| 店名 | ふるやま |
| 所在地・連絡先 | 杉並区成田東4−26−12 電話・03−5378−0233 営業時間・11:30〜15:00、17:30〜21:30 11:30〜21:30(土・日・祝) 定休日:水曜 |
| 紹介文(by 金子隆) | 阿佐ヶ谷近辺は、都内でも有数の蕎麦激戦区。中央線北口には庵と一栄、南口には慈久庵、みや野煌寮が店を構える。そして丸の内線・南阿佐ヶ谷駅近くに昨年十一月末、鮮烈なデビューを果たしたのが「ふるやま」だ。 青梅街道から南に折れると地元の商店街が続く。百メートルほど歩くと「 蕎」の一字が記されたのれんが垂れている。ガラガラと戸を引くと、四人掛けのテーブルが二席。壁に向かった広めのカウンターでは本を読む人もあり、一人客にも使い勝手が良い。ジャズが流れ席ごとに照明が当たる、お洒落な空間だ。先客はみな、酒を飲んでいる。なるほどメニューには、「昔のそばやの肴」とある。四種の地酒から東北泉・竹鶴といった酒のラインナップも趣味が良い(無銘の「日本酒」は450円)。小生は「義侠特A」(900円)を注文。これ、滅多に出会えない辛口の純米吟醸なのだ。「 おつまみ三品」(650円)のそば味噌は甘め、胡麻と蕎麦の実のコリコリが楽しく、焼き岩海苔で巻いて酒をちびりとやるとほんわりしてきた。鴨ロースは縁が焼けて香ばしく、中央がレアの絶品。噛むほどに肉汁が尽きることなく出てくる。そういえば「 鴨つくね盛り合わせ」(600円)、「鴨陶板焼き」(1000円)と、鴨料理に力を入れているのが目につく。では、蕎麦は「鴨せいろ」(1300円)から行ってみよう。熱い汁と冷たい蕎麦がコントラストをなしている。温かい蕎麦は香りが飛ぶような気がしてならない小生としては、快哉を送りたい趣向。汁には太ネギが。こ、これはうまい!焦げた部分が芳ばしく、鴨の脂が浸み、柚の香りでまとめている。適度にザラつきながら美しく切りそろえたせいろものど越しgoo。「天せいろ」(1300円)の天ぷらは、太くてパリパリのインゲンに、芯が半生でブリブリした海老二本、それにさつまいも。熱々のそば湯が腹に浸みる。出てくる陶器も美しい。昔ながらの蕎麦屋の美点を現代的な感覚で蘇らせた、大人の店の誕生である。 |
| ひとこと | 2001年1月12日掲載。できたての店だったが、掲載半年で今や蕎麦好きの間では名の通った店に。ご夫婦で切り盛りされるが、客席を仕切る奥さんがどことなく素人っぽく、かえって蕎麦屋らしくない上品さをかもしだしている。日本酒をちびちびやりつつ、本のページをめくったりできるのも、そうした雰囲気のなせるわざだろう。近所につっかけ履きで行き、ゆったりした時間を満喫できる地元住民は幸せだ。 |