店名 タベルナ・ロッサーナ(北イタリア料理、新宿御苑)
所在地・連絡先 住所:新宿区新宿1−24−7 ルネ御苑プラザ1F
tel:3356−0250
営業時間:5:30pm〜11:00pm(L.O.)〜2:00am(ワインバー)
定休日:日曜
紹介文(by 金子隆)  東京ではイタリア料理専門店が大変な数、軒を連ねているのに、まだ増え続けているようだ。西麻布など、和食屋より多いのではないか。そんな御時世だけに、個性を打ち出さないとやっていけない。今回は、イタリア滞在経験のある人たちの間で「現地そのままの味」と定評ある訪ねてみた。丸の内線・新宿御苑前駅から靖国通りに向かって徒歩少々のロケーション。

 ここの「売り」は、山の幸に恵まれた北イタリアのピエモンテ色が強いこと。夏は魚も使うが、秋になるとハト・猪・鴨・ウサギなどを出す。また、生パスタが盛んな土地柄にならって、パスタは直輸入製麺機による自家製。「アルデンテ」一辺倒の乾麺とは異なる柔らかい食感だ。前菜とともに11時から変身するワインバーでも供され、北方物が充実するワインとの組み合わせが楽しめる。

 小生は6000円のコースでパスタをイカスミ、メインにアイナメを選ぶ。にこやかなソムリエ嬢がさし出したワインリストはなんと白のみ。夏の料理をくどくなく食べるための工夫とか(もちろん赤もある)。お任せにすると、「チンクエ・テッレ」の白、96年もの(4800円)を薦められる。後味すっきり系で、コースの全体とくに魚との相性がいい。さすがオーナー以下3人もがソムリエ資格を持つ店だけある。

 で、前菜は8種。中でもタコにグリーン・オリーブの「おろし」を乗っけてバージン・オイルをかけたものと、生ハムとルッコラを朝鮮レタス(サンチュ)で包んだものは目新しいだけでなく味もいい。

 パスタはイカスミとはいっても麺に練り込んだもの。生麺だけあってねっとり感はいっそう強く、細く切れ目を入れたイカ、トマトとで黒・白・赤と彩りも鮮やか。エビも臭いなどなくあさりとともに味が立っている。これも美味。

 アイナメは大ぶりかつ新鮮で、焼きマイタケが添えられる。これを平たくそいだズッキーニで包んでほお張るとコリコリ感にアイナメの脂がなかなか合う。野趣を押し出しつつ細心さも忘れないのだ。特筆すべきは、デザートの「クレムブリュレ」と「ズコット」が相当なレベルだったこと。長い付き合いの4人で同じ目標をもって独立したというだけあって、意欲溢れる佳店だ。
データ ◎コース 6000円
◎前菜 1800円より
◎パスタ1800円〜2400円
◎メイン 2400円〜2800円
◎ビール (生、サントリー・モルツ・スーパープレミアム)700円
◎ワイン グラス約1500円、ボトルは4000円(白)、5000円(赤)より
ひとこと 1998年8月31日掲載。
ピエモンテの地方料理は魚介よりも山の幸で知られる。ジビエも盛ん。東京でピエモンテの老舗といえば、その名もズバリ『ピエモンテ』(荻窪)。1960年代のNHKの料理教室で陳健民氏らとともに講師を務めた先代が今も健在で、東京のイタリアンの草分け的な一件。その老練さと比べれば若々しいのが「ロッサーナ」の特色か。