| 店名 | トラットリア・ダ・キヨ(イタリアン) |
| 所在地・連絡先 | 住所:杉並区西荻北3−31−5−2F tel:3397−7066 営業時間:6pm〜10:00pm(L.O.ただし9:00過ぎにL.O.となることがあるので要予約) 定休日:月 |
| 紹介文(by 金子隆) | 「トラットリア・ダ・キヨ」は、辺鄙な場所にあった移転前はともかく、現在ではちょっとしたガイドブックなら紹介しているから、「穴場」の看板に偽りあり!とお思いかもしれない。しかし通常のイタリアンとして押さえたのでは、この店の魅力をすべて伝えたことにはならぬ。「ラテン料理屋」とでもいうべき野趣溢れるもうひとつの顔があるからだ。 で、西荻北口を出て数分歩くと、右側の塀に店のロゴがライティングされている。階段を登るとあたりには料理の匂いが。ドアを開けるとテーブルは赤と白のチェックのクロスで統一、イタリア語のポップなラジオが流れる。非日常の気配があって、すでに「キヨ」の世界が始まっている。 お目当ては手渡される冊子とは別に、白板に手書されている。「うさぎのぶつロースト」「牛腎臓の煮込み」「カモの足のロースト」「アナゴのフリット」などが並ぶ(メニューは日により変わる)。 本日、まずは「アボガドのサラダ」(900円)。二種のインゲン、ブロッコリーが絶妙にコリコリと固く、アボガドのとろける柔らかさと合って、酸っぱいドレッシングで食欲が湧く。「トリッパ(牛胃のトマト煮込み)」(950円)。セロリ・にんじんが崩れるまで煮込んだスープに浮くハチノスは咬めば追いかけてくる味が深い。思わずビール(アズーロ600円)をグビリ。 「バジリコのピザ(マルゲリータ)」(1300円)は、シンプルな構成だが、煎った大豆のような匂いのする土台は、ピザが粉の料理だなと分からせてくれる逸品。ここで忘れずワインをフルで注文(モレリーノ2600円)。当店、ワインは格安なのだ。 小生のお薦めは「パエリア」(2人前から、2600円)。冬場は鮟鱇が絶品だが、この日のタコもいける。米の芯が微妙に残って、タコの吸盤とも咬むほどに味が出る。「子羊背肉の古代ローマ風」(1800円)は、フェリーニの映画から着想したという。スパイスで抑えた脂が乗った子羊は骨ぎわがうまい。 強調しておきたいのがデザートのうまさ。どろりと濃厚な「パンナコッタ」は、店主のキヨさんは「どこでもあるやつですよ」というが、小生、他のどの店とも似て非なるものと思う。最後にエスプレッソ(300円)と香草入りのグラッパ(700円)で締めて、一夜の宴はお開きとなるのである。 |
| データ | ◎アラカルト うさぎのぶつロースト 1700円 牛腎臓の煮込み 1800円カモの足のロースト 2400円 アナゴのフリット1600円 ◎ビール キリン 500円他 ◎ワイン(赤) コルボロッソ 2300円 キャンティ・クラシコ 2600円 バルバレスコ 5000円 バローロ 10000円 他 (白) コルボビアンコ 2300円 ロエロアルネイズ3500円 サンタルチア 4000円 他 ◎グラッパ各種 700円 |
| ひとこと | 1998年9月18日掲載。インターネットのとあるグルメ・サイトを見ていたら、「夕刊紙で褒めてあったから行ったのにやる気なさそうだった」と書かれていた。これは責任重大。キヨは出す料理の種類だけじゃなく、実は主人(キヨさん)の性格もラテン系なので、調子の良いときは絶好調だけど、気まぐれさもハンパじゃない。8時くらいに行ったのに無愛想にされたというお客も続出しているという。でも、なんということのない食材を使ってうまいものを作る才覚にかけては、この人は本当に凄いところがある。冬場のブロッコリーの炒め物なんて、レシピをいくら聞いても作れない技もの。それに当人は「下町の食堂のオヤジ」を標榜しているんだし。だから、リストランテのサービスを求めず、気まぐれさも含めて面白がれる方が覗いてみて下さいな。 |