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労働基準法
強制貯金(18)
使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない。
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合においては、貯蓄金の管理に関する規程
を定め、これを労働者に周知させるため作業場に備え付ける等の措置をとらなければならない。
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、貯蓄金の管理が労働者の預金の受入であるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利子が、金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して厚生労働省令で定める利率による利子を下るときは、その厚生労働省令で定める利率による利子をつけたものとみなす。
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。
解雇制限
一定の状態にある労働者は解雇できない(19)。以下の状態にある労働者については解雇予告を行ったとしても解雇することができない。労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間。産前、産後の女性が休業(労働基準法第65条における産前産後休業する期間及びその後30日間。解雇制限期間中に解雇予告を行い、解雇制限期間の経過直後に労働者を解雇することは違法ではない。労働基準法第19条は解雇予告までも禁止していない(水戸地判S55.1.18東洋特殊土木解雇予告事件)。
解雇予告
労働者を解雇するには予告をしなければいけない。使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、まず解雇の日を特定して、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない(20(1))。予告ないし平均賃金の支払いについては、20日前に予告して、10日分以上の平均賃金を支払うというように併用も可能。
正社員、パートタイマー、アルバイト等の雇用形態を問わず、労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前の予告又は30日分以上の平均賃金の支払いを規定している。これは年俸制の社員も労働基準法上の労働者である以上、同様の扱いとなる。よって年俸制社員を即時解雇する場合であっても、使用者は、30日分の平均賃金を支払うことで労働基準法はクリアする。
これに対し、民法第627条(契約解除)第3項では、6カ月以上の期間を以て報酬を定めたる場合においては、これを解約するときは3カ月前に申し出る旨を規定している。「六个月以上ノ期間ヲ以テ報酬ヲ定メタル場合ニ於テハ前項ノ申入ハ三个月前ニ之ヲ為スコトヲ要ス」。この規定によると、年俸社員が即時解雇された場合、その解約の申し入れ(解雇)が、当事者の合意による解約でない時は、民事上の損害賠償として、3カ月分の報酬(賃金)を請求することも可能とする考え方も浮上する。年俸制社員を解雇する場合、民事損害賠償まで配慮すると3箇月前にその予告をすることが望ましいと言える。
賃金(3章)
賞与
賞与は労働協約、就業規則又は労働契約により賞与の支払いが明記されている場合は、賃金となる。就業規則等に賞与の支給対象者を「賞与支給日に在籍する者」とする旨の取り決めは可能(支給日在籍要件)。就業規則等にその旨の取り決めが明記されていれば支給日前に退職する労働者に対して賞与を支給しないことも可能(最判S57.10.7)。就業規則等に明記されていない場合は、賞与の計算における対象期間のうち、その全部又は一部を勤務して、賞与支給日前に退職した労働者は、特別の取り決めがない限り、賞与を請求する権利を有する(東京地判S53.3.22)。特に会社の退職勧奨に応じて賞与支給日前に退職した者であれば、会社に対して賞与の支給を強く要求することが容易に想像できる。
労働時間(4章)
健康診断
労働安全衛生法上一般的に労働者に対して行われる健康診断は、業務遂行との関連において行われるものではないため、当然には賃金の対象にならない(S47.9.18基発602)。しかし労安法が使用者に健康診断を義務付けたのは、使用者が労働者に負う健康保持義務を具体的に履行させる趣旨だと解すれば、健康診断は労働時間と解されるはずである(東京南部法律事務所・労働契約Q&A 2版(日本評論社2000)132)。
36協定(36)
派遣労働者についての法36条1項の協定は、原則として派遣元の事業場において締結されるものである。この場合の労働者とは、当該派遣元の事業場の全ての労働者であり、派遣中の労働者とそれ以外の労働者の両者を含むものである。異なる派遣先に派遣されているため意見交換の機会が少ない労働者がある場合においても、その意見が反映されることが望ましい(S61.6.6基発333号)。
年次有給休暇
雇入れの日から6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては、10日の有給休暇を与える(39)。パートタイマーも正社員と同じく適用される。1週間の所定労働時間が30時間未満で、週所定労働日数が4日以下または週以外の期間によって所定労働日数が定められている場合は、年間の所定労働日数が216日以下の労働者に対しては、週所定労働日数に比例した日数の年休を与える。
労働義務のない日については、有休を請求する余地がない。従って休職発令を受け、今は単に会社に籍があるにとどまっている従業員は有休を請求できない(S31.2.13基収489号)。
使用者の時期指定権
使用者は、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる(39(4))。事業の正常な運営を保持するために必要な場合は、たとえそれが労働者の意に反する場合であっても、その時季を変更することができ、年度を超えて変更することもできる(S23.7.27基収2622号)。事業の正常な運営を妨げる場合は個別的、具体的に客観的に判断される。
「1年で最も多忙な時期で、休まれると正常な業務運営ができなくなる」というのは、単純に事業の正常な運営を妨げる場合とは判断はできない。常日頃、従業員に休暇を与える配慮をし、従業員の増員に努力していることが必要となる。人手不足の状態が継続的に実態としてあったような場合には、認められない。
派遣労働者の場合の、「事業の正常な運営を妨げる」かどうかの判断は派遣元でされる。派遣先の事業の正常な運営を妨げる場合であっても、代替労働者を派遣すること等も可能であることから、判断は派遣元でされる(S61.6.6基発333号)。
有休の使途
有休をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さず、労働者の自由である(S48.3.2最高裁第二小法廷判決)。レジャー、家事、スポーツ、アルバイト、勉学等、どんなことでも構わない(人事・労務の法律事典改訂版(自由国民社2002)53)。有休を労働者が病気欠勤等に充てることも認められている(S24.12.28基発1456号)。有休取得理由によって、会社側が有休付与の必要性を判断し、拒否することはできない。但しストへの参加を目的とした有休の請求は、例外的に解釈がされる。有休を行使できる前提として、正常な労働関係にあることが必要とされる。
所属する事業場のストに参加するために有給を請求するのは、正常な労働関係にあるとは言い難く、有休制度の趣旨に沿うものではないと解釈される。従って使用者はこの有休の請求を拒否できる。既に有休取得を承認した後、その日に所属する事業場のストに参加した場合も、使用者はその日を有休と取扱わなくても、違法ではない。スト後、その日を有休に振り替える請求があった場合も、振り替えを拒否できる(S27.7.25基収3821号)。
計画的付与
日本における年次有給休暇の取得率が、完全取得が原則である欧米諸国と比べ極めて低い水準にとどまっている。年次有給休暇の取得率の向上・労働時間短縮の推進を目的とし、労働者が気がねなく年次有給休暇を取得できるように、労使協定による計画的付与が認められた(S63.1.1基発1号)。書面による労使協定(役所への届出不要)により、具体的な付与日、対象者等を定めた場合には、労働者個人の有する年次有給休暇のうち、5日を超える部分を計画的に付与することができる(39(5))。
書面による労使協定
書面による労使協定とは労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定を言う。労働者の過半数代表者は管理監督者でも使用者の意向によって選出された者でもなく、投票・選挙等により選出された者であることが必要(H11.1.29基発45号)。
投票・選挙等は話し合い、持ち回り決議等労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる、民主的な手続きを指す(H11.3.31基発169号)。使用者は労使協定の過半数代表者に対して、過半数代表者であること、過半数代表者になろうとしたこと、過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、解雇・賃金の減額・降格等、労働条件について不利益な取扱いをしてはならない(H11.1.29基発45号)。
年少者(6章)
最低年齢
「使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
前項の規定にかかわらず、別表第1第1号から第5号までに掲げる事業以外の事業に係る職業(農林水産業、非工業的事業)で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満13歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても、同様とする」(56)。
年少者の証明書
「使用者は、満18才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
使用者は、前条第2項の規定によって使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない」(57)。
年少者の時間外・休日労働
「第32条の2から第32条の5まで、第36条及び第40条の規定は、満18才に満たない者については、これを適用しない(60(1))。
第56条第2項の規定によって使用する児童についての第32条の規定の適用については、同条第1項中「1週間について40時間」とあるのは「修学時間を通算して1週間について40時間」と、同条第2項中「1日について8時間」とあるのは「修学時間を通算して1日について7時間」とする(60(2))。
使用者は、第32条の規定にかかわらず、満15歳以上で満18歳に満たない者については、満18歳に達するまでの間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く。)、次に定めるところにより、労働させることができる。
一 1週間の労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長すること。
二 1週間について48時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間、1日について8時間を超えない範囲内において、第32条の2又は第32条の4及び第32条の4の2の規定の例により労働させること」(60(3))。
年少者の深夜業
使用者は、満18才に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16才以上の男性については、この限りでない。
厚生労働大臣は、必要であると認める場合においては、前項の時刻を、地域又は期間を限つて、午後11時及び午前6時とすることができる。
交替制によって労働させる事業については、行政官庁の許可を受けて、第1項の規定にかかわらず午後10時30分まで労働させ、又は前項の規定にかかわらず午前5時30分から労働させることができる。
前3項の規定は、第33条第1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働させる場合又は別表第1第6号、第7号若しくは第13号に掲げる事業(農林、水産、畜産、保健衛生業)若しくは電話交換の業務については、適用しない(61)。
年少者の危険有害業務の就業制限
使用者は、満18才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせ、又は厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない(62(1))。
使用者は、満18才に満たない者を、毒劇薬、毒劇物その他有害な原料若しくは材料又は爆発性、発火性若しくは引火性の原料若しくは材料を取り扱う業務、著しくじんあい若しくは粉末を飛散し、若しくは有害ガス若しくは有害放射線を発散する場所又は高温若しくは高圧の場所における業務その他安全、衛生又は福祉に有害な場所における業務に就かせてはならない(62(2))。
前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める(62(3))。
年少者の坑内労働の禁止
使用者は、満18才に満たない者を坑内で労働させてはならない(63)。但し使用者は、訓練生に技能を習得させるために必要がある場合においては、満16才以上の男性である訓練生を坑内労働に就かせることができる(労働基準法施行規則34条の3第1項)。
帰郷旅費
満18才に満たない者が解雇の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。ただし、満18才に満たない者がその責めに帰すべき事由に基づいて解雇され、使用者がその事由について行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定を受けたときは、この限りでない(64)。
女性(7章)
妊産婦等に係る危険有害業務の就業制限
「使用者は、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺ほ育等に有害な業務に就かせてはならない。
前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
前二項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める」(64-3)。
産前産後
使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない(65(1))。使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない(65(2))。使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない(65(3))。
妊産婦
「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第32条の2第1項、第32条の4第1項及び第32条の5第1項の規定にかかわらず、1週間について第32条第1項の労働時間、1日について同条第2項の労働時間を超えて労働させてはならない」(66(1))。
「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第32条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない」(66(2))。
「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない」(66(3))。妊産婦とは妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性を指す。
育児時間
「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる」(67(1))。
「使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない」(67(2))。
療養補償
労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない(75)。
他の法律との関係
この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法 又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる(84)。
労働者派遣法
派遣先への通知
派遣元事業主は、労働者を派遣するときは、一定の事項を派遣先に通知しなければならない(35条3号、則28条)。18歳未満の場合は「その年齢」という書き方をしているので例えば17歳であれば17歳と通知する。45歳以上の場合は同じく年齢通知は必要だが、「その旨」と表現しているため、50歳であったとしても50歳であることを通知する必要はなく、45歳以上である旨を通知すればよい。
| 派遣労働者の年齢 |
性別 | 年齢 |
| 18歳未満 | 必要 | 必要(その年齢)
|
| 18歳以上45歳未満 | 必要 | 不要 |
| 45歳以上 | 必要 | 必要(その旨) |
労働者派遣期間(40-2)
労働者派遣期間は原則1年。しかし、一定の業務については、最長3年。それ以上を超えて派遣労働者を受け入れる例外はない。一定の業務等とは専門的な知識技術又は経験を必要とする業務等の一定の業務(26業務)、中高齢者(45歳以上の者)、事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定期間内に完了することが予定されているもの、産前産後休業ならびに育児休業・介護休業法の育児休業をする場合その他労働省令で定める場合における業務(最長2年)。
賃金の支払の確保等に関する法
政府は、『労働者災害補償保険法』の適用事業の事業主(『1年以上』の期間にわたって、当該事業を行なっていたものに限る。)が『破産の宣告』を受け、その他政令で定める事由に該当することとなった場合において、当該事業に従事する労働者で一定期間内に退職した者に係る未払賃金があるときは、当該労働者の請求により、未払賃金のうち一定額を当該事業主に代わって弁済するものとする。立替払いの対象となる未払賃金は、未払賃金の総額(上限額を超えるときは、その上限額)の『100分の80』に相当する額である。
未払賃金の総額の上限額(総額)
30歳未満→110万円
30歳以上45歳未満→220万円
45歳以上→370万円
最低賃金法
次の者は、使用者が、『都道府県労働局長』の許可を受けたときは、最低賃金の規定を適用しない。
1.精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
2.試みの試用期間中の者(最長『6箇月』)
3.職業能力開発促進法に定める職業訓練を受ける者
4.所定労働時間の特に短い者
5.『軽易な業務』に従事する者
職業安定法
求人の申込み
公共職業安定所及び職業紹介事業者は、いかなる求人の申込みも受理しなければならない。但し、申込みの内容が法令に違反する場合、賃金・労働時間その他の労働条件が、通常の労働条件と比べて著しく不適当な場合、求人者が法5条の3第2項の規定による明示をしない時は受理しないことができる(5-5)。公共職業安定所長は、正当な理由がないにもかかわらず身体または精神に一定の障害がないことを条件とする求人の申し込みを受理しないことができる(障害者雇用促進法3-3)。
求職の申込み
公共職業安定所及び職業紹介事業者は、求職の申込みは全て受理しなければならない。但し、その申込みの内容が法令に違反するときは、これを受理しないことができる(5-6)。
労働争議に対する不介入
公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならない(20(1))。前項に規定する場合の外、労働委員会が公共職業安定所に対し、事業所において、同盟罷業又は作業所閉鎖に至る虞の多い争議が発生していること及び求職者を無制限に紹介することによって、当該争議の解決が妨げられることを通報した場合においては、公共職業安定所は当該事業所に対し、求職者を紹介してはならない。但し、当該争議の発生前、通常使用されていた労働者の員数を維持するため必要な限度まで労働者を紹介する場合は、この限りでない(20(2))。
男女雇用機会均等法
本法により、女性の社会における役割は以前にも増して確固たるものとなる(「ライフスタイルと共に進化する、女性の歴史」metropolitana(2003.6)23)。
育児・介護休業法
使用者は労働者の短時間勤務等、育児を容易にするための措置を採るべきことが求められている(19(1))。仕事と家事と育児をこなしつつ、試験勉強もしている方は、育児は母親の役割というような時代遅れのジェンダーに囚われている無能な人間の何百倍も素晴らしい。
労働組合法
労働協約の一般的拘束力(拡張適用)
一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする(労組法17条)。
労働安全衛生法
安全管理者(11)
100人以上又は300人以上で総括安全衛生管理者を選任する業種で、常時50人以上の労働者を使用する事業場では安全管理者を選任しなければならない。安全管理者の資格は、大学又は高等専修学校の理科系統の正規の課程を修了した者は実務経験3年あればよい。高等学校又は中等教育学校で理科系統の正規の学科を修了した者は実務経験が5年必要である。
作業主任者(14)
作業主任者の氏名及びその者に行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない(則18)。作業を同一の場所で行う場合は、作業主任者を2人以上選任可能。選任した場合は、それぞれの作業主任者の職務の分担を定めなければならない。作業に応じて技能講習を修了した者から作業主任者を選任しなければならないものと、都道府県労働局長の免許を受けた者から作業主任者を選任しなければいけないものに分かれている。
第4章 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置
「事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない」(23条)。
「事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない」(24条)。
第5章 機械等及び有害物に関する規制
譲渡等の制限等
「特定機械等以外の機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない」(42条)。
「動力により駆動される機械等で、作動部分上の突起物又は動力伝導部分若しくは調速部分に厚生労働省令で定める防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しくは貸与の目的で展示してはならない」(43条)。
プレス機械作業主任者
動力により駆動されるプレス機械を5台以上有する事業場において行う当該機械による作業については、プレス機械作業主任者技能講習を修了した者のうちから、プレス機械作業主任者を選任しなければならない。
安全衛生教育
事業者は、労働者を雇入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、その従事する業務に関する安全又は衛生のために必要な事項について教育を行わなければならない(59)。常時使用する労働者のみならず全ての労働者が対象になる。
労働者災害補償保険法
目的(1)
労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするために必要な保険給付を行ない、あわせて、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。
業務
事業主の命による場合は勿論、事業主の特命がなくとも、合理性や必要性を有する場合、緊急行為の場合等、当該事業場の労働者として、当然なすべく期待される行為を行なったと認められる時は、業務起因性が認められ、業務上となる(S23.12.17基災発243号)。業務行為の過程で通常ありがちな些細な行為である場合も業務付随行為と判断されることがある。
通勤
通勤とは、労働者が就業に関し住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法により往復することをいい業務の性質を有するものを除くものとする。日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむ得ない事由により行うための最小限度のものである場合には、その逸脱又は中断後の往復は、通勤とされる。通勤災害での日常生活上必要な行為とは、日用品の購入その他これに準じる行為である。
政府による求償権の取得(12-4)
保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じたときは、保険給付を受けるべき者はその事実、第三者の氏名及び住所並びに被害の状況を遅滞なく所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
給付基礎日額
給付基礎日額は労基法12条の平均賃金に相当する額とする(8(1))。給付基礎日額の端数は1円未満切り上げ。最低額は4210円(平成14年8月1日から平成15年7月31日迄)。年金たる保険給付については、若年時被災者の年金額が将来にわたって低額のまま据え置かれる等、被災時の年齢による不均衡の是正を図ること等のため、当該保険給付に係る給付基礎日額について年齢階層別最低・最高限度額が導入されている(全国社会保険労務士連合会・労働保険の実務相談(中央経済社1996)62)。
業務災害にかかる保険給付
介護補償給付(12-8(4))
介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって厚生労働省令で定める程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次に掲げる間を除く。)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
一 身体障害者福祉法第30条に規定する身体障害者療護施設その他これに準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間
二 病院又は診療所に入院している間
療養補償給付(13)
療養の給付が原則である。労働者が仕事中に怪我をしたときは、労災保険の療養補償給付が支給される。この場合、健康保険の様な一部負担金(3割負担)はなく、治療代については全額労災保険から支給される。但し受傷原因が私的行為による場合は、労災保険は支給されない。
療養の給付の請求書は、労災指定病院等を経由して事業場の所轄労働基準監督署長に療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)を提出する(12条の2第1項、則12条1項)。労災指定病院の窓口に「療養補償給付たる療養の給付請求書」を提出し、労災保険を請求することを告げる。上記の様式が手元にない場合は、労働保険番号と会社名、所在地、連絡先等を告げ、後日上記の様式を持参することを告げる。療養の費用の請求書は、直接所轄労働基準監督所長へ提出する。
休業補償給付(14)
休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養の為、労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給するものとする。
傷病補償年金(18)
傷病補償年金は、労災保険の保険給付の中でも特徴の多い給付である。傷病補償年金を受けることとなった者については、休業補償給付は支給されない。但し支給決定のあった日から同日の属する月の月末までは引き続き休業補償給付の支給が行なわれる。
傷病補償年金は年金給付であり、支給事由の生じた月の翌月から始まるので、その支給事由が生じた月の末日までは引き続き休業補償給付の支給が行なわれる。傷病補償年金の支給決定があったことで、結果的に被災労働者の生活保障が滞ることはありえない。現実に傷病補償年金の支給の対象となる月までは、休業補償給付が継続される(18(2))。
障害補償年金前払一時金
障害補償年金前払一時金が支給される場合には、当該労働者の障害に係る障害補償年金は各月に支給されるべき額の合計額が厚生労働省令で定める算定方法に従い、当該障害補償年金前払一時金の額に達するまでの間その支給を停止する。
傷病保障年金の支給決定
傷病保障年金は、傷病が療養開始後1年6ヶ月を経過しても治らず、かつ、障害の状態が所定の傷病等級に該当する場合に、所轄労働基準局長の職権によって支給決定される(12条の8第3項、則18条の2)。被災労働者の請求に基づき支給されることはない。
傷病保障年金の受給者については、定期報告書等により、又は障害の状態の変更に関する届出等により、傷病等級に変更が生じたと認められる場合に、所轄労働基準監督所長が傷病保障年金の変更決定を行う(18条の2、則18条の3、S52.3.30基発192)。障害の状態の変更に関する届出は、「負傷又は疾病が治った場合」又は「障害の程度に変更があった場合」に遅滞なく、所轄労働基準監督所長に提出する。
傷害補償給付の加重(則14条5項)
加重の場合、既に合った障害(加重前の障害)は、業務上・外を問わない。だが、現在の障害(加重後の障害)は業務上災害に限られる。再発した傷病が治り、同一の部位の障害が加重した場合も、当該規定の対象となる(S41.1.31基発73)。
加重後の傷害補償年金(一時金)の支給額
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加重前、加重後の障害がともに年金又は一時金の場合
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加重前障害が一時金、加重後障害が年金の場合
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加重後の傷害補償年金(一時金)額−加重前の傷害補償年金(一時金)額
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加重後の傷害補償年金額−加重前の傷害補償金額×25分の1
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例えば業務上の傷病が治り、障害等級第8級以下の障害が残って傷害補償一時金を受給した者について、傷病が再発し、治ったが、同一の部位の障害の程度が障害等級第7級以上に該当することとなった場合には、傷害補償年金が支給されることになるが、その額は、原則として、既に受給した傷害補償一時金の額の25分の1の額を差し引いた額による。
海外派遣者にかかる特別加入制度(27)
海外派遣をする都度、氏名等を特定して労働基準監督暑に特別加入申請書を提出し、承認を受ける(藤橋克実・得する社会保険の実務常識(実業之日本社2000)199)。海外派遣者の特別加入に係る第3種特別加入保険料は、事業主が全額負担する(労働保険料徴収法10(2))。被保険者が負担するのは、雇用保険に係る労働保険料であり、労災保険に係る労働保険料は全額事業主負担である。
特別加入者の給付基礎日額についても、スライド制は適用される。年齢階層別の最高限度額・最低限度額は、適用されない。事業主が希望する額に基づいて厚生労働大臣が定めることとされている。
労災保険率
平成15年4月1日から労災保険率は、最高1,000分の129から最低1000分の5の範囲で定められている。
併給調整
同一の支給事由の場合、原則的には労災保険の保険給付が減額され、他の社会保険(国民年金、厚生年金保険)の年金給付は全額支給される。同一の事由により、労災保険の障害補償年金と厚生年金保険法による障害厚生年金とが支給される時は、障害補償年金の額は、それぞれ一定の率を乗じて減額した額となり、厚生年金保険法による障害厚生年金は全額支給される。
国民年金法第30条の4(20歳前の障害基礎年金)については、労災保険法による保険給付が支給される時は、支給停止となる。厚生年金保険法の規定による障害手当金についても、同一の事由により労災保険法による保険給付が支給される時は、支給されない。これらの場合、労災保険の保険給付は、支給停止されず、全額支給されることとなる。
労災保険の特別支給金については、他の社会保険からの給付との併給調整の規定はない。よって特別支給金は全額支給される。
二次健康保険等給付
二次健康保険等給付を受けようとする者は氏名、生年月日、一次健康診断の結果等一定の事項を記載した請求書を当該二次健康保険等給付を受けようとする病院又は診療所(以下、健診給付病院等)を経由して所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
雇用保険法
賃金日額
賃金日額は、算定対象期間において第14条(第1項ただし書(同条第2項において読み替えて適用する場合を含む。)を除く。)の規定により被保険者期間として計算された最後の6箇月間(当該最後の6箇月間に同条第2項において読み替えて適用する同条第1項の規定により2分の1箇月として計算された被
保険者期間が含まれるときは、当該2分の1箇月として計算された被保険者期間を1箇月として計算された被保険者期間とした場合における最後の6箇月間)に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を180で除して得た額とする。
給付基礎日額
受給資格に係る離職の日において、短時間労働被保険者であった者に係る賃金日額の最低限度は2140円であり、その日において、短時間労働被保険者以外の被保険者であった者に係る賃金日額の最低限度額は4210円である。
給付制限
受給資格者が公共職業安定所の紹介する職業に就くことを拒んだ場合、原則として、その拒んだ日から起算して1箇月間は基本手当が支給されないが、拒んだことについて正当な理由があるときにはこの限りでない(32)。正当な理由なしに職業紹介等を拒否する者は一般的に労働の意思が薄弱であり、法4条3項の失業に該当しない場合が多いことから、就職促進という雇用保険の目的を効果的に達成するため、一定期間、基本手当の支給を制限する(日本ライセンスセンター・労働・社会保険の詳説3雇用保険法編13年度版(2001)123)。
自己都合退職
被保険者が、正当な理由がないのに自己の都合により退職した場合、待期の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長が定める期間は基本手当が支給されないのが原則である。但し公共職業安定所長の指示した公共職業訓練を受ける時には、その訓練を受ける期間及び受け終わった日後の期間について支給が認められる。従来、リストラによる解雇の場合でも、会社の方が世間体を気にして職安に「自己都合退職」と届けられ、不利な扱いを受けた例がある。事前に使用者側には理由を正確に書くように確認することが望ましい。
受給制限のない自己都合退職の認定例
@定年、更新期限、再雇用の期限の到来による退職(契約期間の満了に該当する場合は給付制限の対象だが、更新を重ねてきた臨職・非常勤の打ち切りは当然受給制限対象に当たらない)
A病気、心身、体力の限界
B妊娠、出産、育児、父母の病気や、やむを得ない家庭の都合
C結婚に伴う住居の変更、保育所の施設の利用等、通勤困難になった場合
D使用者の命による転勤や、配偶者の転勤が理由
E契約条件と著しく違うことが理由
Fリストラ、移転、委託によって、契約更新されないことによる退職
G使用者が脱法的な契約をしていたことが原因による解約
就業促進手当
早期就業の実現のための就業手当の創設とあわせて現行の就職促進給付が整備され、就業促進手当に統合される。失業給付を貰いなれてしまい、働く意欲が弱まることを防止する制度である(村田浩司=もりすぐる・おいしい定年後の生活防衛マニュアル(こう書房2000)41)。
就業促進手当
1.就業手当
2.再就職手当
3.常用就職支度手当
就業促進手当は、施行日(2003.5.1)以後に職業に就いた者を対象とする。施行日の前日以前に離職した者については、支給要件の判断、給付額の算定に当たっては旧基本手当日額及び旧所定給付日数が適用されるが、上限額は改正後の上限額が適用される。
■支給要件
就業手当は、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上、かつ、45日以上である受給資格者が再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合において、一定の要件を満たしたときに支給される。
■主な支給要件
1.待期経過後に就業したものであること。
2.離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと。
3.離職理由による給付制限を受けた場合に、待期満了後1か月間については、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により再就職したこと。
4.公共職業安定所に求職の申込みをした日前に雇用予約をしていた事業主に雇用されたものでないこと。
■支給額
1.就業日毎に、基本手当日額の30%に相当する額を支給する。1日当たりの支給額の上限は1833円。60歳以上65歳未満は1478円。就業手当の支給を受けた日については、基本手当を支給したものとみなす。
寄宿手当
寄宿手当は、受給資格者が公共職業訓練等を受けるため、法第36条第2項に規定する親族(以下「親族」という。)と別居して寄宿している場合に、当該親族と別居して寄宿していた期間について、支給するものとする(則60条第1項、行政手引52901)。公共職業訓練等受講期間中の日についてのみ支給されるものであり、受講開始前又は受講終了後の寄宿日については支給されない。
雇用保険被保険者区分変更届
短時間労働被保険者以外の者が短時間労働被保険者となった場合において、事業主は、雇用保険被保険者区分変更届を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。
日雇労働被保険者資格取得届
日雇労働被保険者資格取得届は、本人が5日以内に管轄公共職業安定所長に提出する。所轄公共職業安定所長ではない。
届出期限
| 翌月10日まで | 雇用保険被保険者資格取得届、雇用保険被保険者区分変更届 |
| 翌日から10日以内 |
1.雇用保険被保険者資格喪失届
2.雇用保険被保険者転勤届
3.雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書
4.雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書
5.雇用保険適用事業所設置届
6.雇用保険適用事業所廃止届
7.雇用保険事業主事業所各種変更届
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| 速やかに | 雇用保険被保険者氏名変更届 |
| 被保険者証の添付が必要なもの | 1.雇用保険被保険者資格取得届
2.雇用保険被保険者転勤届
3.雇用保険被保険者氏名変更届 |
不服申立
審査請求の対象
・労災保険法:保険給付
・雇用保険法:確認、失業等給付、不正受給に係る返還・納付。雇用保険三事業に関する処分については、行政不服審査法の対象となる(雇用保険法69条1項)。
期限
・審査請求 → 60日以内に審査官へ(文書、口頭)
・再審査請求→ 60日以内に審査会へ(文書)
・処分取り消しの訴え → 審査会の裁決を経た後(原則)
*審査請求後3箇月経過・決定なし → 再審査請求可(労災保険法38条2項)
*再審査請求後3箇月経過・決定なし→ 処分取り消しの訴え(提訴)可
労働保険の保険料の徴収等に関する法律
継続事業の一括
継続事業の一括の認可を受けていても、雇用保険の被保険者に関する事務、労災保険法及び雇用保険法の給付に関する事務、印紙保険料の納付に関する事務については一括されず、各事業ごとに行う。
9条
「事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者(船員保険法第17条の規定による船員保険の被保険者を除く。)は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する」。
雇用保険施行規則3条(事務の処理単位)
適用事業の事業主(第130条を除き、以下「事業主」という。)は、別段の定めがある場合のほか、法の規定により行うべき法第4条第1項に規定する被保険者に関する届出その他の事務を、その事業所ごとに処理しなければならない。
賃金からの保険料控除
賃金からの保険料控除は、被保険者に賃金を支払う都度、行う(31(1))。月2回賃金を支払う場合は、その都度であるから2回とも控除しなければならない。新入社員が入ってきた場合、健康保険、厚生年金の保険料控除は入社月の給料日からは控除できないが、雇用保険の保険料は入社月の給料日から控除することになる。
一般保険料額表
被保険者の負担する一般保険料の額については、事業主は事務の簡素化のために一般保険料額表を用いて計算する(30(3))。一般保険料額表に規定する賃金額は、92000円以上484000円未満の範囲内である。これ以外は、賃金額に雇用保険率を乗じて計算する(12(4))。雇用保険率は1000分の6が原則。雇用保険率が1000分の17.5又は1000分の18.5である事業に雇用される被保険者の場合は1000分の7になる。1円未満の端数がある時は、切り捨てる。
労災保険率に係るメリット制
労災保険のメリット制は、個々の事業における災害防止努力の結果に応じて、労災保険率や保険料の額を増減させる制度である。この制度は、労働災害の防止に取組む事業主の保険料負担の公平性と災害防止努力の促進を目的とする。具体的には、労働災害に基づく保険給付の実績からメリット収支率を算出し、その値に応じて、一定の範囲内で労災保険率を増減させる。
継続事業の場合、メリット制適用事業とは「事業の継続性」と「事業の規模」に関する要件を同時に満たしている事業である。継続性要件はメリット制によって労災保険率が増減される保険年度の前々保険年度に属する3月31日現在において、労災保険に係る労働保険の保険関係成立後3年以上経過していることである。
規模要件は基準となる3月31日の属する保険年度から過去に遡って連続する3保険年度中の各保険年度において、次の要件のいずれかを満たしていること。
100人以上の労働者を使用する事業
労働者数×(基準となる労災保険率−通勤災害に係る率)≧0.4を満たす事業
有期事業でメリット制の適用を受けることができる事業は、建設又は立木の伐採の事業であって、確定保険料の額が100万円以上、又は建設の事業にあっては請負金額が1億2千万円以上、立木の伐採の事業にあっては素材の生産量が1000平方米以上であることが必要。
有期事業に係るメリット制の適用により確定保険料の額が引き上げられた場合には、所轄都道府県労働局労働保険歳入徴収官は、申告納付に係る確定保険料と当該引き上げられた額との差額について、原則として通知を発する日から起算して30日を経過する日を納期限と定めて、納入通知書により通知する(20(2)(3))。
年度途中に保険関係が成立した場合の延納
| 保険関係成立日 | 分割回数 | 納期限(有期事業以外の事業で、労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託しているもの) |
| 4/1-5/31 | 3期 | 1期目50日以内 2期目8/31(9/14) 3期目11/30(12/14) |
| 6/1-9/30 | 2期 | 1期目50日以内 2期目11/30(12/14) |
| 10/1以降 | 延納不可 |
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延納の要件
継続事業(一括有期事業を含む)の場合は、概算保険料の額が40万円以上。労災保険又は雇用保険のいずれか一方の保険関係のみが成立している事業は20万円以上。
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合は、額にかかわらず延納できる。
不服申立
異議申立の対象は概算・確定保険料の認定決定。その他は大臣に対して審査請求する。
期限
・異議申立 → 60日以内、かつ、1年以内に処分庁へ(文書)
・異議申立後の審査請求 → 30日以内、かつ、1年以内に大臣へ(文書)
*処分取り消しの訴え → 厚生労働大臣の決定後(原則)
*特別加入の承認 → 厚生労働大臣の決定前であっても提訴可
児童手当法
沿革
児童手当法は昭和47年に制定された法律である。その後、平成4年に大幅な制度改正で、支給対象の拡充、支給額の倍増等を行う。平成12年にも大改正を行った。
目的
「この法律は、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的とする」。「家庭における生活の安定に寄与する」ことは児童手当の支給目的そのものである。
児童育成事業
「次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上」は児童育成事業として行われる。「育児に関する必要な援助」「児童の健康増進のための事業や児童の情操を裕にするための事業を行うものへの助成・援助」を政府が行う。事業主からの拠出金を児童手当の支給以外の目的に使用することになるため、児童手当の支給に支障がない範囲で行う。
定義
児童
児童とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までにあるものをいう(3条1項)。この定義は他の法律における「子」の定義と同様である。3歳に満たない児童を支給要件児童、3歳以上であって6歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある者を就学前特例給付支給要件児童という。
父
父には、母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。
支給要件(4条)
以下の4要件を満たした者に支給される。
| 住所要件 |
日本国内に住所を有すること |
| 監護要件 |
支給要件児童又は就学前特例給付支給要件児童を監護していること |
| 生計要件 |
以下のいずれかを満たすこと
- 父又は母 → 生計を同じくすること
- 父又は母以外 → 生計を維持していること
- 上記の両方に当てはまる場合には両方を満たすこと(e.g.自分の子と自分の子でない子を一緒に養育する)
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| 所得要件 |
前年の所得(1月から5月までの月分の児童手当については、前々年の所得)が政令で定める額未満であること |
児童手当の額は、国民の生活水準その他諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改訂の措置が講ぜられなければならない(6条2項)。児童手当の額については、自動改訂(スライド制)の規定は設けられていない。
受給資格者は、児童手当を受けようとするときは、受給資格、児童手当の額について、住所地の市町村長の認定を受けなければならない(7条1項)。受給資格者が国家公務員の場合は、住所地の市町村長に替え、その所属する各省各庁の長又はその委任を受けた者、地方公務員の場合は、その所属する都道府県・市町村の長又はその委任を受けた者の認定を受けなければならない。
児童手当の支給に要する費用の負担割合(18条)
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一般事業主(拠出金)
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国
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都道府県
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市町村
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被用者
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10分の7
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10分の2
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10分の0.5
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10分の0.5
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非被用者
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なし
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6分の4
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6分の1
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6分の1
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公務員
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なし
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国家公務員は国、地方公務員は都道府県又は市町村がそれぞれ全額を負担
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特例給付及び就学前特例給付を除く原則的な児童手当の支給に要する費用についての負担割合を示す。特例給付とは所得制限の緩和措置により支給される児童手当を指す。
介護保険法
介護システム構築の必要性の高まり
- 高齢化、年齢と共に増える介護発生率
- 高齢者世帯の増加(高齢夫婦のみの世帯、1人暮らし高齢者の増加)
- 女性の就業阻害(介護による就業不可又は制限)
沿革
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1994年
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「21世紀福祉ビジョン」で高齢者介護制度の新たな構築を提言
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1994年7月
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研究会にて検討開始
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1994年12月
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新ゴールドプラン策定
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2000年
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介護保険法創設
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役割
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市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
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第1号被保険者
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市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者
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第2号被保険者
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市町村、特別区
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保険者
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国
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保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じる。
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都道府県
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必要な指導及び適切な援助を行う
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医療保険者(e.g.健保組合)
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介護保健事業が健全かつ円滑に行われるよう協力する
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国民の努力、義務
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努力
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心身の変化を自覚、健康の保持増進に努める、進んでリハビリ等を行う、有する能力の維持向上に努める
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義務
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共同連帯の理念に基づき、費用を負担
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保険給付の種類
| 介護給付
| 予防給付
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|---|
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居宅サービス(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与)
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居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、居宅介護福祉用具購入費、居宅介護住宅改修費、居宅介護サービス計画費、特例居宅介護サービス計画費、高額介護サービス費
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居宅支援サービス費、特例居宅支援サービス費、居宅支援福祉用具購入費、居宅支援住宅改修費、特例居宅支援サービス計画費、高額居宅支援サービス費
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施設サービス
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施設介護サービス費、特例施設介護サービス費、高額施設介護サービス費
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第1号被保険者の保険料徴収方法
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普通徴収
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納入の通知をして聴衆
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特別徴収
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老齢又は退職を支給事由とする一定の年金給付からの天引き
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介護給付費交付金
市町村の介護保険に関する特別会計において負担する費用のうち、介護給付及び予防給付に要する費用の額に第2号被保険者負担率(100分の32)を乗じて得た額については、社会保険診療報酬支払基金が市町村に対して交付する介護給付費交付金をもって充てる。この交付金は、社会保険診療報酬支払基金が医療保険者から徴収する介護給付費納付金(健康保険法では介護納付金と表現していた)をもって充てる(125)。