店名 讃岐うどん さか田(銀座)
所在地・連絡先 住所:中央区銀座1−5−13仰秀ビル2F
tel:3563−7400
営業時間:昼11:30am〜3:00pm 夜5:00pm〜10:00pm
定休日:日・祝日
紹介文(by 金子隆)  讃岐うどん屋はいまや東京に根付いており、知らぬ者とてない存在。特徴は?と問えば「腰がある」等、答えが即座に返ってくるはずだ。

 しかし。ここに本場香川に無数にあるうどん店を針の穴を探るがごとく巡った怪記録、「タウン誌かがわ」連載の『恐るべきさぬきうどん』という本がある。読めば名店のうどんは我々の知る「讃岐」とは似ても似つかぬものらしい。これはショックだ。

 本場では麺こそ命。店主はひたすら麺打ちに励み、店によってはすべてが客のセルフのところも(ネギは裏庭に生えてるのを客が採る店すら)あるという。通は麺を味わう。「具だくさん」は褒め言葉とはならない。蕎麦を「もり」で食するのと同じ感覚なのだろう。

 「さか田」店主・坂田篤彦氏は、「なにせ東京には『生じょうゆ』や『ぶっかけ』がありませんから」と、本場名店の二大名物をひっさげて銀座1丁目に乗り込んできた。麺食いの小生も、噂を聞くだけで実物はこれが初めて。

 「さか田」は、並木通りの雑居ビル二階にある。道端の看板がいかにもナミの店ぽいので、目利きはかえって見過ごしそう。ところが店内は美装、うどんを注文してからゆで時間にビールを頼むと(「ゆでたて」も希少価値だ)、つまみメニューには「阿波の特産魚肉カツ」以下、四国の珍しいものがメジロ押し。ちょっとした郷土居酒屋の風情だ。日本酒も四国の銘醸ばかり、他の酒類にもこだわりが見える。5卓あるテーブルではわいわいやっている人には、やはり四国人が多いとか。

 「しょうゆ豆」(300円)、「竹付きチクワ」(400円)、「土佐小かつお節」(600円)を注文。あっと言う間に出てきて、しかも経験のない味、こりゃどれもうまい。

 うどんはまず「生じょうゆ(冷)」(700円)。光沢良くとぐろを巻く麺に乗る「おろし」に、すだちと「マルキン生しぼり」のしょうゆをかけ、つるつるとほお張る。なんだこれは!表面の触感はすべすべだが歯は拒まないでふわっと通る、まるで刺し身だ。「粉から厳選しますんで」とは坂田氏。

 続く天麩羅うどん(900円)も・オオバ・ナス・海老の揚げ方が良くてサクサク。汁は優しく胃に染み渡る。

 食の世界は広い、「未知との遭遇」の一夜であった。 

データ ◎お昼のセット
◇さぬきランチ 選べるうどん+日替ごはん 850円
◇日替りランチ 日替うどん+日替りごはん 850円

◎うどん
ぶっかけ(温・冷)700円
ざる       700円
釜揚げ(夜のみ) 700円
釜玉(夜のみ) 750円
うどん三昧(夜のみ)1200円

◎ビール
◇ラガー 550円
◇生 キリンビール職人 グラス500円、ジョッキ600円
◇地ビール 岡山独歩ビール
ピルスナー 750円
デュンケル 750円

◎焼酎
ちょっぺん麦、すだち酎各450円

◎日本酒
鳴門鯛 撫養街道 750円
司牡丹 純米辛口 750円他
ひとこと 1998年10月15日掲載。
 取材時、電話をしたら「取材なんてしてもらったことないんでよう分かりませんわ」と言っていた坂田氏。当時の店内はさながら讃岐郷土会の風情だったが、後に『週刊現代』と『danchu』で同時にメインを張るという快挙を成し遂げ、一気にブレイク。いまや夕方には麺がなくなり早じまいという流行店に仲間入りした。でも、あの主人の素朴さがなつかしいなあ。