個だったのか。 そんなわけで、生まれたばかりの、背丈の低い雛は、こちらからは見えなかった。 それが大きくなり、いま、もう一つの嘴が見える。擂り鉢の縁に大口の嘴を凭せ掛けている。体を回転させて、絵の具のチューブから絞り出すように、糞を地上に落とした。喰らって、尻から吐き出す、元気だ。殻を割って顔を出したときは小さくて姿が見えなかったが、いまは糞出しの様子を見せている。成長して巣立つにちがいない。 それにしても、巧いもんだ。あの狭い擂り鉢のなかで三羽が犇めき合い、そうしたところで体の向きをかえる。「おーい、くそするぞ」「やーね、お兄ちゃんったら、うんこって言いなさい」尾羽を扇子のように拡げ、その要が盛り上がってくる。地上に落下するほどに絞り出されたその時、親帰って来た。絶妙のタイミングであった。親は一口に呑み込んだ。絶妙の動作でもあった。鋭い嘴が仔ツバメの尻のやわ肌を傷つけはしない。

7月4日(金) 駐車場の車と車のあいだで、黒猫が眼を光らせている。ちょうどツバメの巣の真正面だ。

7月7日(月) もしかしたら、三羽かもしれない。二羽は、嘴を巣の縁にのせるまでに、成長した。親ツバメが虫を運んできたとき、もう一つの嘴を見たような、そんな気がする。 今日は 昨夜からの雨がそのまま続き、小雨になったり、雨脚が強まったりと、終日雨模様だろう。ツバメの食糧調達が間遠になっている。 一番子の5月15日のときのように、親二羽は、飛ぶ虫求めて雨のなか飛び続けるのだろう。

7月9日(水) 矢っ張り3羽だ。あれは、見間違えではなかった。大口の嘴が3つ、巣の斜め下に立つ人間どもにも、見てとれる。そのうち一つは、やはり、やや小さい。 やれやれ。最初一羽、次二羽、そして三羽。卵は、七つだったのだ。 今日は曇り、天気予報はどう言っているのか知らないが、どうやら雨は一粒も落ちてこないだろう。雲は厚いが、雨降りはない、そう思う。 虫運び人として親は大車輪の飛行をみせる。 4日に姿を現した黒猫が、またやって来た。 そうじゃないんだってば。やっこさんは、ゴミ置き場に用があるんだよ。 黒が姿を現した途端、親二羽が帰ってきた。  昼、四羽飛来、庭を駆ける。ようよう、昨年の光景・記憶が甦ってきた。5分ほどで二羽去る。   7月10日(木) 今日、昨夜からの雨が続き、寒い。降ったりやんだり。虫、すくない。 7月11日(金) 曇っているが、とこどき日が射し、暑い。飛ぶ虫も多いのだろう、給餌のピッチも上がってきた。 人前に大口の嘴を見せた三羽目は、さすがにほかの二羽よりやや小振りだが、喰っちゃ垂れ、喰っちゃ垂れと元気だ。一番の兄貴分は、巣の縁に攀じ登って羽を拡げるほどに大きくなった。 14時ツバメ屋敷を出る。出しなにふと上を見ると、電線に1、2、3・・・と5羽、思い思いのところに留まっている。5羽固まらないのが、面白い。

7月14日(月) 土、日と大降りはないが、天気悪し。土曜暑く、日曜は少し寒い。今日は昨日より寒くやや風あり。昨夜からの雨ようやく小降りとなる。肌寒い。

7月16日(水) ああ、一年ぶりに燕舞を見た、観賞した、堪能した。いよいよ巣立ちは、近い。六羽。 朝7時半ころツバメ屋敷に到着。屋敷前の電線に三羽とまっている。 巣の方はどうかと見上げれば、二羽が巣の縁に立ち、もう一羽が大口の嘴を二羽の足元から覗かせている。 巣の大きさは、子供の巣立ちを促している。背丈が伸びても脚を縮めて巣のなかに居続けることは、無理だ。親一羽が卵を包み温めれば、巣は、もう一杯だ。 昨日は薄曇りの晴れ。少し蒸し暑かった。

7月17日(木)朝、一羽が、巣からはじき出されるようにして、飛んだ。ちょっとあぶない。一時間ほどで、巣に帰る。

今日17日は、八羽から十羽。こんなに沢山ツバメが来たのは、初めて。 7月18日(金) 裳抜けのから。巣の大きさと巣立ち促進効果。

  今年は、ツバメの写真はあまり撮っていない。そこいら辺のことも含めて次号にまとめます。
なお街の生き者、人虫、大ま科駄属などについては、60号、63号「街の生き者」をごらんください。

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