エキントリックサウンド オブ スパイダーマン
○エキントリックサウンド オブ スパイダーマン (COCX-31429 \2415)


01:スパイダーマンのテーマ<A-1、A-2、A-3>
02:追跡のテーマ<B-1、B-2、B-3>
03:超能力<E-1、E-2、E-3>
04:哀惜のバラード<G-1、G-2、G-3>
05:アドベンチャー オブ スパイダーマン<D-1、D-2、D-3>
06:侵略のテーマ<F-1、F-2、F-3>
07:復讐の誓い<C-1、C-2>
08:焼光のもとに<H-1、H-3>

ボーナストラック
009:駆けろ!スパイダーマン[TVサイズ]
10:暗躍<I-7、D-2リテイク>
11:誓いのバラード[インストゥルメンタル]
12:転換<アイキャッチ1、アイキャッチ2、I-1T1、I-2T1 、I-2T2
Spiderman叫びのみ1、Spiderman叫びのみ2、Spiderman叫びのみ3>
13:追跡<I-6a、I-6b、I-6c、I-12、I-11>
14:登場<I-10、I-10'、I-3、D-1リテイク>
15:駆けろ!スパイダーマン[インストゥルメンタル]
16:平和<E-3リテイク、I-5>
17:誓いのバラード[TVサイズ]
18:予告<予告>
19:駆けろ!スパイダーマン
20:誓いのバラード
21:駆けろ!スパイダーマン[TVサイズコーラスなしカラオケ]
22:誓いのバラード[TVサイズカラオケ]
23:駆けろ!スパイダーマン[TVサイズコーラスなしカラオケ]


作・編曲/渡辺宙明
作詩/八手三郎(9.17.19〜23) 歌/ヒデ夕樹(9.17.19〜23)
指揮/中谷勝昭(1〜8.10.12〜14.16) 演奏/コロムビア・パーカッション・アンサンブル(1〜8.10.12〜14.16) 
渡辺宙明ミニ・インタビュー/『エキセントリックサウンド・オブ・スパイダーマン』

−−「エキセントリックサウンド・オブ・スパイダーマン」は待ちに待ったCD化でしたね。宙明先生にとっては本格的なBGMの初レコード化という事で非常に力が入った事と思いますが?

渡辺宙明(以下 宙):完成度の高い物を目指そうと思いましたね。

−−「エキセントリック〜」では、様々な打楽器をフィーチュアされていますが、このアイデアは?

宙:これはコロムビアの木村(英俊)さんの企画ですね。パーカッションで行こうと。ただアイデアはいいんだけど、BGMですから、パーカッションを沢山使った音楽ばかりでは選曲が難しくなる。その辺りを当初から気にしていましたね。なかなか、そういう現場的なことまではレコード会社の人もわからんものですから。

−−アルバムとして聴くのとBGMとしての使いやすさのバランスが難しいという事でしょうか?

宙:そうですね。スチール・ドラム、カウベル、ブーバンなど、打楽器はほとんど山口恭範さんが持って来られたのですが、こういった特殊な楽器はBGMとしてはやや使いにくいですね。カウベルなんかもこれは本来、楽器ではなくて牧場とかで牛の首につけるもんなんですよ。

−−なるほど。

宙:今聴いている「超能力 E−3」(track3)なんかは、私の地ですね。今でもこういうメロデイは浮びやすいですね。

−−のちの宇宙刑事シリーズなどに比べると1曲の演奏時間が短いですね。

宙:宇宙刑事の時は個々の曲がレコードとしての観賞に耐えるようにBGMとしては必要ないのですが、もう一回繰り返したりといった工夫をしました。「侵略のテーマ f−1」(track6)なんかも、やはりこういったパーカッションを使った曲が選曲としてはちょっと使いにくかったんじゃないという思いはありますね。当時テレビを観ていてもそんな印象を受けました。
 あと「復讐の誓い C−2」(track7)のマリンバの音も録音と生だと随分違いますね。これでもかなり上げてはいるんですが、生だともっと迫力があるんですよ。逆にこちらの狙いと違って打楽器がちょっと前面に出過ぎてしまった曲もありましたね。普段は効果の部分も考えて作曲しているわけですが、今回は組曲風という事でしたので苦労も多かったですね。

−−やはり打楽器の扱いが難かったという事でしょうか?

宙:確かに音楽としては成功していると思いますが、この方向でやれるドラマがどれだけあるかっていう。曲数も足りないですよね。例えば激しい戦闘シーンの曲なんかも全然ないじゃないですか。追跡風のリズムの曲ばかりになってしまうというか。全部リズミカルで快調なんですね。「暁光のもとに 8H−1」(track8)もババッババって実際は画にどれだけ合うのかなっていう疑問はありますね。ホントだったらこういうので全部やりたいんですけれど(笑)

−−そういう意味では、アルバムとしての完成度の高さは充分に満たしているといえますよね。

宙:ええ。私の思った音楽の内容がだいぶ入っているというかね。メロデイもあって・・・それも私の頭の中にパッと浮かぶメロディが、入っているのが今回の「スパイダーマン」なんですよ。

−−メロディとダンサブルな感じの音楽ですね。

宙:ええ。

−−ただ、BGMとして考えると・・・。

宙:ちょっと足りない。やっぱりドラマとの関係は大切ですね。これは画を見ないうちにやっちゃいましたから。パーカッション中心と言われて、ラテンロックみたいな形を目指してやりました。その辺は成功したと思いますよ。難解なパーカッションの音楽にはなっていないし。ただやはり選曲を考えるとパーカッションのない曲、たとえば弦だけの曲とか、そういうのがないんですよ。音楽だけ聴くのにはいいですがね。後は例えばこれを一本の劇場用映画で最初から合わせてやれば上手くいくかなとは思いますが、実際の映画でなかなかそういかないんですよね。劇場用映画でもこういうのは今までもなかったですよね。だから子供用は別として、一般のアクション映画でもこういったダンサブルな踊り出すような音楽では上手くいかない場合が多いと思います。

−−ダンサブルなのはBGMにはちょっと向かないと?

宙:私としては、踊り出すようなのでやりたいんですがね(笑)。だからよく言っているのですが、BGMから離れてアレンジをやり直して、"ダンシングヒーローズ"みたなアルバムが作れればと思っているんですがね。

−−主題歌の「駆けろ!スパイダーマン」については?

宙:“スパイダーマン”の掛け声のところは私が考えたんですよ。レコーディング終わってから、来て貰って録音しました。確か平山亨さん(※東映テレビ部プロデューサー)と打ち合わせしてこれ外人がいいんじゃないかという話になってね。たしか平山さんだっと思うんですが・・・(ライナーを見て)これ平山さんも参加されてましたよね?

−−平山さんはクレジットがなくてもかなりの作品に関わっていたようですね。

宙:そうですか。確か平山さんも噛んでいてね、それで誰かがわざわざ連れてきたんですよ。
でも今聴きなおすとこれなんかはヒデさんに言ってもらっても良かったですね。ちょっと弱いですね。まああっけらかんにやってもらっても困りますが。

−−エンディングの「誓いのバラード」もファンには人気の高い曲ですね。

宙:聴き直してみると弦なども非常によく鳴ってますね。

−−ヴァイオリンは日フィルのコンサートマスター・植木三郎氏が参加してます。

宙:そう。当時は確か読響でしたね。

−−「誓いのバラード」では哀愁を誘う口笛が大変印象的ですが?

宙:今は生で口笛出来るミュージシャンが少ないし、呼ぶと高いからあっても大抵シンセが多いですよね。

−−やっぱり生は情感たっぷりで、違いますよね。

宙:いや、それは違いますよ、生でやれば。

−−こうして聴き直してみて如何でしょうか。聴き所などは?

宙:いや、全編聴き所です(笑)。まあ、お話したようにドラマだと足りないんじゃないかというのはありのですが、音楽だけ考えるとこういう事が出来るぞっていう、その辺りが聴き所ですかね。他の作品じゃやりたくてもなかなか出来ない事が出来ましたから。パーカッションとブラスという点がポイントですね。

−−編成もとても豪華ですね。

宙:ラテン系を狙っても普通だったら打楽器は二人使えればいい方ですが、『スパイダーマン』では、テインパニー4台にマリンバ2台、バイブ、ドラなど打楽器だけで部屋がいっぱいの状態、それにペット、トロンボーン4人ずつに、弦もいてといった具合でしたから、コロムビアのスタジオ2つ使ってやりましたね。まあ、こんなにもいらないかなって気もしますけど(笑)、大変豪華なものが作れたという事で非常に満足してます。

[2002年1月9日(水) 渡辺宙明宅にて]

取材・構成/ともとも



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