ミステリート 〜不可逆世界の探偵紳士〜



07/17/2004公開   
08/10/2004追記   




 『不確定世界の探偵紳士』の続編。続編とは言っても直接ストーリィがつながっているわけではないので、プレイしたことのない人でも大丈夫。もちろん、プレイしておいた方がより世界に入り込みやすいと思います。
 ちなみに、サブテキスト(笑)は『エクソダスギルティ』『プレゼントプレイ』あたり。


    ストーリィ

 最年少クラスAディテクティブ(凄腕の探偵)、八十神かおる。密命を受けロンドンから日本へやって来た彼を待ち受ける難事件の数々。しかし、かおるは密命とは別の目的も胸に秘め・・・?


    シナリオ

 第零話〜第四話の五話構成。パッケージには5つの謎とあったけど、てっきり零話はカウントしないものと思っていたのでちょっとびっくり。(笑)
 プレイヤーはかおるを操作しつつ、証拠を集め推理を組み立てていくことになります。とはいえ、情報は共有・推理は非共有なので解答はプレイヤーが自分で導く必要があります。ということで、メモとペンは必須アイテムとなるので忘れないように準備しましょう。まぁ、せっかくPCを使ってるので活用しない手はないですけどね。たとえば、smartCTRLCなんかでメッセージを記録するのもいいでしょう。
 ミステリートといえば、謎解きの方がクローズアップされがちですが、シナリオの方は前作同様読ませる系譜なのでしっかりと堪能できます。ミステリートは、前作の活劇風ではなく、愛憎劇重視なシナリオ・・・といっていいかな。
 一つシナリオ上の難点をあげると、かおるが日本に来ることになったきっかけの依頼が不明瞭なところ。アイドラー本部での会話にでてきた依頼内容(これも依頼というには抽象的すぎる気もするが・・・)と、その後の日本に来てからのかおるの認識にずれがあること。合理的に考えるなら、かおるが素でカンチガイしていたということか・・・な?
 そうそう。綾小路復活です。だからといってナミが出てくるとは思わないけど。(イミ不明)


    システム

 『不確定世界〜』とはがらっとシステムが変わっています。まぁ、あれは悪行専用のシステムといえなくもないですけどね。ということで、お金や時間の概念はありません。今回は各話完結のオーソドックスなADV形式です。マップモードで移動して、アドベンチャーモードで調査する・・・という形式でゲームを進めていきます。
 マップモードに関しては、マニュアルに載ってない重要項目が2点。一つはCtrlキーを押しながら移動するとスピードアップするということ。マップ自体は3Dとはいっても単なる移動手段なので(落とし穴とか回転床とかはない(笑))、Ctrlキー押しっぱなしでも問題ないでしょう。たまに強制イベントとかあるのでちょっと困りますが。もう一つはマップ上のコンパスが壊れていること。東と西を逆に指しているので迷わないように。まぁ、これはバグでしょうけどね。
 また、セーブはマップ画面上でしかできないので注意が必要です。
 アドベンチャーモードは『不確定〜Rebirth!』と同様の操作方法です。移動に関してはアドベンチャーモードでの移動、とマップモードでの移動の2本立てになっているのでちょっとわね。いっそアイコン選択式ではなくてコマンド選択式の方がよかったのではないかと。私は『不確定〜オリジナル』のインターフェースの操作性がこれまでやったどのゲームと比べても一番だと思っているので・・・。
 セーブに関しては、特定場面でのみセーブ可でゲーム中のロードは不可。これはつまり、ゲーム中にセーブ・ロードを繰り返すのではなくて一本道でじっくりプレイしてほしいという思想なのでしょう。セーブポイントが5カ所と少ないような気もしますが、これも多分上のような思想に基づいているのではないかと思います。
 であれば。メッセージヒストリ機能のバッファがあまりにも少なすぎ。少し前の部分の記録を読みたいと思ってもログが流れてしまっているということが多々あって困りました。結局、重要だと思う部分は自分で記録するしかない・・・というわけですね。上記のようなツールを使えば多少楽にはなりますが・・・。もっとも、これはいい面もあって自分で操作メモを作れるので、因果関係とかわかりやすくまとめるのに向いているということでもあります。まぁ、せっかくなので操作メモ作成の機能なんてのもゲームシステムとして取り入れてあるとなおよかったんですが。あとは、メッセージヒストリの内容もセーブできるとよかったんですが・・・。
 ディテクティブ・チャージシステムというのが今回登場しましたが、これはただ進度計のようなものになってしまっているのが残念でした。マニュアルの説明を見る限りでは元々のコンセプトは違ったように思われるけど・・・開発の時間切れかな?(笑) 一応、ポイントが上がった直前のメッセージが事件解決のヒントになっているのでその点には気をつけておくとよいでしょう。
 Rebirth!と同じようにCG閲覧モードがないのですが、もしかしたらこれも時間切れだったのかも。


    キャラクタ

 お気に入りは玲。だって健気だし。

     私の声は嬉しそうであり、楽しそうでもある。
     録音をしたくてしようがなかったようだ
     つまりこの想いを、私自身に伝えたかったのだ。
     これほどまでに、楽しく温かみのある声になる、私のそのときの気持ちを。

 こんなに健気なセリフがあるだろうかってなもんですよ。(どうしてこのセリフが健気なのかはプレイしてのお楽しみということで(笑))
 個人的には「勉学のためなら たとえ火のなか 水のなか」に匹敵するよいセリフ大賞です。(謎)

 残念ながら、玲はサブキャラクターなのでメインの中から選ぶと・・・。ユウキ!といいたいところだけどプレプレとはちょっと性格変わってるからなあ・・・。ここは一発、東ということにしておきましょう。なんていうかいいキャラクターです。かおるよりもむしろ魅力的かも。女好きなところといい、自己認識といい、修行中の小次郎を源三郎の目からみたらこんな風に見えるかも。・・・ということで東が一番、ですね。次点で水陰。・・・米村も捨てがたいけど・・・米村って誰だよ。
 かおるに関しては、ちょっと印象薄いかなあ。プレイヤーと「情報は共有、推理は非共有」という状態なのでかおる君は知っているけどプレイヤーは知らないという状態が壁を作ってしまったのかも。能力的に水陰や闇塚に及ばないところにがっかりしているのかも。日本人らしすぎて(円単位とか、メートル法とか、伊呂波順とか、なじみすぎ)、イギリス人らしくないところに違和感を感じているのかも。女装癖(男に化けたり、郵便ポストに化けたりはしないんだから女装癖とってあながち間違いはないと思う)というところに違和感を感じているのかも。東に食われてる(イヤ、そっちのイミではなく(笑))のもあるかも。・・・ちなみに、イギリスでは16歳以上は喫煙可なので、パイプくわえてても問題ありません。・・・日本では問題あるか。
 キャラが立ってないといえば氷川マイ。このキャラ途中でがらっと立場が変わるんですが、ちょっとその部分が説明不足でその変化についていけないような気が。キャラクターとして魅力的だとは思うのだけれど、「それ」までと「それ」以後のギャップを埋めるためにもう1ステップ必要だったのではないかと思います。魅力的かどうか、立ってるかどうか、というのは微妙な違いですけどね。人物造形について、標準以上は軽くクリアしているだけに微妙なところが気になるのでした。
07/17 アーベルで配布している追加シナリオでかおるとマイのストーリィが追加されました。ちょうど私が物足りないと感じていたところを補完してくれています。

 他のゲームから出張してきているキャラも数人いますが、別にそれを知らなくても大丈夫。このゲームの中だけで十分キャラが立っているので。マイカとかちょっとしか出てこないのにすっげえ怖え(?)もんなあ。

 あぁ、そうだ。音声はありません。私は別に音声なくてもいい派なんですが、東にはしゃべってもらいたかったなあ。(笑)
 ついでに、キャラクターとは関係ないですが、音楽について。『不確定世界〜』の音楽をベースに、新しい楽曲もあるわけですが、探偵紳士の世界観とマッチしていて非常によいですね。

    謎

 前に書いたとおり、今回は謎解きメインです。暗号解読とか、暗喩とか、論理パズルとか、密室解除とか。頭をフル回転させて、プレーヤーが解決させないとゲームが終わらないのでこれはもう頑張るしかありません。
 とはいえ、プレイヤーにも得手不得手があるわけで(そもそも名探偵じゃないし)、せっかく名探偵を操作している割には、知識の共有という点において今ひとつ有機的に機能していなかったところが残念かな、と。
 私はといえば、暗号解読がとにかく嫌い(ホームズの踊る人形だってスルーしたよなあ(汗))なので、2章と4章は結局ギブアップしてしまいました。一応謎解きの郵送サポートを行うそうなので、どうしてもクリアできない場合はそれを利用するという方法が提示されているのでそれを活用するしかないでしょう。

    おすすめ度

★★★☆☆


    総評

 一回目は謎解きだけで手一杯で、ストーリィを楽しむ余裕は全然ありませんでした。なんというか、謎の方に脳みそ取られてストーリィ把握がおろそかになったというか。 そのため、クリアしたときも淡泊に「ふーん」と思っただけだったのですが・・・。
 セカンドプレイでじっくりシナリオを読んでいくと、さすがの文章使いで、がりがりとゲームにはまっていく自分がいて・・・。キャラクター同士が密接に絡みあい・・・いや、複雑に絡みすぎてもはや位置関係がわからなくなったり。いや、わからないならわからないで全然おっけーなんですけどね。ただ、分析してみると裏が見えてくるというか。そういうイミでもミステリ風味たっぷりのゲームです。
 残念ながら、エピソードとしては完結しているものの、大局的なストーリィが続編待ちということで両手放しでおすすめとはいかないのですが・・・。早く続編でないかなあ。




08/10追記

 ミステリートをプレイしてみて、いろいろ感じたこともありますので、取り上げてみました。
 ネタばれありありなので、別ページということで。

ネタばれアリレビュー(?)