Athlonの「熱」について

よく「Athlonって何度まで大丈夫なの?」という質問を目にします。やっぱり「熱い」Athlon、気になるところであります。

AthlonのProductID

画像は小生の使ってる(使っていた)Athlonのコア写真ですが、この上から2番目(AMDのロゴの下)にあるのが、プロダクトIDであります。ここにそのCPUの温度限界も書かれております。
また、3段目にはロット番号が書かれており、製造年や週がわかります。4桁の数字で表されている部分がそれで、最初の2桁が製造年(00なら2000年、01は2001年、02は2002年)、あとの2桁が製造週(21でしたら21週目、だいたい5月の始めあたりに製造されたことを表します)を表しています。この3段目はCPUによってさまざまですが、その上の2段目のプロダクトIDはCPUの種類によって(ほぼ)同じです。

*ThoroughbredコアのAthlonになってからは、コア上に刻印されるのでなく、コアの横にIDがシールで貼り付けられています。
*SlotAのAthlon(左端の写真)はコアではなく、パッケージのマーキング写真をのせています。

 
  (上)Athlon700MHz
(下)Athlon600MHz
Athlon 1.2GHz Athlon 1.4GHz AthlonMP 1.2GHz AthlonMP 1900+ AthlonXP 2200+
コア (上)Thunderbird (下)K7  Thunderbird Thunderbird Palomino Palomino Thoroughbred
クロック (上)700MHz (下)600MHz 1.2GHz 1.4GHz 1.2GHz 1.6GHz 1.8GHz
ID (上)A0700MPR24B A
(下)K7600MTR51B C
A1200AMS3B A1400AMS3C AHX1200AMS3C AMP1900DMS3C AXDA2200DKV3C

Athlon1.4GHzのIDで説明しますと

  「 A 1400 A M S 3 C 」

A 「Athlon」の意味 Duronは「D」表示
1400 クロック数 デフォルト1400MHz動作、「+」のつくモデルからはモデルナンバー
A パッケージ種類 「A」はSocketA、SlotAは「M」
M コア電圧 「N」1.8V動作、「M」 1.75V、「P」 1.7V、「U」 1.6V、「K」 1.65V、「U」 1.6V、「L」 1.5V
S 温度の限界 「S」 95℃、「T」 90℃、「V」 85℃、「Y」 75℃、「R」 70℃、「X」 65℃、「Q」 60℃
L2の容量 「3」 256KB、「2」 128KB、「1」 64KB
C FSB 「C」はFSB266MHz、「B」ならばFSB100MHz

*旧Athlon普及委員会で勉強させてもらったことの受け売りです     

SlotAのAthlonも、基本的なプロダクトIDの見方は同じですが、コアのプロセスを表す記号があったりコア電圧に幅があったりして、若干(いや、けっこう)表示の仕方が違います。最近見かけることも少なくなってしまったので、このあたりの説明は省略・・・。
PalominoコアになってからAthlonMPが登場しましたので、Palomino以降のプロダクトIDの先頭の文字は、単純に「A」「D」だけの表示ではなくなったようです。
PalominoコアのXPには「AX」表示、MPには始めの頃は「AHX」が表示されていましたし、モデルナンバーが使われだしたころには「AMP」の表示でした。さらにThoroughbredコアになったXPでは「AXDA」と文字も4つになってます。このあたりはよくわかりませんが、クロック数(モデルナンバー)の前の記号がDuron、Athlon、AthlonXP、AthlonMPの種類を表しているのは確かなようです。・・・・・・詳しくはAthlon、Duronのデータシートを見るとくわしく(英語で!)書かれています。


AMDのデータシートから

AMDのデータシートを見ますと電圧や温度に対しての「公式な」数字が書かれています。

AMD Athlon

Model Number Frequency Vcore Maximum Thermal Power Typical Thermal Power Maximum Die Temperature  
 

900MHz

1.75V

51.0W

45.8W

90℃

Thunderbirdコア

 

950MHz

1.75V

53.1W

47.6W

90℃

Thunderbirdコア

 

1GHz

1.75V

55.1W

49.5W

90℃

Thunderbirdコア

 

1.1GHz

1.75V

60.3W

54.1W

90℃

Thunderbirdコア

 

1.13GHz

1.75V

62.1W

55.7W

95℃

Thunderbirdコア

 

1.2GhHz

1.75V

65.7W

58.9W

95℃

Thunderbirdコア

 

1.26GHz

1.75V

66.9W

60.1W

95℃

Thunderbirdコア

 

1.3GHz

1.75V

68.3W

61.3W

95℃

Thunderbirdコア

 

1.33GHz

1.75V

69.8W

62.6W

95℃

Thunderbirdコア

 

1.4GHz

1.75V

72.1W

64.7W

95℃

Thunderbirdコア

1500+

1.33GHz

1.75V

60.0W

53.8W

90℃

Palominoコア

1600+

1.4GHz

1.75V

62.8W

56.3W

90℃

Palominoコア

1700+

1.47GHz

1.75V

64.0W

57.4W

90℃

Palominoコア

1800+

1.53GHz

1.75V

66.0W

59.2W

90℃

Palominoコア

1900+

1.6GHz

1.75V

68.0W

60.7W

90℃

Palominoコア

2000+

1.67GHz

1.75V

70.0W

62.5W

90℃

Palominoコア

2100+

1.73GHz

1.75V

72.0W

64.3W

90℃

Palominoコア

2200+

1.8GHz

1.65V

67.9W

61.7W

85℃

Thoroughbredコア

AMD Duron

Frequency Vcore Maximum Thermal Power Typical Thermal Power Maximum Die Temperature  
600MHz 1.6V 27.4W 24.5W 90℃ Spitfireコア
650MHz 1.6V 29.4W 26.4W 90℃ Spitfireコア
700MHz 1.6V 31.4W 28.2W 90℃ Spitfireコア
750MHz 1.6V 33.4W 30.0W 90℃ Spitfireコア
800MHz 1.6V 35.4W 31.8W 90℃ Spitfireコア
850MHz 1.6V 37.4W 33.6W 90℃ Spitfireコア
900MHz 1.6V 39.4W 35.4W 90℃ Spitfireコア
950MHz 1.6V 41.5W 37.2W 90℃ Spitfireコア

900MHz

1.75V

42.7W

39.2W

90℃

morganコア

950MHz

1.75V

44.4W

40.8W

90℃

morganコア

1000MHz

1.75V

46.1W

42.4W

90℃

morganコア

1100MHz

1.75V

50.3W

46.2W

90℃

morganコア

1200MHz

1.75V

54.7W

50.3W

90℃

morganコア

1300MHz

1.75V

60.0W

55.2W

90℃

morganコア

白熱電球くらい(高クロックのものですと、それ以上)の電力ですんで、「熱い」のも当然かと・・・。


コアの面積

新しく登場したThoroughbredコアになって、コアの大きさもずいぶん小さくなりました。

左がそれまでのPalominoコアのAthlon、右がThoroughbredコアのAthlonです。コアの大きさが半分くらいになりました。上のデータベースを見ていただくとわかるのですが、Thoroughbredコアになって消費電力が少し小さくなっています。「熱」が気になるAthlonですから消費電力の小さなThoroughbredに期待されましたが、コアの面積が小さくなって「ヒートシンクとの接触面積が少なく」なってしまったようで、思ったほど「温度が下がらない」ということになった人が多いみたいです。逆にコアの熱を十分に吸い上げられないヒートシンクなどを使用しますと、かえって温度が高くなるだけでなく、コアが焼けてしまうということもあるようですんで、Athlon,特にThoroughbredコアのAthlonの使用には注意が必要みたいです。

 

 


マザーボードの温度表示

BIOSでの温度表示、AthlonXPやMPではCPUの方で温度を検知できるようになりましたが、その機能をいかすマザーは今のところ限られたものだけみたいですんで(EPoX EP-8K3A、Asus A7V333などはCPU内部のサーマルダイオードによって温度表示しているそうです、どちらのマザーも持っていないので、くわしくわかりません・・・)。
で、どうやってCPU温度を測定するかといいますと、マザーのソケット中央についている温度センサーを使っています。

 

上の画像、左のほうがGigabite GA-7DXR、右の方はEPox EP-8KHA+のCPUソケットまわりです。中央に見える(見えにくいですが)のが、温度測定用のセンサーです。Athlonマザーの温度センサーは、だいたいこの2種類のどちらかみたいです。左がフィルム状になっているのに対して、右の方は青く見える小さなヤツ。ここで温度を測定するのですが、どちらも直接CPU内の温度を測るのではなく、CPU裏の温度を測定します。フィルム状のセンサーはCPU裏に「くっつく」ようにして取り付けますが、それでも実際にCPUを取り付けてしまったら、コア裏との距離がどのくらいになっているかは見えませんのでわかりませんし、右図のようなセンサーだと、明らかにCPU裏との間に隙間ができてしまっています。

以上のような状況ですので、AthlonマザーにおいてはCPU温度は

 ・マザーの種類によってまちまち

 ・同じマザーでも測定値に差がある

であります。また、正確にCPU温度が測定できないためか、BIOSの方で「補正」して表示しているものもあるようで、

 ・同じREVのマザーでも、BIOSによって表示温度が変わる

ということがあるようです。

結論・・・他の人の温度は、あくまでも「参考値」、自分のシステムで安定している温度がどのくらいかを知っておくことが大切みたい、です。・・・・・・といいながらデータベースをつくろうとしている小生って

コア電圧

熱の原因はなんといってもこのVcore、ただでも電気喰らいのAthlonですが、多くのマザーボードはデフォルトでもいくぶん高め(MBの種類、メーカーにもよりますが、〜0.05Vくらい)の設定になっているようです。小生の使ってきたMB(ASUS A7V、A7V133、Iwill KA-266R、KA-266、FIC AD11)は、どれもデフォルトで1.8V前後を表示していました。

どうしても「温度を下げたい」という方で、Vcore可変のMBをお持ちの方は、ここを下げるのがいちばん効果があると思います。ただし、これはオーバークロックと同じで、規定外の動作でありますんで最悪CPUの破損、システムの破壊の恐れがあります。(一説によると普通にOCするよりも壊れやすいとかなんとか)

 


その他、熱対策

吸気と排気・・・いちばんはケース(ケース内の環境)でしょう

環境にもよりますが、システム温度(MB温度)は室温より少し高め、システム温度とCPU温度の差は10〜20度くらいの方がほとんどみたいです(空冷の場合です、水冷の場合は・・・持ってないのでわかりません)。空冷ですと、室温より温度を下げることは無理(あたりまえ)ですから、ポイントは「いかにCPU温度をシステム温度に近づけるか」「いかにシステム温度を室温に近づけるか」ということだと思います。

 ・システム温度を下げるために

これはケース内の空気をうまく流れるようにしてやることが一番です。いちばんいいのは中のスペースが十分にある「大きな」ケースを使うことでしょうが、小生の使っているケースはENERMAX CS-910XPBという大きなサーバーケースで、メンテのしやすさ抜群、少々ケース内の温度が上がっても、CPU温度にはあまり変化がありません。でも、このテの大きなケースって、あんまりショップでは見かけませんし、やっぱり大きいケースを必要とする人の数はあんまり多くはないみたいです。小さなケースの場合、どうしてもケース内がせまくなってしまいますので、空気の流れをつくるのにファンを使います。ポイントは「ケース内の熱気をいかにうまく外に出してやるか」ということです。また、ケース内の空気循環をよくするために、ケーブル類を細くまとまったスマートケーブルにするという方法もあります。

 ・CPU温度を下げるために

これはヒートシンクの性能・ファンの回転数・コアとの密着の3つの条件をどれだけ満たしているかであります。

ヒートシンク・・・素材はアルミか銅のものがほとんどで、大きければ大きいほど「熱をたくさん蓄えられる→CPUの熱を吸い上げられる」のですが、あんまり大きいと重くなりますし(特に銅素材のヒートシンクはめちゃ重たい)、またマザーによっては取り付けられないものもあります。

ファン・・・回転数が高いとそれだけヒートシンクの熱をたくさん排出してくれます。ただ、ケース内の熱気がうまく外に出ていないと「ケース内の空気をかき回しているだけ」になってしまい、うるさいだけの高回転ファンになてしまいます。音に関しては小さなファンよりも大きなファンの方が高音のうるささが少なく、「静かな」感じの音になります。また、大きなファンの方が「風量が同じなら回転数は少ない」こともあって、最近は変換アダプタを使って8cmとかの大きなファンをCPUクーラーに取り付けることもよくあります。

コアとの密着・・・どんなに高性能のクーラーを使っていても、ヒートシンクがコアにきっちり密着していないと意味がありません。ヒートシンクを触ってみても、あんまり暖かくなっていないのに高い温度が表示される時など、ヒートシンクがちゃんと取り付けられているかをチェックしましょう。

 

ソフトウェアクーラー

温度報告の掲示板でも紹介されていますが、Athlon(というよりチップセットの方になるのでしょうか)の温度を下げるのに「coolON」というソフトがあります。これはアイドル状態の時、CPUに余計な電力を流さないようにするもののようです。AMD760など、チップセットのデータシートなどを見てみますと、その中にHaltONの項目がありますが、ここらへんが「アイドル時の電力カット」の命令のようです。レジスタをいじってここをONにすると、温度が下がるようですが、それをソフトウェアで有効にしようとするのがソフトウェアクーラーであります。マザーによってうまく働くもの、ハングアップしてしまうものとあるようですが、うまく使えると非常に有効な冷却・熱対策になります。ただ、CPUがアイドル状態の時のみに働く機能ですから、CPUに負荷がかかる状態では、温度は「普通に」上がりますし、中には導入前よりも負荷時の温度が高くなるといったケースもあるようで、このあたりは実際に使ってみないとわかりません。小生の環境では「温度が高すぎて困る」ことはありませんので、まだ使ったことはありません。(以前AD-11のマザーの時にレジスタいじってみた時、ハングアップしてしまったので、それ以来HaltON命令は怖くてさわっていません)

 


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