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著作権法

頒布権

頒布をなす権利は映画についてのみ認められており、著作者は映画の流通について時間的・空間的・目的的等の様々な観点から制限を加えることができ、その制限は物権的な対世的な効果を有する(久保利英明=内田晴康・著作権ビジネス最前線7訂版(中央経済社1999)298)。

貸与

「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により公衆に提供することができる」(38条4項)。貸出自体からは料金を徴収しなくても、何らかの形で利益が得られる場合は侵害であると考えられる(e.g.会費を集めて会員制のクラブが著作物を貸し出す場合)。

企業が貸出主体になる場合について、「社員の福利厚生目的で社員に無料でレコードを貸し出すことは、一見非営利と見えますが、企業自体が営利を追求するものである以上、間接的な営利行為と判断されます」(日本レコード協会「著作権法におけるレコードに関する基礎知識」)。

但し38条4項は権利者側には問題視する向きもある(吉田大輔・著作権が明解になる10章(出版ニュース社1999)210)。文化審議会著作権分科会法制問題小委員会では著作権法38条5項に規定されている非営利・無料の貸与に係る補償金制度の対象を将来「書籍等」に拡大するという方向性に関しては基本的に反対はなかった(「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会審議経過の概要」2002.12)。そのため将来的には法改正も予想される。

映画著作物の貸与

映画の著作物を貸与できる施設は政令で国又は地方公共団体が設置する視聴覚教育施設、図書館法に基づく公共図書館、文化庁長官が指定する施設に限定される。これらの施設が複製物の貸与を受ける者(利用者)から料金を受けない場合には貸与することができる(著作権法38条5項)。この場合、施設等は著作権者に相当額の補償金を支払わなければならない。

書籍等の貸与についての経過措置

「新法第26条の3の規定(貸与権)は、書籍又は雑誌(主として楽譜により構成されているものを除く。)の貸与による場合には、当分の間、適用しない」(付則4条の2)。楽譜は本経過措置の対象外だが、営利性がなく、利用者から料金を徴収しなければ貸与可能(38条4項)。

書籍付属のCD-ROM, FD等は、書籍とは別の著作物とされる。従って38条4項の対象となるが、映画の著作物と該当しうるものは後述のビデオ・DVDと同じ扱いになる。但し近時の裁判例は映画著作物の著作権が強力すぎるとの政策判断からか、映像を含むコンピュータソフトウェアの映画著作物性に消極的な判断を下す傾向にある。

「少なからぬ出版社は、本文図書が主体で付録のCD-ROMはそれを補完する従たる存在で、本体と運命(=取り扱い)をともにするものとの感覚をもっている」とする見解がある(山本順一「デジタル図書館と著作権」文部科学省補助事業 デジタルライブラリーの環境整備に関する調査研究報告書「2001インターネット時代の公共図書館」(財団法人高度映像情報センターAVCC))。しかしそれは慣習化しているとまでは言えない。

WIPO著作権条約(著作権に関する世界知的所有権機関条約WIPO COPYRIGHT TREATY)

第七条 貸与権

(1) 次に掲げるものの著作者は、当該著作物の原作品又は複製物について、公衆への商業的貸与を許諾する排他的権利を享有する。
(i) コンピュータ・プログラム
(ii) 映画の著作物
(iii) レコードに収録された著作物であって締約国の国内法令で定めるもの
(2) (1)の規定は、次の場合には適用しない。
(i) コンピュータ・プログラムについては、当該コンピュータ・プログラム自体が貸与の本質的な対象でない場合
(ii) 映画の著作物については、商業的貸与が当該著作物に関する排他的複製権を著しく侵害するような広範な複製をもたらさない場合
(3) (1)の規定にかかわらず、レコードに収録された著作物の貸与に関して著作者に対する衡平な報酬の制度を遅くとも千九百九十四年四月十五日以降継続して有している締約国は、レコードに収録された著作物の商業的貸与が著作者の排他的複製権の著しい侵害を生じさせていないことを条件として、当該制度を維持することができる。

第十条 制限及び例外

(1) 締約国は、著作物の通常の利用を妨げず、かつ、著作者の正当な利益を不当に害しない特別な場合には、この条約に基づいて文学的及び美術的著作物の著作者に与えられる権利の制限又は例外を国内法令において定めることができる。
(2) ベルヌ条約を適用するに当たり、締約国は、同条約に定める権利の制限又は例外を、著作物の通常の利用を妨げず、かつ、著作者の正当な利益を不当に害しない特別な場合に限定する。

半導体チップ法
正式名称は半導体集積回路の回路配置に関する法律。半導体集積回路の回路配置(マスクワーク)を保護するものである。特許法でも著作権法でも保護しにくい為、特別法により、保護される。特別法による保護が採用された背景には米国で特別法に保護されていたことが大きい。存続期間は10年。特許権と異なり、模倣のみを禁じるコピーライトアプローチを採用する。

知的財産法体系図


消費者金融

与信システム

従来は融資時点での貸し倒れリスクだけを判定するシステムが主流であったが、融資先の将来の財務状況を含めリスクがどう変化するかを判断できるシステムも開発された。このシステムは日本IBMとオリエント信販の共同開発で、ビジネスモデル特許を出願した(「融資審査、将来の財務リスク判定、日本IBMなどシステム」日経金融新聞2002.9.23)。

銀行と提携

消費者金融会社が銀行と提携する例も消費者金融側にとっては社会的認知度の向上がメリットである(ビジネスリサーチジャパン・業界地図が一目でわかる本(三笠書房2002)20)。この点でマス広告と同じである。銀行のブランドを利用して、消費者金融への心理的障壁を低め、これまで獲得できなかった層を顧客にすることを目指す。

消費者金融会社と銀行の提携例出資企業
モビットUFJ銀行、プロミス、アプラス
東京三菱キャッシュワン東京三菱銀行、アコム、三菱信託銀行、DCカード
ビジネクストアイフル、住友信託銀行
アットローン三井住友銀行、三洋信販、日本生命、ampmジャパン

業務(技術)関連多角化

消費者金融会社は業務(技術)関連多角化も実施している。事業者向けローンや海外進出がある。事業者ローンでは消費者金融で培った無担保・無保証短期ローンを事業者向けに展開する。銀行と比べて金利は割高だが、審査は早く、社会問題となった商工ローンのように連帯保証人として第三者を巻き込む危険性も少ない(水野孝彦「運転資金調達に新たな選択肢 スピード審査を売り物に貸し出し増やすノンバンク」日経ベンチャー2002.9.1)。

海外進出では生活水準が向上しているアジアへの進出が目立つ(「日本の消費者金融、韓国進出―24社営業開始、シェア4%」日経金融新聞2002.10.30、「プロミス、台湾で合弁、消費者ローン業務受託」日経新聞2002.10.4)。

これらは融資というコアコンピタンス業務を核とした新事業進出である。強みを生かした多角化だが、顧客の視点で見るならば顧客は中小事業主や外国の消費者であり、既存の消費者金融の顧客とは別個のものである。顧客関係強化の点では得るものが乏しい。


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