| 店名 | 嘉多蔵(かたくら) |
| 所在地・連絡先 |
住所 新宿区市ケ谷田町1・3 電話・03/3260/4504 営業時間・17:00〜24:00(L.O23:00) 日曜・祝日定休 |
| 紹介文(by 金子隆) |
不況のせいか居酒屋は流行りで激戦を繰り広げているが、大人が料理と酒、仲間との語らいをじっくり楽しめる店となると、滅多にない。そうした中で嘉多蔵は、料金は居酒屋なみながらその滅多にない条件を満たしており、大人の酒飲みをうならせている。 場所は市ヶ谷、駅から川を渡った正面。民芸風の戸を引くと、店内には酒関係のアンティークなど所狭しと並べられている。デザインは結構モダンで面積も広く全百十席がカウンター、個室、テーブルとパートに分かれている。六時半というのに、奥まで早や満席。メニューを開くと「トウキョウ市ヶ谷ツリボリマエデ 美味ナル ヒトトキ至福ノトキ」とあり、期待が膨らむ。 当店の特徴を一言で言うと「一々に主人の工夫が見える」ということか。生ビール(モルツ)はフワッとした泡が実にうまい。漬け物盛り合わせ(450円)では珍しい山芋が美味。セロリ漬けもうまい。ざる豆腐(430円)にしても素材にコクがあるうえ生姜が筋一本なく密におろしてある。細かい工夫には心に迫るものがある。でもって品数は数え切れぬほど。 牛スジの洋風煮込み(480円)はまるでシチューだし、近江牛霜降りカルビの塩ひと振り焼き(980円)は素材が確か。売り物の「炙り」には南部地鶏や黒豚なども。 そのうえ純米の「田酒」(600円)などから始まる酒は驚異のラインナップ。いずれも逸品で目移りするばかりだが、入荷限定品の項には大吟醸の最高峰「初亀の亀」(1300円)、芋焼酎のこれまた最高峰「爆弾ハナタレ」(750円)がさりげなく配される。好事家はのけぞるだろう。 開店一年半になるが、実は前身は創業百年を誇る定食の「市谷食堂」。現主人が温めた構想のもと、全面改築した。伝統の土壌に進取の気性が花開いた、大人のための名店である。 |
| ひとこと | 2000年6月2日掲載。ここ、大箱だが、渋く高級な酒が飲めて、安い。ジャンルとしては居酒屋ということになろうが、まったく枠外。グレープフルーツ酎なんか自分で半個を絞るのだが、フレッシュそのもの。「ハナタレ」を飲み過ぎて、実にいい気分になった。暗さ、広さなど、デートにも使えるだろう。 |