店名 広州・潮州家庭料理−潮州−
所在地・連絡先

住所・杉並区成田東5−42−10−104

電話・03−3393−7775

営業時間・18:00〜23:00 

定休日・水曜

紹介文(by 金子隆)

  中国・韓国の家庭料理を看板にする店は結構あるが、広州・潮州とは珍しい。香港周辺の料理である。当店は南阿佐ヶ谷駅下車、徒歩0分。カウンターと小さな卓しかなく店主と接客嬢の二人きりだが、常連が次々に出入り、遠来の客も多い。中華というと変に豪華だったり日本に適応しすぎたくたびれた店が多いが、当店はこぢんまり、しかしメニューは底知れない

 とはいえ、予約なしにできますものには限りがある。週替わりのお薦めは黒板、定番の品は冊子に。では、と「小松菜のニンニク炒め」(700円)から。一気に加熱する中華の技法が生かされて、青々した小松菜を囓ると熱々の汁が吹き出す。「スペアリブのトウチ蒸し」は小さく切ってあり、蒸籠で。脂が落ちて、実にさっぱり。「レンコンサラダ」(500円)は灰青色、これが冷たくてしんなり、しっかり味が染みている。いずれもビールにぴったり。

 「黄金もやしの炒め」(650円)も豆の部分が楽しい。焦がしネギが隠し味か?ピリ辛だ。いずれも、化学調味料ぬきのスープ(鶏肉、干し蝦、干し貝柱、生姜、ネギなどから長時間かけて取ったもの)で炒めてあり、油を使わないのが特徴。面白いのが、広東料理ではないはずの餃子(焼き、水とも350円)。ほっこり皮はもちもち。あっさりして後をひき、いくらでもいけるぞ。「ニラ焼き餃子」(400円)は塩味付き、「ぜいたく餃子スープ仕立て」(700円)は海老とタケノコがぷりぷりはじける。

 聞くと店主の馬さん、日本に留学、そのまま就職、脱サラして四年前に当店を構えた。料理は本国でも玄人はだしの腕前で、趣味が高じて国家資格(厨士)を取っていたという。餃子は映画ロケの仕事で全土を回った際に仕込んだのだとか。

 最後は「豚レバーの粥」(650円)で締めよう。これが生姜で臭いが消してあり、ダシがきいていて胃の腑に染みる絶品だ。デザートはねっとりした杏仁豆腐だが、汁に味がついているという珍品。週替わりのデザートは通念で30種といい、常連によるとどれも必食とのこと。

 四日前までに予約すればフカヒレを含む海鮮料理のコースが料金次第でいかようにも組めるという。厨士の底力を知る楽しみが街角にある、出色の一軒だ。 

ひとこと 2002年3月29日掲載。阿佐ヶ谷にも新店がいくつかお目見えしているが、その中でも常時満席の一軒(もう一軒、JR駅前のカウンター割烹「海舟」もいつも満員)。ここのはどれも本当に美味しいが、帰宅途中に毎日寄ってはビールで晩酌という固定客が多いようだ。それゆえさっときてさっと帰る人が多いから回転は良い。それにじっくり食べようというカップルが混じる。いくら食べてもメニューは尽きないのが嬉しい。いつか、予約注文して潮州風の鮮魚の蒸し物を試したいものだ。香港などの本場では白身魚でやるようだが、日本ではなかなか手に入らないので鯛を出しているという。