量子化学計算パッケージを用いたNehalemとWestmereの比較

2010年10月24日作成

初めに

2010年10月現在,デスクトップ用のCPUにはNehalem系とWestmere系が混在しています.CPUコア数ではWestmere系が有利ですが,値段も高価です.そこで,Westmere系CPUにコア数以上のメリットがあるかどうか,量子化学計算パッケージであるORCAを用いて検討してみました.

ベンチマーク結果

比較対象はNehalem-Xeon E5520とWestmere-Xeon X5650で,ベンチマークに使用したソフトはORCA 2.7.0で,OSはopenSUSE 11.1です.今回はCPU以外は共通のものを使用したため,マシン構成は省略します.なお,HTTはoffでturbo boostはonです.

ジフェニルメタン (RI-BP86/def2-SVPで構造最適化済み) のRI-MP2/def2-TZVPレベルでのシングルポイント計算で比較を行いました.結果を表1に示します.

表1: ジフェニルメタンのシングルポイント計算
CPU Nehalem-Xeon E5520 × 2 Westmere-Xeon X5650 × 2 Westmere-Xeon X5650 × 2
クロック周波数 2.26 GHz 2.66 GHz 2.66 GHz
使用コア数 8 8 12
計算時間 [秒] 885.563 736.077 496.587

寸評

NehalemとWestmereでクロックが異なりますが,2ソケット8物理コアで比較すると計算時間は83%まで短縮されています.2.26 GHzは2.66 GHzの85%ですので,クロックの増加分よりわずかに高速に計算できていますが,大した差ではありません.2ソケットのWestmere-Xeonで12物理コアすべてを使うと56%まで計算時間を圧縮できるので,NehalemとWestmereではコア数が増加している分だけ高速だと言えるでしょう.