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日本の有料道路制度と運営 |
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ご意見、ご感想などは e-mail (←をクリック)でお聞かせ下さい。 特に年月日の記載がない記事は、全て2010年4月17日付のものです。 |
現在の日本の有料道路は、第二次世界大戦が終結し、自動車交通が増加し始めた1950年(昭和20年代の終わり)以降にスタートしました。その制度の基本になったのが、1951年(昭和26年)に制定された「道路運送法」とその翌年の1952年に制定された「道路整備特別措置法」(旧特措法)です。旧特措法は、1956年(昭和31年)に日本道路公団の設立に合わせて、現在の特措法(以下単に「特措法」と書きます)に改正されました。
特措法と呼ばれる訳は、この制度は基本的に道路予算の不足を補うために借入金などを活用して有料道路を建設し、借入金などの返済が済めば無料の道路にすることを前提にした一時的な「特別措置」だという考え方が基本だからです。(旧建設省所管)
特措法の改正に併せて、旧特措法に基づいて県や国が建設して営業を始めていた有料道路、例えば日光道路(現在の「いろは坂」の下り線)、戸塚道路(通称「ワンマン道路」)、参宮道路、西海橋(これらは、すべて既に無料化されています)などが、また、工事中だった真鶴道路、京葉道路、関門トンネルなどが道路公団に引き継がれました。
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日光・いろは坂
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戸塚・ワンマン道路
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また、旧特措法では国や各府県が個別に使っていた資金を、公団に一本化して効率的な運用を図ると同時に、不足がちな国の資金を補うために、公団が債券を発行して直接、民間資金の借り入れができるようなった点も大きな変化です。道路公団設立後、新に多くの有料道路が着工されましたが、一般有料道路と呼ばれる距離の短い独立した有料道路ばかりでした。
画期的なことは1957年10月、日本で最初の高速道路である名神高速道路が着工されたことです。名神に次いで、東名、中央などの高速道路の建設が次々に日本道路公団の手によって開始され開通してきました。全ての高速道路の採算を一本化する「プール制」は、1972年の法令改正によって始められました。
その後、順次設立された首都公団、阪神公団、本四公団、各都府県・指定都市の道路公社の殆どの有料道路も、この法律に基づいたものです。2005年10月のいわゆる「民営化」によって発足した高速道路株式会社も、基本的にこの法律の規定に従っています。
「道路運送法」は、国道・県道など道路法上の道路ではない有料道路を整備する法律です。万座・鬼押しハイウエイ、芦ノ湖スカイライン、TOYO TIRESターンパイク、比叡山ドライブウエイなどのように、最初から「有料道路事業」として、償還を目的にしないで半永久的に継続される営業としての自動車道を整備することを定めています。「国営自動車道事業」の規定まで用意されている点が注目されます。(旧運輸省所管)
実は、名神高速道路の建設を始める前は、まだ法律上に「高速自動車国道」という道路はなく、「国土開発縦貫自動車道」という、性格がハッキリしない道路でしたから、どちらの法律を適用するのか、法制局も巻き込んで、建設・運輸両省の間で激しい論争が行われた記録が残っています。
「民営化」検討の中で、「道路は本来無料であるべきだ」という主張が、殆ど議論されないまま通ってしまいましたが「道路運送法」の中に永久有料を前提にした「国営自動車道事業」の規定が厳然として存在しているのですから、この規定に基づく道路であった場合の考え方を含めて議論をしていれば、本当の「民営化」の可能性もあったと考えられます。
現在「道路運送法」に基づく有料道路は全国で約40カ所しかありません。その他の有料道路の大部分が「特措法」によるものです。潤沢な道路財源による道路の整備が進み、民営の自動車道事業として採算の取れる新しい路線が無くなってしまっていると言って良いでしょう。
「特措法」による有料道路の対象も、県道、地方の国道などから大型の国道バイパスを経て、今では高速道路と呼ばれる幹線ネットワークに重心が移ってきています。 また、特措法が発足してから既に半世紀が経過し「民営化」と称する改変が行われ「高速道路無料化」が一部で始められ、この制度の基本となる「償還主義」の矛盾や問題点がでてきています。
「民営化」の見直し、「高速道路無料化」の着手に関連して、抜本的な検討が必要な時期が来ていると考えます。
有料道路の運営主体としては、日本道路公団が大きな役割を担ってきました。1960年に首都高速道路公団が、1962年には阪神高速道路公団が設立され、それぞれ都市内の街路の整備と一体となった都市高速道路(道路法上は都府県道、指定都市の市道)の建設が始められました。そして、1970年に本州四国連絡橋公団が発足して本四架橋が着工され、同年に「地方道路公社法」が制定されて、1956年以来途絶えていた都府県、指定都市による有料道路の建設が再開されます。これらは全て「特措法」に基づく組織です。
2005年の「民営化」によって,道路4公団は6つの高速道路株式会社に変わりました。と言うよりも、独立行政法人独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(機構)と高速道路株式会社(会社)に分割されたと言った方が正確です。従来、公団が持っていた道路本体とその債務、道路法・特措法上の権限などが「機構」に移管されましたから、本当の運営主体は「機構」であり、会社は下請け会社に成り下がった形です。わずかに、サービスエリアとパーキングエリアについての運営主体であるに過ぎません。
明確な経営責任をもった高速道路株式会社でなければ「民営化」の意味はありません。そのためには「民営化」の見直しが必要なのです。
名古屋高速道路、広島高速道路、福岡北九州高速道路は道路公社が運営するもので、以前は公団より格下扱いでしたが、今では首都、阪神高速は「機構」の管理下にある組織になり、道路公社の方が独立した自主性のある運営主体になったといえます。
「道路運送法」による自動車道の運営主体の多くは、バス会社、観光事業者、或はこれらの会社が出資した自動車道会社です。一番古い万座・鬼押しハイウエーは、プリンスホテルの経営です
変わり種では、オーストラリアの投資会社で、世界各国で高速道路の経営を行っているマッコーリー社が設立した箱根ターンパイク(株)(TOYO TIRESターンパイクを経営)と日本自動車道(株)(伊吹山ドライブウエイを経営)があります。この2つは、経営が苦しくなった日本の事業者から買い取ったものです。県の道路公社でも自動車道事業を経営している所があり、静岡県道路公社は,箱根スカイラインなど4本の自動車道を経営しています。
マッコーリー社は、小規模の有料道路を手がかりに、日本でも PPP (Public Private Partnerships)方式による特許を受け、高速道路の建設事業への参加の機会を窺っていたようですが道は厳しそうです。
最近、政府が高速自動車国道にも民間資本を活用した公共事業 PFI(Public Finance Initiative)を導入する方針を固めたとの報道がありました。(2010年2月28日 日経) PPPと基本的に同じ方式であり、これが実現すればマッコーリー社が活躍する可能性が出てきますが、現在の日本の混乱した高速道路の分野に参入するよりも、空港運営あたりから入るのが賢明かもしれません。
日本道路公団が担当してきた高速道路は、1972年以来、採算が良く償還が済んだ超優良路線、東名・名神などの黒字と、北海道や四国などの赤字とをドンブリ勘定で合算して採算性を考える「プール制」と言う方式で建設・管理が行われてきました。東名・名神などの黒字が打出の小槌のように、或は金の卵を産む鶏のように頼りにされ続けてきた訳です。
もともと、プール制は、水道料金、電気料金など場合のように、新築の家でも30年前の古い家でも、社会通念上"同じ地域"なら"同じ料金"にするのが妥当だ、と言うような限られたケースに適用される考え方です。
例えば、第二東名・名神が完成したときに、現在の東名・名神とプールすることは、お互いに代替性があり、利用者も相当数が共通だと考えられますから理解できます。しかし東名と北海道をプールするのは、東名の利用者が北海道に資金援助することであり「自分が利用する道路の費用を自分が負担する」と言う有料道路の原則に著しく反した無理な運用が行われてきたと言わざるを得ません。
この全国プール制を改めることも公団改革の重要課題の一つだったのですが、全く手がつけられなかったどころか、プールの範囲が道路公団の高速道路から一般有料道路にも拡げられ、更には本四公団、首都・阪神公団の分までが保有機構のドンブリの中で、まとめてプールされる結果になってしまったのが「民営化」の実態です。
「民営化」の根幹として残った「償還主義」と基本になる「償還計画の曖昧さ」にも注目しておく必要があります。本四架橋と東京湾アクアラインが分かりやすい例です。実質上経営破綻状態にあるこの二つの巨大プロジェクトの採択の経緯に関して、元高級官僚に取材した注目に値する記事を紹介しておきます。
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東京湾アクアライン(海ほたる)
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本四架橋(瀬戸大橋)
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ジャパンタイムス(2002年7月19日)の吉田玲滋記者の記事です。
「二つのプロジェクトは、赤字になるかもしれないと当初から知りながら、大蔵省の査定を通し、財政的なリスクの高いプロジェクトを始めるという政治的な決定に太鼓判を与えるために、交通需要予測を高く設定した」ものだと要約し、元経企庁総合開発局長で国土庁次官も勤めた下河辺 淳氏の「大蔵省に出すために(予測交通需要量を)でっちあげるわけ。それは今でもそうなっているんじゃない。」、「当時は必要以上に費用対効果を気にしすぎた。だから採算が合うように、交通量を水増しして数値を作った」と悪びれずに語っていたという発言を引用しています。
東京湾アクアラインについては、元建設事務次官で日本道路公団総裁でもあった高橋国一郎氏が「ある政治的な決定がされると、たとえバラ色の構図を描くためにデータを操作せざるを得なくても、官僚はそれに従うしかない」という意見述べ「役人の限界だよ。・・・再三再四(建設に)反対したけどダメだった。・・・当時から(アクアラインの)採算はとれないと思っていた。」と話したことを紹介しています。
これは、最近話題になっている地方空港を建設する際の需要予測にも共通する問題です。公共工事の全てに共通するものかも知れません。
本四公団の経営を改善する方策として、国交省が本四公団に対する出資額を増やすよう地元自治体に対して要請が行った際に「地方は陳情したが、決定したのは国だ」として責任を回避する発言をされた県知事がいました。要するに、このプロジェクトを推進した誰もが現在の破綻について何の責任も感じていない、責任を取らなくても良いシステムだったことが最大の問題点です。
資金の調達にも問題がありました。名神高速道路の建設の際には、日本国内では資金の調達ができず、世界銀行からの借り入れに頼らざるを得ませんでした。借り入れのためには事業計画の細部にわたって外国の専門家の厳しいチェックを受けたものです。
ところが、本四架橋やアクアライン建設の頃になると、国内の資金が潤沢になり、景気刺激のためにも、有り余る財投資金の強力な引き受け手として重宝がられ、他の高速道路を含めて、必要な資金がドンドン注ぎ込まれるという構図が出来上がリ、公団は資金調達の心配は全くありませんでした。
対照的な事例として道路ではありませんが、ユーロトンネルのケースを紹介しておきます。ユーロトンネルはイギリスとフランスを結んで、ドーバー海峡の下に掘られた全長50.5km、海底部の延長38kmの鉄道トンネルです。乗用車だけでなく、トラック、バスもそのまま乗り込んで運んでくれる車両運搬専用列車シャトルも運行されています。建設、運用している会社は,ユーロトンネル株式会社で純粋の民営会社です 。
英仏両国の条約に基づいてスタートした事業で、1994年の開通式にはエリザベス女王とミッテラン大統領が出席した文字どおり国家的事業ですが、政府からの財政支援は一切受けていません。
建設中には工事費が予定を超過する見通しになる度に、出資の増額を求めて工事が中断されました。日本の銀行も融資の増額を余儀なくされています。
開通後も赤字が続き、出資者は債権の放棄を求められ、2006年11月には、1兆4千億円に上る累積債務の54%を切り捨てて新会社を設立する再建案が承認されました(11月18日 日経)。事業への出資者の責任が如何に厳しいものかを良く示しています。
県や指定都市の道路公社や高速道路公社の多くも、赤字の道路を抱えて経営が苦しくなっていますが、公社は、設立した県や市などが最終的に赤字を負担しなければならない責任がハッキリしていて逃げ道がありません。2004年頃から、赤字の見通しが明確になった有料道路に公共事業の予算を投入して無料化を図るところが増えています。その点では「親方日の丸」の公団よりずっとマシだと言えます。道路公社を解散したところもあります。最近では東京都の公社は2010年3月末に解散し、大分県の公社は2010年内に、岐阜県道路公社も2012年に解散されるようです。
ところが公団は、保有機構に債権債務の全てを肩代わりしてもらうことで文字通り「親方日の丸」の道への逃げ込みに成功した訳です。「民営化」の失敗を認め、新しい制度を考える際には、「経営責任の所在のあいまいさ」を完全に無くすことが必要です。
政府も公団自身も、この問題を全く放置してきた訳でもありません。1995年から特殊法人の改革が検討される中で、その目玉として、道路関係公団も、廃止か、民営化か、独立行政法人化か、いずれかの方策をとることが検討されてきました。
その中でも本四公団については、破綻していることがはっきりしていたため、早々と廃止やむなしの声が新聞でも報じられました。とりあえず日本道路公団に統合して、問題の先送りをするという案も出ました。
日本道路公団内でも、2000年に決定された行財政改革の議論の中で、国鉄、電電公社にならって、道路公団の民営化が検討され、民営化の可能性について議論されたことがありましたが、民営化すれば新しい高速道路の建設にブレーキがかけられるので好ましく無いという結論だったようです。
公団にとっての最大の課題は、どうしたら採算の悪い道路が増え続けるのを防ぐかがポイントでしたから、正に問題解決に逆行した発想に終わった訳です。
関西空港と東京湾アクアライン(横断道路)が、公共事業に民間活力を導入して、効率的な事業の推進を図る二大事業という触れ込みで採り上げられたのは1986年、中曽根内閣の時でした。
担当する二つの株式会社が設立されましたが、東京湾横断道路株式会社の方は、どう計算しても採算に乗らないと言うことがわかり、早々と、工事は会社が実施して完成した道路を公団に引き渡し、道路公団が事業リスクを全部負担するという方式に変更されました。
関西国際空港は工事完成後になって、民間会社としては経営が成り立ちそうにないので、当時の新東京国際空港と同じく公団方式に変更して欲しいという意見が出されました。こちらは逆に新東京国際空港公団を民営化する結果になったのは皮肉なことです。
現在、東京湾横断道株式会社は、観光名所となった「海ほたる」の経営と料金収受業務などを公団(高速道路会社)から受託することで、黒字経営を続けています。出来上がった道路本体は道路公団が引き取り、今では保有機構に移管されていますから、アクアラインがいくら赤字を出しても会社は痛くも痒くもありません。
道路4公団の民営化は、高速道路本体を保有機構を介して国有化し、高速道路株式会社は、建設、管理の委託を受ける下請け会社に過ぎませんから、経営責任が無い点でアクアラインと全く同じ構図ということができます。
ヨーロッパでは早くから 民間会社が、一部の政府補助を受けながら有料の高速道路を建設し運営して来ました。
例えば、世界で一番長い開通延長を持つイタリアのAutostrade社は、最初から株式会社でした。政府から約30%の助成を受けて太陽道路などを完成させたのですが、スタートの時は、政府系金融機関 IRI が大部分の株式を保有していました。順次、民間に売却されて株式の上場も済ませ、2000年夏に、完全な民営化を完了しました。2006年の筆頭株主はアパレル産業のBeneton社でしたが、2007年以降はSchema28というBenetonが主体の投資組合が53%で最大の株主です。
この方式がフランス、スペインなどヨーロッパの有料道路にほぼ共通する方式です。高速道路の潜在的な管理権と道路敷地の所有権は国が保有し、道路本体は特許期間中、会社の所有です。特許期間はイタリアのAutostrade社の場合、期間延長が繰り返されて既に60年が経過し、現在は2038年までになっていますが、その後も更に延長され続けると見られています。(詳しくは「世界の有料道路 主要国の現状」をご覧下さい。)
「民営化」の見直し、「償還主義」に代わる新しい有料道路制度の検討に当たって参考にすべき方式だと考えます。
2009年度から道路特定財源が一般財源財源化されましたが、現実にはほぼ同額が「必要な道路は着実に整備する」という政策に従って、引き続き巨額の予算が一般道路の整備だけでなく、「新直轄」事業と称して高速道路の建設にも注ぎ込まれるようになりました。
道路公団の改革が2002年から公団に対する国費投入(前年3000億円)の取り止めから始まりましたが、その後の議論の中でも「国民負担を最小限にする」という言葉が一人歩きを始め、猪瀬直樹氏は本四に対する国費投入についても、道路公団の黒字で埋めれば良いという理由から反対でした。
高速道路建設にブレーキをかけるために、一時的に資金供給をしぼるという面では意味があったと思いますが、未来永劫、高速道路に国費を投入しないというのは完全な間違いです。なぜなら、国費とは言っても、ガソリン税収入などは長い間、利用者が道路に使用される財源として納めたものであり、有料道路の利用者も、通行料金とは別に、一般道路の建設費や管理に転用される税金を支払っているからです。
有料道路制度が発足した当初、これが「二重課税」ではないかとの議論が行なわれました。その後、問題にされなくなったのが不思議です。
極めてラフな推計をして見ます。高速道路の料金は普通車で平均1km当り約25円です。ガソリン税は1リッターにつき約54円ですから、燃費リッター当り10kmとすれば、高速道路を1km走るごとに約5円の税金を、料金とは別に払っていることになります。
つまり、25円/km:5円/kmで、通行料金の約5分の1に相当する税金は、二重に負担している分ですから、本来、高速道路利用者に還元されるべき金額です。
したがって、高速道路の料金収入が年間2兆円とすれば、毎年約4,000億円は、道路公団(高速道路会社)が利用者に代わって、国から還付を受ける権利があると言えます。高速道路の建設費に、国や都道府県が毎年約4,000億円の負担金を払うべきだったと考えることも出来ます。二重に払っている分だけ、料金を安くすべきだという要求も当然です。
高金利時代以降、利子補給金などの名目で、国が公団に支出する額が少しずつ増額されて来ましたが、これは当然のことです。しかも、これを過去に遡って計算して見れば膨大な額になる筈です。その補給金が、2002年から逆に廃止されたのは完全な間違いです。
最近、民主党の高速道路無料化の発案者と言われている山崎養世氏が「二重課税」に飛びつき、高速道路の建設費全部について利用者が負担していると主張しているようですが、これはいかにも過大で乱暴な言い分です。
むしろ、現在の「償還主義」によって、料金収入だけで建設・管理費を返済する計算をするのではなく、利用しやすい料金=便益でどれだけの交通量=収入が見込めるかを算出し、不足する建設費は最初から道路財源を投入する方式に発想を転換すべきでではないかと考えます。
大部分を国が道路財源で建設した道路を高速道路会社(以前は公団)に引き継ぎ、最終の舗装工事だけとか、もっと極端な場合は料金所だけを会社(公団)が借入金で造るようなやり方は問題です。この工事のやり方は、饅頭のあんを包む皮の表面にできる薄い皮に例えて「薄皮方式」と呼ばれています。80%〜90%が道路財源というのが大部分で、最大98%という極端な例もありました。(この点については 「高速道路と有料道路」をお読み下さい。)
このような道路は、もともと有料道路としては不適格な証拠なのですから、一般道路として計画し直すべきだったのです。