ともいきの杉では性能を担保する為には構造的な配慮が絶対必要だと考えています。その理由は木造住宅では十分な構造設計がおこなわれていない現状があり、それがしばしば建物の不具合の原因になっているためです。
しかし、現状では構造設計の必要性についての意識がないというのも実情です。
現在、木造の構造計算・設計の手法は主に建築基準法の告示等で示されている方法(壁量計算法)、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の新壁量計算法、許容応力度計算法の3つがあります。
これから具体的に説明しますが、建築基準法は改正されたといえども、従来からの問題点は完全に解消されていません。その問題点を改善したのが品確法の計算法です。そして、建物の実情に即した設計が行えるのが許容応力度計算法です。
また、品確法では建物の性能値を等級づけし、建物の性能を数値で表すようになっています。
国産の杉を利用した木造住宅等における構造性能の検証は、現在のところ、壁量計算法によりなされているのが大半です。
そこで、ともいきの杉では、材料性能を熟知している供給側で構造に関する配慮をすれば、確実に構造に関する配慮が行われ、かつコストも低くなると考え、構造設計も含めたセットで材料を提供することにしました。
地震に対する必要な耐力は、その建物の固定荷重(屋根・壁荷重)に比例します。
壁量計算の場合、必要な耐力は床面積1m2あたりの耐震必要壁量として定められているが、その値のもととなった固定荷重が低めに考えられている問題と、建物形状が2階建の場合「総2階建」を想定していて、建物形状が複雑な場合に外壁や屋根軒先の重量、下屋の屋根重量が大きくなることが床均し荷重に反映されないという問題があり、土葺き瓦などを使った重い建物や不整形な建物の場合には必要壁量が過小評価となっていたのです。
壁のバランスが悪いと、偏心による建物の回転運動によって、水平力が増大します。壁のバランスに関する規定のない壁量計算では、壁量を満たしているにも関わらず、倒壊する恐れがありました。
床剛性に関する具体的な規定がない壁量計算では、壁量を満たしているにも関わらず、床が先行破壊され外周部の耐力壁に力が伝達されないので倒壊する恐れがありました。
接合部の強度に関する具体的な規定が無い為、接合部が先に破壊してしまい、建物の一体性が保てない、耐力壁が100%の性能を発揮できない、等の問題が生じ、最悪の場合建物が倒壊してしまう恐れがありました。
建築基準法の改正の際にも、必要壁量値の割増は見送られて、1.1で述べた問題は解消されていません。
但し、仕口金物の規定が大幅に強化されたため、壁量が大幅に不足していない限り、建物がいきなり崩壊するようなことは起きにくくなっています。
側端充足率によって、外周部側に耐力壁を配置する規定が設けられ、アンバランスな壁配置の問題が改善されました。しかし、(3)の問題が解消されていないため、外周部に面して「吹き抜け」・「階段室」等が設けられた場合は、その外周部の耐力壁に力を伝達する「床」が無いので、その周辺の床を通常より剛にするなどの特別な配慮が必要です。
建築基準法の改正の際にも、床の剛性に関する具体的な規定が設けられませんでした。従前の問題は解消されていません。
仕口金物については、告示等が大幅に改訂され、耐力上の問題点はほぼ解消されました。
壁量計算による場合、金物の設置方法は、告示1100号の表からプロットする方法とN値計算による方法の2種類が示されています。
但し、全く問題が無いわけではありません。
告示1100号の表の根拠となるN値計算は、耐力壁が水平力を受けて両側の柱が浮き上がろうとする力を押さえ込む、柱自重の値が出隅の柱とその他の柱で一律に定められており、実質にそぐわない過大(or過小)な柱脚・柱頭金物が設置されることがあります。
また、告示1100号の表は、計算を簡便にするため、2階建ての1階柱では上階からの引き抜き力が過大(安全側)に見積られており、必要以上に大きな金物を設置する結果となっています。
新壁量計算法では必要壁量を見直し、より実際に近い値を採用しています。また、地震力においては、1・2階の大きさの差による影響を補正し、より正確な必要壁量を求めるようになっています。
これまで曖昧に評価されていた雑壁も、一定の条件を満たすものは存在壁量に加算し、壁量計算を行うようになりました。
壁のバランスについては、基準法とおなじ側端充足率の検討を行っています。
新たに、床が負担するせん断力を算出し、それに見合った剛性をもつ床を適宜配置するようになっています。
継ぎ手・仕口についても、計算により、適正な金物が算出されます。
許容応力度計算では、実体の建物重量から必要壁量を算出して外力を求めています。
これまで曖昧に評価されていた雑壁も工学的に判断して適宜存在壁量に加算され、壁量計算を行います。
また、2階横架材の上に柱がある耐力壁の場合にも、横架材の曲げ剛性により低減された壁倍率が算出され、より実体に見合った計算が行われます。
壁のバランスについても、側端充足率より詳細な偏心率の検討を行っています。
その上で、耐力壁線間を移行する床のせん断力を算出し、それに見合った剛性をもつ床を適宜配置することが出来ます。
継ぎ手・仕口についても、工学的判断から個々の諸条件を考慮し、適正な金物が算出されます。
| 木造二階建てで用いられる計算方法 | 精密さ | 推定利用者数 |
|---|---|---|
| 許容応力度設計法※1 | ■■■■■■■■■ | 0.1% |
| 品確法による新壁量計算※2 | ■■■■■■ | 9.9% |
| 建築基準法第46条の壁量計算※3 | ■■■ | 90.0% |