店名 筑紫樓
所在地・連絡先 〒150 渋谷区恵比須南1−10−2

tel3760−0016(東口店3441−3722)

時間11:30〜2:30 5:00〜10:00 無休
紹介文(by 金子隆)

 昨今の中華で注目されるのは、ヌーベル・シノワのごとくもっぱら従来のイメージを破る洋風感覚のもの。そんな中で、「ふかひれ(魚翅)」という最高の食材に正面から取り組んで、中華の底知れぬ味の世界に誘ってくれる筑紫樓は異彩を放っている。

 恵比須駅から徒歩一・二分、ボーリング場を折れた路地の奥。ガラス扉を明けると、一メートルはあろうかという巨大なふかひれが玄関で待ち構える。五時からの一時間半を予約したが、すでに満杯。小ぎれいな卓の並ぶ店内は、瀟洒ながら大変な活気だ。なにしろ二階建て百二十席、調理人だけで二十人の大所帯である。

 コースは避けて、この日は腸詰め(700円)から始める。水餃子(1000円)も弾力がよく、ふか(サメ)肉と季節野菜の辛いため(1200円)は匂いもなくあっさり。ふかひれスープ(1800円)は上品なコンソメのよう。メイン以外のうまさも特筆もの。しかし、何といっても「ふかひれ姿煮入りかけごはん」(2400円)。もう、うまいのなんのって、ひれの量感もさることながら、ごはんへ染みた煮汁には絶句。正直、これ、現在の東京の「至高のメニュー」の一皿。しかも食後の杏仁豆腐がすっきりと絶品。

 オーナーの岡田久徳氏によると、三人ほどで100グラム4000円のひれ姿煮込み(250グラムから)を取り、あと野菜、肉もの、そば、デザートなどを取って一人6000円ほどですますのが常連とか。もちろん、煮汁はごはんにかける。ふかひれは大きいとゼラチンが汁に溶け出してうまみが増すのだ。

 これだけの逸品を安価で提供できるのは、長年、懇意の水産会社とひれの乾かし方や調理法のアイデアを交換しあった結果、別注品を完成させて大量に仕入れることができたから。味つけは、別々に取った四種の中華スープを料理ごとに調合しているという。さっぱり味で、ついリピートしたくなる名店だ。 

データ ランチ     1500円
コース  3500円/5000円
ビール アサヒ600円 青島650円
ふかひれ姿煮入りそば 2400円
ふかひれ刺し身姿つくり 3200円
黄ニラともやし炒め800円
ひとこと  98年2月2日掲載。大変な活況を呈するこの店は、メニューも厚くコースが多種ある。しかし当店はなんといってもフカヒレ。せっかく来て、他のメニューで腹が一杯にならないようにしなければならない。だからコースは避けて「フカヒレ姿煮入りかけご飯」を中心に組むのが私のやり方。それでもこのご飯は大変な量。しかものっけてあるフカヒレは、一本一本が離れているやつではなく、固まったまま幅10センチ大で出てくるのだ。
 ここはあまり知られていないのかと思い取材したが、後に「東京良い店やれる店」に掲載されていたことが判明。やはり分かる人は分かる。でも、ホントに「やれる」のか?フカヒレの姿煮込みは200グラムの8000円から注文できるが、これを注文していたカップルの男には下心があるのかと、つい横目で見てしまった。
  それと、ここの杏仁豆腐は必食。吉祥寺のカフェ「Floor!」のとここのがマイ・ベスト・杏仁豆腐だ。