「魔神騎士ジャック☆ガイスト」

○『魔神騎士ジャック☆ガイスト』  (SCDC−00066/\2940)

01:オープニングテーマ「怒れ!ジャック☆ガイスト」
02:八千年目の凱歌
03:明日への疾走
04:明日への疾走U〜美少女探偵がいく!
05:逢う魔が刻
06:吹き荒ぶ魔風
07:真夜中の足音
08:地獄の旋律
09:「怒れ!ジャック☆ガイスト」(TVサイズ)
10:甦える伝説
11:明日は消える運命(さだめ)
12:風に舞う砂塵
13:過ぎ行く日々
14:素晴らしい青春
15:もう還れないあの日
16:「きっとまた逢える」(TVサイズ)
17:捨て難き人物
18:「きっとまた逢える」(メロオケ)
19:闇のファンファーレ
20:魔の閃き
21:「怒れ!ジャック☆ガイスト」(メロオケ)
22:暁の暗闘
23:暁の暗闘〜漆黒の剣舞
24:エンディングテーマ「きっとまた逢える」
25:「怒れ!ジャック☆ガイスト」(カラオケ)
26:「きっとまた逢える」(カラオケ)


全作・編曲:渡辺宙明 作詞:黒川潤(1.9) 大和光(16.24) 歌:串田アキラ(1.9) ベッキー(16.24) 

解説/全3巻で発売された実写特撮ビデオシリーズのサントラ。渡辺宙明氏は久々に主題歌、劇伴を含めて自ら全曲の作編曲を手掛けた。主題歌は宇宙刑事シリーズでお馴染み串田アキラ氏を起用、衰えを知らぬパワフルボイスによる主題歌「怒れ!ジャック☆ガイスト」は、"宙明節炸裂!"のヒーローソングの王道を行く一曲。
 シンセサイザー中心の編成は賛否の分かれるところだが、シンセの持つ硬質な音色がサスペンスシーンを盛り上げるなど多いに効果を発揮、逆に感情を揺さぶるバラード曲にはギターやトランペット(演奏はエリック宮城氏)といった生楽器をフューチュア。宙明氏ならではの叙情的な音楽を堪能できる。


渡辺宙明ミニ・インタビュー/『魔神騎士ジャック☆ガイスト』

渡辺宙明(以下 宙):今回は久々に自分で全部自分で書いてやったんですよ。

−−主題歌、BGMを含めたトータルでの作編曲は『ゲッターロボ號』以来、10年振りですね。

宙:そうですね。

−−主題歌については如何でしょうか?

宙:まだ画がありませんでしたが、早いうちから脚本を渡されていたので、それを読んだりしてイメージして書きました。録音ではシンセのオペレーターにブラスの音色なども工夫して貰ったんですよ。まあ、これだったらシンセでも良いかなって思っています。もちろん全部立ち会いましたよ。オペレーターもかなり巧い人でね。2種類くらいのブラスの音色作って来てくれて合わせたりとか。それで割りと巧くいってるんじゃないかな。

−−BGMについては如何でしょうか?

宙:BGMも手馴れた手法ではあるけど、画には良くあっているんじゃないかという気がしますね。

−−『ジャック☆ガイスト』では、画面を見てそれに合わせて書かれているとの事ですが。

宙:画面に合わせた音楽ではあるが、厳密に尺までは合わせていません。溜め録りですが、このシーンにはMの〜といった具合で画の仕上がりを見てから書きました。

−−では、溜め録りとフィルムスコアリングの中間くらいのスタンスで?

渡辺:そうですね。

−−溜め録りと合わせて書くのでは違いますか?

宙:ええ、全然違います。溜め録りだと60〜70曲作って、後は向こうの作業になっちゃうでしょ。でも今回の『ジャック☆ガイスト』ではこのシーンに合う音楽がないと困っちゃうわけで、そういった意味では難しいですね。

−−宙明先生としては、どちらがやりやすいのでしょうか?

宙:溜め録りだと曲数が多くなりますが、逆に気楽に作れる。ようするにアクションシーン向けの曲を5つか6つ作っておけば良いとなるわけでしょ。でも画があるとね、同じアクションシーンでも、ここからこうなってと細かい移り変わりがあるから、音楽入るの箇所など、こちらから質問する事もある訳。ですから溜め録りと合わせる場合では作る神経が全然違いますね。今回は大変でしたよ。もう監督にしょっちゅう電話してね。例えばベッキーが自転車で走っているシーン(track5:「逢う魔が刻」)とか、撮影現場まで監督のケータイに掛けて、このシーンはどうなってるのか?とか。

−−かなり綿密に打ち合わせしているわけですね。

宙:私は映画音楽のセンスですから画に合わない音楽はダメだという事ですね。非常にデリケートでね。幽霊が主人公なんて今までありませんでしたから。ベッキーが敵を探しているシーンとかも、どういう音楽にしたらいいかすごく悩みましたね。

−−そういう意味では『ジャック☆ガイスト』では溜め録りとはいえ、画に合わせる方に神経を遣って書かれているわけですね。

宙:ええ。尺が合ってないだけで映画のようにそのシーン毎に書きましたね。ビデオを貰って書きましたが、シーンによっては秒数まできちんと計って書いた曲もあります。ただアクションシーンでは未編集の箇所もありましたので、そういうところは長めに書いておいたり。アクション曲でも映像を頭に入れて書いてますから、宇宙刑事シリーズでやったような浮き立つようにパンチの効いた曲は少ないんですね。

−−幽霊が主人公ですからね。

宙:そうなんです。個人的にはもうちょっと別のパンチの効いた曲も書きたいのですが、書く場所がない(笑)。ですからみなさんが思っているような所謂“宙明サウンド”とはちょっと違いますよね。そういうのを求めた人にはちょっと不満もあったかな。ただ作曲に当たってはシンセ主体でも生オケでやるのと同じスタイルで作曲しています。

−−曲によっては生楽器も使用されていますが?

宙:今回はトランペットとギターを使いました。これはシンセでの録音が終わってから来てもらってやりましたね。

−−トランペットはエリック宮城さんですね。

宙:これは来てもらって良かったですね。やはり生が全然ないとせっかく私が作曲してもねえ。まあ宙明節とは何を指すのかわかりませんが(笑)。まあ、アクションだけでなくて歌い上げるような音楽も必要ですから。

−−トランペットとギターは先生からの提案だったのですか?

宙:そうです。これだけは生でやらしてくれと。ただインペグが生の人を呼ぶのに不慣れでね、ちょっと大変でしたが、これはやってもらって正解でしたよ。

−−エンディング曲「きっとまた逢える」はベッキーさんが歌っていますが?

宙:この曲はベッキーさんのマネージャーから彼女に歌わせてくれてって言われていたんですね。

−−タイアップとまではいきませんが、そういう場合は作曲も大変なのではないでしょうか?

宙:いや、そんなことないですよ。例えば歌手が決まっていなくても、まず女性が歌うとか女主人公といった事を踏まえてメロデイを書いて、女性の方はだいたい音域決まってますから、歌手が決定したらアレンジの時にその人に合わせて直すといった形でやっていますね。

−−ちょっと話がそれますが、以前のOVA作品なんかでは、声優さんや女性歌手のためにも随分書かれていますが?

宙:ああいうのは大抵レコード会社のディレクターが探してきますね。「今度はいいですよ」とか言うんですが、いざ来てみると、あんまり良くなかったという事もありましたね(笑)

−−(笑)

宙:ベッキーさんの時はね、最初、参考用に貰ったサンプルテープが子役の声というか子供っぽい歌い方でちょっと大丈夫かなって思ったんですがね、結果的には上手い人だったのでとても満足しております。「きっとまた逢える」は特に気に入っているんですよ。今までにないムードを出せましたね。

−−具体的には?

宙:女性の気持ちを歌い上げたもの。今までのヒーロー物とはちょっと離れたものを作りたかったんですよ。サビの部分は特に工夫してますので是非聴いて欲しいですね。

−−では最後に『ジャック☆ガイスト』について何か一言ございましたらお願いします。。

宙:そうですね。もう少し宣伝して欲しかったですね(笑)。

−−では、このインタビューを宣伝という事で(笑)。

[2002年1月9日(水) 渡辺宙明宅にて]

取材・構成/ともとも



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