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国民年金法
日本社会が急速に高齢化、核家族する中、老後の生活を支える年金制度に対する期待が益々高まっている(第一勧銀総合研究所・図解年金のしくみ2版(東洋経済新報社2001)20)。
第1号被保険者
20歳以上60歳未満の日本国内に住所を有する者が要件。被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者、第2号被保険者及び第3号被保険者を除く。国籍要件は問われない(7(1)1号)。
資格喪失の時期
「第7条の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(第二号に該当するに至った日に更に第七条第一項第二号若しくは第三号に該当するに至ったとき又は第三号から第五号までのいずれかに該当するに至ったときは、その日)に、被保険者の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 日本国内に住所を有しなくなったとき(第七条第一項第二号又は第三号に該当するときを除く。)。
三 六十歳に達したとき(第七条第一項第二号に該当するときを除く。)。
四 被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者となったとき(第七条第一項第二号又は第三号に該当するときを除く。)。
五 被用者年金各法の被保険者、組合員又は加入者の資格を喪失したとき(第七条第一項各号のいずれかに該当するときを除く。)。
六 被扶養配偶者でなくなったとき(第七条第一項第一号又は第二号に該当するときを除く。)」(9(5))。
不正利得の徴収
偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、社会保険庁長官は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる(23)。
受給権の保護
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。給付を受ける権利を、譲り渡すことの禁止規定に例外はない。最近、年金担保融資が社会問題になっている。但し、年金給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢基礎年金又は付加年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む)により差し押させる場合は、この限りではない(24)。付加年金は、老齢基礎年金といつも行動を共にする。
租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として課すことができない。但し、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない(25)。
死亡一時金
死亡一時金の支給要件としての加入期間は、1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数が36月以上あることが必要。改正前は保険料納付済期間のみで3年以上だったが、改正後は、保険料納付済期間に保険料半額免除期間もカウント出来る。同じ保険料免除期間でも、保険料全額免除期間は含まれない。
脱退一時金
脱退一時金の額は、第1号被保険者期間としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数と保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数とを合算した月数に応じて支給される。死亡一時金と同様、保険料全額免除期間は含まれない。
遺族の範囲
「遺族基礎年金を受けることができる妻又は子は、被保険者又は被保険者であった者の妻又は子(以下単に「妻」又は「子」という。)であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次に掲げる要件に該当したものとする。
一 妻については、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次号に掲げる要件に該当する子と生計を同じくすること。
二 子については、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと」(37-2(1))。
「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、前項の規定の適用については、将来に向かって、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していたものとみなし、妻は、その者の死亡の当時その子と生計を同じくしていたものとみなす」(37-2(2))。
18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときでも障害等級に該当していれば、その状態が継続する限り、20歳に達するまで遺族基礎年金の受給権は消滅しない。
失権
「子の有する遺族基礎年金の受給権は、第一項の規定によって消滅するほか、子が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。
一 離縁によつて、死亡した被保険者又は被保険者であった者の子でなくなったとき。
二 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。
三 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。
四 20歳に達したとき」(40(3))。
老齢基礎年金
老齢基礎年金の支給要件の一つである受給資格期間は、原則25年以上必要であるが、昭和31年4月1日以前に生まれた者であって、被用者年金制度の加入期間が生年月日に応じて20-24年以上であるものは、受給資格期間を満たしたものとされる。例えば生年月日が昭和28年4月2日から昭和29年4月1日の間にある者は、被用者年金制度の加入期間が22年以上あればよい。
支給の繰上げ
繰上げ請求した老齢基礎年金の受給権は、請求を行った日に発生し、年金の支払は受給権の発生した日の属する月の翌月から開始される(法附則9条の2第3項、法第18条1項)。支給の繰上げ請求をした日の属する月から、65歳に達する日の属する月の前月までの月数に応じて、0.5%刻みで年金額が減額される。支給の繰り下げの場合は既に65歳で受給権が発生し翌月から支給されるものを、受給権者の申し出により支給開始時期を繰り下げるもの故、条文では「申し出ることができる」となっている。
遺族基礎年金
被保険者の死亡当時胎児であった子が生まれた時は、将来に向かって、その子は被保険者の死亡当時その者によって生計を維持していたものとみなされ、妻はその者の死亡当時その子と生計を同じくしていたものとみなされる(37-2(2))。
寡婦年金
「寡婦年金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である夫(保険料納付済期間又は第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間以外の保険料免除期間を有する者に限る。)が死亡した場合において、夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)が10年以上継続した65歳未満の妻があるときに、その者に支給する。ただし、その夫が障害基礎年金の受給権者であつたことがあるとき、又は老齢基礎年金の支給を受けていたときは、この限りでない」(49(1))。
寡婦年金は、妻が夫の死亡により遺族基礎年金を受けたことがある場合でも他の要件を満たせば支給される。夫の死亡により寡婦年金と遺族基礎年金が同時に発生しているときは、同時には支給されず、選択により何れか一方が支給され、他方は支給停止となる。
寡婦年金は、死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき、又は老齢基礎年金の支給を受けたことがあるときは支給されない。夫の掛けた保険料の掛け捨て防止という観点から支給するものであるため。
障害基礎年金
障害基礎年金の保険料納付要件とは、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があるものについては、その被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間がその被保険者期間の3分の2以上あることが必要である。被保険者の資格を取得した月およびその翌月に初診日がある場合は保険料納付要件は問われない。
2級以上の障害の程度に満たない程度の障害の状態にあった者が新たな傷病にかかり、65歳に達する日の前日までの間に新たな傷病による障害と前の障害を併せると2級以上の障害に該当した時は、本人の請求のあった月の翌月から障害基礎年金が支給される。
障害基礎年金の受給権者に対して更に障害基礎年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金の受給権が発生し、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。
免除
法定免除
被保険者(保険料半額免除制度の規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次のいずれかに該当するに至ったときは、その該当するに至った日の属する『月の前月』からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、『既に納付されたもの』及び前納されたものを除き納付することを要しない。
1.『障害基礎年金』又は被用者年金各法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であって政令で定めるものの受給権者(最後に厚生年金保険法に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して障害状態に該当することなく『3年』を経過した『障害基礎年金』の受給権者であって、現に障害状態に該当しない者を除く。)であるとき。
2.生活保護による『生活扶助』その他の援助であって、厚生労働省令で定めるものを受けるとき。
3.その他厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。
法定免除は申請は不要だが、届出が必要。保険料免除制度は、第1号被保険者の方のみが適用される。第3号被保険者は、そもそも保険料を払う必要がない。免除が承認されるとその期間分は受給するための資格期間として計算されるが、給付時の年金額は全額免除期間は通常の1/3、半額免除期間は通常の2/3に減る(中尾幸村・図解わかる年金200-2004年版(新星出版社)63)。
半額免除制度導入
国民年金の保険料について、半額の納付を免除する制度が新設された。これにより、保険料免除期間は、老齢基礎年金を計算する際には、その半額免除期間は、保険料納付済期間の3分の2として計算される。
学生納付特例規定の拡大
学生納付特例の対象者に定時制、通信制の課程に在学する者及び夜間、通信の学部等に在学する者も含める。
第3号被保険者に関する届出
第3号被保険者に関する届出は、社会保険庁長官に行う。第3号被保険者の資格取得の届出は、原則、その第3号被保険者の配偶者である第2号被保険者を使用する事業主又は組合員、加入員とする共済組合を経由して行う。資格の取得、資格の喪失、種別の変更、種別の確認、氏名、住所の変更届け出の期限が、30日以内から14日以内に変更される。
合算対象期間
日本国籍を有する者が日本国内に住所を有しなかった期間のうち、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間について合算対象期間となるのは、20歳以上60歳未満の期間に限られる(S60法附則8条5項9号)。
職能型国民年金基金の設立要件
15人以上の発起人が規約を作り、厚生労働大臣の認可を受けて設立。3000人以上の加入員が必要。
物価スライド
公的年金(e.g.国民年金、厚生年金)は、前年の全国消費者物価指数の上昇・下落に応じて、翌年度の年金額を自動的に改定する物価スライドが行なわれる(国民年金法16条の2、厚生年金保険法34条1項)。それにも関わらず、この数年は特例法の制定により、全国消費者物価指数は下落しているにもかかわらず、物価スライドは凍結されてきた。従って年金額は従来のまま据え置きという形になっていた。しかし平成15年度の年金額については、これまでとは異なり、平成14年の全国消費者物価指数の下落分(−0.9%)だけの改定が行なわれる。実際には4月および5月分の年金が支給される6月から改定された額が支給される。
■物価スライド改定が行なわれる給付
・老齢基礎、厚生年金
・遺族基礎、厚生年金
・障害基礎、厚生年金
・配偶者加給年金、子の加算額
<例>老齢基礎年金
従来…804,200円(満額受給)
物価スライド適用後…797,000円(満額受給)
■物価スライド改定が行われない給付
・障害手当金
・脱退手当金
・外国人の脱退一時金
・国民年金の付加年金
厚生年金保険法
保険者
厚生年金保険の保険者は政府である。厚生年金基金は厚生年金保険の保険給付の全部を行っているわけではなく、一部を国に代わって行っているだけなので保険者ではない。
厚生年金基金
公的年金がスリム化していく今日だからこそ従業員にとって老後の所得保障として基金の果たす役割は大きい(阿部誠之助「基金の役割、増々大きく」NOMDA NEWS 2003.5.20)。
設立要件
適用事業所の事業主は、厚生年金基金を設立しようとする時は、厚生年金基金を設立しようとする適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得なければならない。
任意単独被保険者制度
適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者は、事業主の同意と社会保険庁長官の認可を受けて、被保険者となることができる。社会保険庁長官の権限は地方社会保険事務局長に委任され、その権限は社会保険事務所長に委任されている。
H14年4月1日より、適用事業所に使用される65歳以上70歳未満の者を被保険者とし、保険料徴収が行われる。
適用事業所に使用される70歳未満の者=当然被保険者
適用事業所以外に使用される70歳未満の者で下記条件を満たした者=任意単独被保険者
・事業主の同意
・社会保険庁長官の認可
任意単独被保険者制度は、あくまでも事業所単位ではなく、個人個人での厚生年金保険制度への加入を認めた制度。よって、どうしても保険料の収納事務が煩雑になってしまう。そこで、加入の条件として事業主に半分保険料を負担してもらって下さい、そして事業主さんに保険料の納付義務もお願いし、その条件に事業主が同意すれば制度に入れる。
高齢任意加入被保険者
適用事業所に使用される70歳以上の者で、老齢または退職を支給事由とする年金給付の受給権を有していない場合、高齢任意加入被保険者になるには、社会保険庁長官への申出でよい(法附則4条の3)。事業主の同意はあってもなくても構わない。同意があれば、保険料は事業主と被保険者が折半負担、同意がなければ被保険者全額負担。適用事業所以外の事業所での高齢任意加入は、事業主の同意と社会保険庁長官の認可が必要。同意が認可要件故に、保険料は折半負担となる。
賞与
被保険者(船員被保険者及び一括適用事業所に使用される被保険者を除く。)の賞与額に関する届出は、賞与を支払った日の5日以内に、厚生年金保険被保険者賞与届又は当該届出に記載すべき事項を記録した磁気ディスクを社会保険事務所長等に提出することによって行うものとされている。
併給の調整
年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)は、その受給権者が他の年金たる保険給付、国民年金法による年金たる給付(当該年金たる保険給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く。以下この条において同じ。)又は他の被用者年金各法(国民年金法第5条第1項第2号から第4号までに掲げる法律をいう。以下同じ。)による年金たる給付(当該年金たる保険給付と同一の支給事由に基づいて支給されるもの(当該年金たる保険給付が老齢厚生年金である場合にあっては、退職共済年金を含む。)を除く。以下この条において同じ。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。遺族厚生年金の受給権者が他の年金たる保険給付、国民年金法による年金たる給付(老齢基礎年金及び付加年金を除く。)又は他の被用者年金各法による年金たる給付を受けることができる場合における当該遺族厚生年金についても、同様とする(38(1))。
38条第1項の規定によりその支給を停止するものとされた老齢厚生年金(同条第2項本文又は同条第3項の規定によりその支給の停止が解除されているものを除く。)の受給権者(配偶者に対する遺族厚生年金又は他の被用者年金各法による遺族共済年金(配偶者に対するものに限る。)の受給権を有するものに限る。)は、当該老齢厚生年金に係る同条第2項の申請を行わないときは、同条第1項の規定にかかわらず、その額(第46条第1項及び第2項の規定によりその額の一部の支給が停止されている老齢厚生年金にあっては、その額から当該支給が停止された部分に相当する額を控除した額)の2分の1(第44条第1項の規定によりその額が加算された老齢厚生年金にあっては、その額から同項に規定する加給年金額を控除した額の2分の1に相当する額に同項に規定する加給年金額を加算した額)に相当する部分の支給の停止の解除を申請することができる。ただし、その者に係る前条第1項に規定する他の年金たる保険給付、国民年金法による年金たる給付又は他の被用者年金各法による年金たる給付について、同条第2項本文若しくは同条第3項又は他の法令の規定でこれらに相当するものとして政令で定めるものによりその支給の停止が解除されているときは、この限りでない(38-2(1))。
前項の規定により老齢厚生年金の一部の支給の停止の解除を申請した者又は他の法令の規定でこれに相当するものとして政令で定めるものにより他の被用者年金各法による退職共済年金であって政令で定めるものの一部の支給の停止の解除を申請した者については、前条第2項の規定は、適用しない(38-2(2))。
前項に規定する者は、遺族厚生年金(配偶者に対するものに限る。)の額の3分の2に相当する部分の支給の停止の解除を申請することができる(38-2(3))。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の2分の1と遺族厚生年金の3分の2を選択できるのは配偶者の遺族厚生年金に限られる。従って、配偶者以外の遺族厚生年金の受給権者は老齢基礎年金と老齢厚生年金かあるいは老齢基礎年金と遺族厚生年金のどちらかしか選択できない。遺族厚生年金を受けている者で中高齢寡婦加算の支給を受けている場合は、65歳以降も遺族厚生年金を受ける選択をした場合に限り、65歳以降も経過的中高齢寡婦加算が支給される場合がある。
障害厚生年金
障害厚生年金の受給権者は1級、2級、3級に分かれる。1級又は2級の受給権者に、さらに障害厚生年金を支給すべき事由が生じた時は、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金が支給される(48(1))。当初から3級の障害厚生年金の受給権者については、併合認定による障害厚生年金の権利は発生しない。障害厚生年金3級+障害厚生年金3級の場合は、併合認定とはならないが、65歳に達する日の前日までに、前後の障害をあわせて1級又は2級に該当する時は、基準障害による障害厚生年金が支給される。
配偶者に対する加給年金が支給され、子に対する加給年金は、障害基礎年金から支給される。障害厚生年金と障害手当金は併給されない。障害厚生年金の被保険者期間は、障害認定日の属する月後の期間は計算の基礎としない。属する月までは被保険者期間に入る。
遺族厚生年金の受給権者
「遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第一号又は第二号に該当する場合にあっては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。
一 被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であった者であって、行方不明となった当時被保険者であったものを含む。)が、死亡したとき。
二 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して五年を経過する日前に死亡したとき。
三 障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
四 老齢厚生年金の受給権者又は第四十二条第二号に該当する者が、死亡したとき」(58)。
加給年金
配偶者が大正15年4月1日以前の者で加給年金が支給されている場合、その者が65歳になっても振替加算は行なわない。この場合、加給年金がそのまま支給される。
経過的加算
60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者には、いわゆる経過的加算が行なわれることがある。その経過的加算の額は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分相当額から、厚生年金保険加入期間に係る老齢基礎年金の額を控除した額とされており、定額部分の計算にあっては、中高齢の特例により受給資格期間を満たしたものについては、被保険者期間の月数が240に満たないときであっても240とされる。
第4種被保険者
厚生年金保険の被保険者資格を喪失した後、第4種被保険者の資格取得の申出が受理された時は、原則として当該申出に係る厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した日、又は当該申出が受理された日のうち、その者の選択する日に第4種被保険者の資格を取得する。
S60法附則43条4項
「第二項(第4種被保険者)の申出をした者は、その申出が受理されたときは、当該申出に係る厚生年金保険の被保険者若しくは組合員若しくは私学教職員共済制度の加入者の資格を喪失した日又は当該申出が受理された日のうち、その者の選択する日に厚生年金保険の被保険者の資格を取得するものとする。ただし、その者が当該申出が受理された日において厚生年金保険の被保険者又は組合員若しくは私学教職員共済制度の加入者であったときは、当該申出に係る厚生年金保険の被保険者又は組合員若しくは私学教職員共済制度の加入者の資格を喪失した日に、厚生年金保険の被保険者の資格を取得するものとする」。
保険料の滞納処分
督促状の指定期限までに、法85条の保険料の繰上徴収の告知を受けた者が指定の期限までに保険料、その他徴収金を納付しない場合、社会保険庁長官は、納付義務者に対し、国税滞納処分の例によって処分し、又は納付義務者の居住地若しくはその者の財産所在地の市町村に対してその処分を請求することができる。
市町村が滞納処分の請求を受けた時は、市町村税の例によりこれを処分することができる。この場合、厚生労働大臣は、徴収金の100分の4に相当する額をその市町村に交付しなければならない。最近は滞納が増えて、社会問題になっている。
旧法
旧厚生年金保険法による老齢年金は、その受給権者(65歳に達している者に限る。)が遺族厚生年金の支給を受けるときは、当該老齢年金の額の2分の1に相当する部分の支給の停止を行わない。
特別支給の老齢厚生年金
昭和16年4月1日以前に生まれた女子で、特別支給の老齢厚生年金(定額部分+報酬比例部分)を受給している者が繰上げ支給の老齢基礎年金を受けることができるようになれば特別支給の老齢厚生年金は支給停止となる(H6法附則24(2))。定額部分(加給年金を含む)の支給が停止され、報酬比例部分と繰上げ支給の老齢基礎年金は併給される。
厚生年金見直し案
厚生労働省は厚生年金見直し案を社会保障審議会年金部会に提示した(2003.4.22)。パートタイム労働者の厚生年金への加入を拡大するために適用基準を緩和し、年金保険料を払っていない専業主婦にも新たに負担を求める。加入基準緩和では、現行の「労働時間が正社員の4分の3以上」を「週の所定労働時間が20時間以上または年収65万円以上」に改める。一般サラリーマンとは別建ての、保険料や年金支給額の算定基準となる標準報酬月額を新たに設ける。
パート等、短時間労働者は、現行の加入基準に達しない場合、従業員の妻で年収130万円未満なら第3号被保険者として保険料を払わずに基礎年金が得られる仕組みになっている。このため、一定以上働くと保険料を払わなければならないという意識が生まれ、女性の働く意欲を阻害していた。厚労省の試算では、新基準を適用すれば被保険者は400万人増える(「パート加入拡大 適用基準を緩和 厚労省が提示」毎日新聞2003.4.22)。
現行では世帯単位を基本としている年金制度を夫婦別々に受け取る案も同時に示した。専業主婦の保険料を免除している第3号被保険者制度について、専業主婦の老後を保障するため夫婦が65歳になった時点で年金受給権を分割する(「パートの主婦らに別基準 厚生年金適用で厚労省案」共同通信2003.4.22)。
確定拠出年金法(13)
同時に2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有する者は、厚生年金基金と同様に、10日以内に選択しなければならない。選択をした時は、その者が2以上の企業型年金の企業型年金加入者となる資格を有するに至った日にさかのぼって、その選択した一の企業型年金以外の企業型年金の企業型年金加入者でなかったものとする。当該選択をしなかった時は、その者は、政令で定めるところにより、当該二以上の企業型年金のうちその一の企業型年金を選択したものとみなす(法定選択)。
社会保険労務士法
開業社会保険労務士
開業社会保険労務士が、業務に関する帳簿を備えていなかった場合、100万円以下の罰金に処せられる。
社会保険労務士法人
社会保険労務士法人は、社員が1人になり、そのなった日から引き続き6月間、社員が2人以上にならなかった場合においても、その6月を経過した時に解散する。
社会保険労務士会
社会保険労務士会は、その目的を達するために必要がある時は支部を設けることができる。
応諾義務
開業社会保険労務士は、正当な理由がなければ、業務の依頼を拒んではならない(20)。個別労働紛争解決促進法6条1項の紛争調整委員会が行うあっせんについて、紛争当事者を代理する「あっせん代理」の事務を社労士は行うことができる(改正社労士法(H15年4月1日施行))。この場合、紛争当事者の両方の代理になることは原則禁止されているため、同一の紛争につき事業主と労働者双方からあっせん代理の依頼があった場合には一方からの依頼を拒むことが出来るよう、上記法20条で業務の依頼(あっせん代理に関するものは除く)という規定に改正されている。
守秘義務
開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくてその業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員でなくなった後においても同様とする(21)。社会保険労務士は社会保険労務士の業務を組織的に行うことを目的として、社会保険労務士が共同して設立した法人(社会保険労務士法人)を設立することができることとなったため、「社会保険労務士法人の社員」が改正で付加された。
罰則
開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らした場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる(32-2)。
労働争議不介入
開業社会保険労務士は、法令の定めによる場合を除き、労働争議に介入してはならない(23)。
労務管理
論理誤差
人事考課の実施にあたって陥りやすい心理的な偏向の一つ。考課要素間に類似性がある場合、互いに同一ないし類似した評価を与えてしまうことをいう。
ヒューマン・アセスメント
特別に訓練を受けたアセッサー(観察者)が心理学を応用した一定の演習課題を通じて参加者の隠れた能力を観察評定するものである。
ロール・プレイング
頭の中だけの理解でなく身をもって役割を演じてみることによって理解を深めようとする訓練技術であり、人間関係の改善訓練の技術として用いられる。
メンタルヘルス
どの企業においても、メンタルヘルスが大きな課題となっている。自殺が多い等の現状を考えても、確かにストレス耐性に強いかどうかは、大きな要件となる。嫌な仕事はストレスになる。与えられた仕事を好きになる必要がある。仕事が好きであれば精神的な疲れも少なくなる(安田佳生・採用の超プロが教える できる人できない人)。