| 店名 | 焼き肉−ソウル− |
| 所在地・連絡先 | 住所・足立区竹の塚1−30−11−2F |
| 紹介文(by 金子隆) | 東武伊勢佐木線の竹の塚は焼き肉店のメッカ。通りを歩くとあちこちに看板が見える。駅から少し離れたところにお世辞にも綺麗とはいえない建物があり、「ソウル」はその二階。激戦区だけに、店にはよほどの個性が必要だ。そしてこの店の目玉が、「和牛A5トビ」。人呼んで「究極のカルビ」である。 和牛の最高ランクは業者の用語でA5と呼ばれる。「A5トビ」とはそれからも外れた桁違いの肉質のこと。仕入れても6割以上は脂で捨てねばならず、普通の店では使い切れない。「立地が悪い分サービスです」と店主。この肉をサシの入り方で等級に分ける。 では、ということで一番安い「和牛カルビ」(950円)を注文。運ばれてきた肉には網の目状に霜が降る。「軽く炙るだけで食べてみて下さい」というので、表面の脂を溶かす程度に火にかけて、頬ばると・・・や、柔らかい!とろけるようにのどに流れてゆく。これは他店の特上カルビではないか。しかも9枚。ドロドロの赤い汁に漬かったキムチ(400円)で口内をリフレッシュする。これはビール(中、580円)しかないっしょ。 ならばと、「和牛上カルビ」(1700円)も注文。これは見事なピンク。こちらも脂が浮き立ったところでつまむ。うーむ、これもとろけて、何というのか、すでにカルビではない。トロに近いような食感だ。では一体・・・ ということで、究極の「特選カルビ」(2300円)に挑戦せねばなるまい。やってきた皿には目が張りついてしまう。鎮座する5枚の肉には脂の網の目がほとんど細密画のように細くびっしり入る。まるで大トロではないか。軽く炙って口へ。ううーん、と唸ったきり、声も出ない。これは肉ですらない、泡雪のように歯を立てずに流れて行くのだ。 隣席の家族連れは大皿で特上ハラミの盛り合わせ(5人前、6000円)を食べている。「ここのハラミは絶品だよ!」と親父が子供達に得意顔。8000円(5人前)のカルビ・スペシャルもあり、盛り合わせは各種注文を受けているという。 肉ばかり語ったが、ナムル(500円)にしてもウド・フキ・ほうれん草など季節感ある凝った組み合わせ。コムタン・スープ(850円)は生ネギを落としてあっさり。レバ刺し(850円)も芝浦の屠場で午前中に落とした和牛もので最上の一皿。 上野から電車で三十分近くかかるが、それでも行きたい魔性の味であった。 |
| ひとこと | 2001年5月11日掲載。ここには心底驚いた。肉を食すということの観念が変わってしまうほどのカルビであった。それでもご主人は至って謙虚。建物が古いので他でサービスしますとのことだが、なるほど外に置いてある湯気の出る焼き肉の模型も、あまりぱっとしないし、店内も妙なカーテンで仕切られている。それでも近隣のジムのプロ・ボクサーたちに大人気という。絶食しているときにここの焼き肉を思い出すんだろうなあ。納得。 筆者が二度目に訪れた時には、「今月の新作です」とサラダを勧めて下さった。次々に工夫を凝らしているらしい。極めて研究熱心なお店である。 |