◆ 内容証明
内容証明は「文書を出したこと」の証拠となり、文書に「確定日付」を与える効果があります。
確定日付とは、「証書についてその作成された日に関する完全な証拠力があると法律上認められる日付」のことで、公正証書ではその日付に、私署証書(私文書)では、登記所又は公証人役場でこれに日付のある印章を押したときはその日付に、といった5つの場合に認められています(民法施行法4条、5条)。
債権譲渡の際には、譲渡人である債権者が債務者に対して債権を第三者に譲渡した旨の通知をします。この場合、通知や譲渡した日付の先後関係の操作を防ぐために、民法では確定日付のある証書で通知(又は債務者からの承諾)をしなさいとしています(467条)。そこでこの内容証明が利用されるわけです。
また、消滅時効を中断させる場合や契約解除の際に事実関係をはっきりさせたい場合、あるいは取引相手が倒産した場合に債権を放棄し、その損金処理を税務署に認めてもらうためも内容証明が利用されます。 |
内容証明自体には強制力はありませんから、これを出したからといって紛争が即解決されるという性質のものではありません。しかし、受け取る側に心理的なプレッシャーを与えることができるのが内容証明の大きなメリットです。
手紙とはいえ、文面には明確な権利主張や要求事項が書いてあり、内容はいわば「宣戦布告」のようなものですから相手方も緊張します。しかも、郵便局の判まで押してある訳ですから、受け取った側も「放っておけない」、「何とかしなくては」という気持ちになるものです。
こうした心理状態にさせることで、ときには内容証明を出すだけで問題が解決してしまうケースもあります。この効果があるため、クーリングオフや悪徳業者へに解約通知以外にも、債権回収やストーカー対策、セクハラ加害者への通告などといったことにも利用されます。
しかし、内容が「宣戦布告」ですから、受け取り手が親戚や友人などで人間関係を壊したくない場合には利用すべきではありません。また、こちら側にも落ち度があり、相手方に争う気配が窺える場合にも逆効果となってしまうことがありますから、こういった場合も利用するべきではありません。
さらに、証拠を事前に押さえるために、こちら側の動きを秘密にしたい場合や相手が倒産しそうで緊急を要する場合も利用してはいけません。 |
1.用紙、文字数
内容証明の用紙は自由ですが、市販の内容証明用紙を使われる方が多いのではないでしょうか?内容証明には文字数の制限がありますから、手書きの場合であればこの用紙を使うほうが文字数を気にしながら文章を書かなくてよいため便利かもしれません。この用紙は縦書きにも横書きにも使えます。
また、内容証明はワードや一太郎といったワープロソフトを使ってパソコンで作成することもできます。A4版サイズの紙を縦に用いて横書きで作成するのが現在の主流になっています。
上記のとおり、内容証明には1枚あたりの文字数を1行20字26行以内もしくは26字20行以内にしなければならないという制限があります。パソコンで作成する場合には、半角の文字や記号が入って1行の文字数をオーバーすることがないように注意してください。
2.余白
パソコンで上記のような横書きの内容証明を作成する場合、用紙の左右は3cm程度、下はやや広めに(ここに郵便局の判が入ります)7〜8cm程度の余白を作っておきます。
3.使用できる文字、数字、記号
内容証明では、仮名(ひらがな・カタカナ)、漢字、数字(算用数字、漢数字)が使用できます。英字は固有名詞にしか使えません。
なお、算用数字は半角でも全角でも1字として、句点「。」読点「、」もそれぞれ1字として字数に数えられますが、記号については2字や3字として扱われるものもあります。
記号については、例えば「cm」を「センチメートル」と表示するなど、あまり使わないほうが無難かもしれません。下記の表を参考にしてみてください。 |
|
| % + − = |
1字としてカウントする。 |
| m(メートル) |
1字としてカウントする。 |
| 「 」 『 』 ( ) |
1組で1字としてカウントする。 |
| cm s u |
2字としてカウントする。 |
| @ (1) |
2字としてカウントする。
※ 但し、序列を示す記号として認められるものは1字としてカウントする。例えば「@10万円、A20万円」としている場合、@Aはそれぞれ1字としてカウントする。 |
| No. |
3字としてカウントする。 |
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4.形式
タイトルはあってもなくても良いのですが「通知書」、「請求書」などと入れるのが一般的です。そして、最後に「年月日」、「差出人の住所・氏名」、「受取人の住所・氏名」を記入し、印鑑(三文判で構いません)を差出人の氏名の下部に押印します。さらに文書が2枚以上になるときはホチキスで綴じ合わせて、つなぎ目に印鑑を押して(契印)これで完成です。
5.文字の挿入、削除、訂正
文字を挿入するには、「V」などの記号を使って文字を書き加え、そして欄外に「○字加入」と書き押印します。また文字を削除するには、消した文字がなお読めるように2本線で抹消し、欄外に「○字削除」と書いて押印します。さらに文字を訂正するには、2本線で抹消し、その隣の余白に正しい文字を書くとともに、欄外に「○字訂正」あるいは「○字削除、×字加入」と書き、そこに押印します。修正液を使用したり、「×」で文字を消すといった方法は内容証明では認められていません。
6.作成通数
受取人が1名の場合、受取人用、郵便局保管用、差出人控え用の最低3通の同一内容の文書が必要です。2名の受取人に同一文書を送付する場合は4通です。パソコンで作成した場合は必要通数をプリントアウトするだけです。手書きの場合は1通だけ作成して残りはコピーしたもので構いません。 |
内容証明はポストに投函するわけではありません。作成した文書を封筒とともに(封をせずに)郵便局に持参します。また、誤字があった場合など、訂正を求められることがありますので、手紙に押印した印鑑を忘れずに持参しましょう。
内容証明を扱う郵便局は、集配業務を行なう「集配郵便局」と、特に指定された「無集配郵便局」となっていますが、念のため事前に取り扱いの有無と受付時間を電話で確認しておいたほうが無難です。本局ならば夜の7時までが多く、JR東京駅そばの東京中央郵便局ならば年中無休です。
窓口では「配達証明付きの内容証明をお願いします」と告げて、配達証明はつけるようにしてください。相手が悪徳商法業者の場合、ちゃんと到達したかどうかで争いが生じることもあるためです。
受付が終わると、差出人控え分と受領証が渡されますが、大切なものですから保管しておいてください。郵便局に保管されている文書の写しを請求する場合に必要となります。 |
| 後日、上記のような郵便配達証明書(はがき)が手元に届きますから、これも大切に保管しておきましょう。 |
| @ 内容証明料金 |
文書(謄本) 1枚の場合 |
420円 |
| 〃 2枚 〃 |
670円 |
| 〃 3枚 〃 |
920円 |
| 〃 4枚 〃 |
1,170円 |
| A 通常郵便料金 |
定型郵便物 25g迄 |
80円 |
| 〃 50g迄 |
90円 |
| B 書留郵便料金 |
損害賠償額10万円迄 |
420円 |
| C 配達証明料金 |
差出時 |
300円 |
| 差出後 |
420円 |
| D 速達郵便料金 |
定型250gまで |
270円 |
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| ■基本的な料金のパターン |
@ 内容証明料金 (1枚)
A 通常郵便料金 (25gまで)
B 書留郵便料金 (損害賠償10万円迄)
C 配達証明料金 (差出時)
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・・・ 420円
・・・ 80円
・・・ 420円
・・・ 300円
合計1,220円 |
2001年からインターネットを使って内容証明が出せるようになっています。ワープロソフトで作成した文書を新東京郵便局へインターネットを利用して送付するものです。24時間受付で、封筒も不用です。5枚という枚数の制限はありますが、文字数や行数の制限がなく、1枚につき通常の内容証明よりも多くの文字を書くことができます。料金はクレジットカードで月末締め翌月支払いにて決済できます。
電子内容証明を利用するには利用者登録が必要です。また、あらかじめパソコンに必要なソフトをダウンロードする必要があります。 |
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