店名 オジャンドン
所在地・連絡先

住所・新宿区大久保1-17-1
電話・
03-3207-6655
営業時間・AM11:00〜AM7:00
定休日・なし

紹介文(by 金子隆)

 この夏は暑かった!!しかもまだ暑い。暑さ凌ぎには冷麺!ということで見渡すと、今夏は韓国冷麺店に新顔が目立った。神田司町交差点の『リアル』(03−5283−2246)は居酒屋の体裁で緑豆やソバ粉で打つ冷麺が秀逸。スープは雉で取る本格派。サイドメニューも充実の人気店だ。

 だが冷麺に絞ると筆者がもっとも衝撃を受けたのが、新宿職安通り、ドンキホーテの角を入った「オジャンドン」。讃岐うどんは東京で食べこんなもんかと多寡をくくっていると、本場香川に行って「宮武」系の「ひやひや」の冷たい汁と腰のある麺にびっくりするが、それに匹敵する驚きだ。

 「オジャンドン」は、「韓国手打ち冷麺専門店」と看板にあり、本国で冷麺専門店の密集する土地の名を店名に取ってはいるものの、メニューは数え切れないくらいある。なにより充実しているのが定食。「ビビンバ」(1100円)を頼むと、ずらずらと小皿が出てきた。「白菜キムチ」も頼んだが、すらりとした美人のママ(なぜか壁に携帯電話の番号が貼ってある)が「おかずで出るからお代わりは後でいいよー」と言う。それも納得。甘めのダイコンキムチ、厚揚げ、ニンニクの茎などでテーブルが一杯になった。

「上カルビ」(1800円)などの肉類も、炭火で焼いてジューシー。「王豚足」(3000円)は片足まるごと。30枚はあるか?脂が落ちてゼラチンが透明に光っている。サンチュにセーウーチョン(アミエビの塩から)や味噌をつけて巻いて頬張ると、こりゃビール(生600円)が進むわい。ケジャン(2000円)は猛烈に赤くねっとり系、いいだこ(2000円)刺身は切り刻んでも凶暴に吸い付いてくる。

 だが、なんといっても冷麺。「若大根冷麺」(1000円)は、みぞれ状の氷が浮いて登場。お兄さんがハサミでチョキチョキ麺を切ってくれる。ナシ、胡瓜に大根の菜っぱが乗って、外見は極めてシンプル。ごく細の麺をずるりとすすると、これが冷たい。驚きの冷たさだ。しかも汁に深いコクがある。定番のキムチを入れたくならないが、スープだけで味が濃いからだ。牛骨を何時間もかけて煮込むそうだが、それでいて透明。麺と汁をかき込むと、つーんとくる。汁の味がいつまでも薄まらないのは、氷もスープを凍らせたものだからだ。

 麺は白と黒の混じった不思議な色。サツマイモ製だという。しゃっきりして腰があり、歯にからみつく。若大根の菜っぱのほんのりとした苦さも、よく合う。シンプルにして深い味、そして冷たさ。せいぜい「温かくない」のが冷麺といった常識が粉みじんにうち砕かれる。思い出すと無性に食べたくなる傑作だ。

ひとこと 2002年9月6日掲載。
ここは定食のおかずが素晴らしく多くて感激するし、活けのいいだこは塩と胡麻油にまぶして食べるといたいほど口内に吸盤が吸い付く珍味。焼き物も揃ってる。けれども「若大根冷麺」の強烈なうまさの前にはいずれもかすんでしまう。よってここでは、あくまで最後に冷麺で締めることを前提にメニューを組もう。ああ、また食べたくなった。