| 店名 | ピッツェリア・トラットリア ナプレ |
| 所在地・連絡先 |
住所・港区南青山5−6−24 |
| 紹介文(by 金子隆) |
相変わらずイタリアンは盛況だが、ここ一年ほどで目立った傾向として、イタリア本国で修行した料理人が本場により近い味を提供していることがある。けれども味の輸入だけでなく、雰囲気をも違和感なく再現するとなるとまだまだ珍しい。イタリア語学校が経営する「ナプレ」は、グループのリストランテ(リヴァデリ・エトゥルスキ&エノテカ)が高級創作料理志向なのとは対照的に、徹底してナポリの下町の味と雰囲気を伝えている。 なにより、気の置けなさは出色だ。「楽しく陽気に(マンジャーレ・カンターレ)」を謳い文句とする店は多々あるが、騒がしいだけの場合もある。照明を落としキャンドルの灯る落ち着いた店内には、孫と祖父母の家族連れ、旧交を温めるイタリア人、二人の世界に浸るカップルがそれぞれの食卓を楽しんでいる。誰にも「使いやすい」のだ。 で、料理だが、素材をストレートに提供している。ムール貝の胡椒煮(1800円)など、殻でスープを掬いむさぼると、ちょうど今頃の香港の名物、皿一杯の茹で海老を思い出す。だがなんといっても、人間国宝とも称えられる職人の手になる一階の巨大な釜で焼き上げられたピザが逸品。生地そのものの香ばしさに薪の臭いがからみ、しかも歯にねばるのだ。 バジリコの葉とモツァレラ・チーズに覆われたマルガリータ(1800円)は、その生地を味わうのに最適。しかし小生としては、「ドォーロ」(1800円)をイチ押しとしておきたい。無数に乗せられたフレッシュ・トマトを生地で包んで頬ばると、酸っぱい果汁がニンニクの刺激とともに口内に吹き出すのだ!400度で一分で焼き上げる技のたまものである。二種を一枚に焼く「メタメタ」(2400円)もある。 ワインは各地のものが揃う。パレルノ・デル・マッシコをグラス(700円)で飲んだが、深く柔らかなのどごしが絶妙だった。コースも夜で3800円・4800円の二つが設定されている。予約必須の満員店だ。 |
| ひとこと |
2000年11月10日掲載。 イタリアンのカジュアル店というと高級ファミレスといった風情のものが多いが、ここは本当の意味でカジュアルなイタリアン。ピザが中心、ムール貝の胡椒煮など素材を生かした料理も良く、シンプルな落ち着いてワインを楽しめる。こういった店が人気店になっていることが、日本にイタリアンが定着している証だと思う。 |