
渡辺宙明 写真提供/「特撮ニュータイプ」様
(みちあき/ペンネーム:ちゅうめい)
8月19日生れ。愛知県出身。東京大学心理学科卒業。クラシックの作曲を團伊玖磨、諸井三郎の両氏に、ジャズの作編曲を渡辺貞夫氏に師事。
CBC(中部日本放送)のラジオドラマ「アトムボーイ」の音楽でプロ・デビュー。その後、同社のラジオドラマの音楽などを手掛けた後に上京、1956年、中川信夫監督の「人形佐七捕物帖 妖艶六死美人」で、初の映画音楽を手掛ける。6人のギター奏者を起用した斬新な音楽が評判を呼び、以後、新東宝の看板のひとつでもある怪談映画や時代劇、活劇など、正攻法のクラシックからジャズまで作品に併せた幅広いアプローチで多数の作品に音楽を提供する。
1961年の新東宝倒産後は、日活、東映、大映といった大手各社から独立プロの作品にも参加、山本薩夫監督の「忍びの者」(1962年 大映京都)の音楽では、仏教の声明を取り入れ、毎日映画コンクール音楽賞にノミネートされる。また、映画音楽と併行して1950年代後半よりテレビドラマの音楽にも進出、130本続く大ヒット作品となった「忍者部隊月光」(64年)や、山本薩夫監督の「ある勇気の記録」(66年)で注目を集める。
その後、映画の斜陽に伴い、テレビドラマを活躍の中心に据えるようになり、1972年、故石森章太郎(現・石ノ森)原作による東映特撮ヒーロー作品「人造人間キカイダー」と、永井豪原作・東映動画製作による巨大ロボットアニメ「マジンガーZ」に参加、ブラスロックのテイストを取り入れたパンチの効いた音楽で一躍脚光を浴びる。
以後、パワフルなブラスの響き、パンチの効いたリズムを持ち味として「秘密戦隊ゴレンジャー」〜「大戦隊ゴーグルV」までの戦隊シリーズ(75〜82年)や、「イナズマン」(73年)、「アクマイザー3」(75年)、「大鉄人17」(77年)など、この分野の第一人者として、その手腕を遺憾なく発揮、1978年放映の「スパイダーマン」では、多数のパーカッションを取り入れた劇伴が「エキセトリックサウンド サウンド オブ スパイダーマン」として初のLP化(CQ7017)、好評を博す。
1982年には「宇宙刑事ギャバン」の音楽を手掛け、ストリングスを大幅に取り入れた「レーザーブレードのテーマ」(B−11)などで鮮烈な印象を醸し出し、新境地を開拓。以後「宇宙刑事シャリバン」〜「時空戦士スピルバン」(83〜86年)までのメタルヒーロー路線の音楽を続投、80年代の東映特撮ヒーロー作品は、まさに独壇場であった。
80年代後半からは、「戦え!イクサー1」、「破邪大星ダンガイオー」、「レイナ剣狼伝説」といったオリジナルビデオアニメや、ゲーム音楽といった新たなジャンルに進出。
2000年以降、「魔神騎士ジャックガイスト」、「銀河ロイドコスモX」といった実写特撮ヒーロー作品、ロボットアニメ「心魂合体ゴーダンナー」を担当、主題歌及び劇伴と作品全般の音楽を手がけ、旺盛な創作意欲をアピール。
近作としてはスーパー戦隊シリーズ第30作目「轟轟戦隊ボウケンジャー」で挿入歌「FLYOUT!ULTIMATE DAIBOUKEN」を作編曲、またコミックスのイメージアルバムのために書き下ろした「マジンガーエンジェルのうた」などの作品がある。
ラジオドラマから始まり、黄金期の日本映画、テレビ、ビデオ、さらにはゲーム音楽まで、まさにメデイアと共に歩んできた数少ない作曲家であり、その活動は今後とも見逃せない。

宙明先生、愛用の五線紙です。線は黒ではなく、緑が使い易いとの事で、ご子息の作曲家・渡辺俊幸氏も使用されているそうです。