座間方言語彙集

〔〕内は分析
《》内は注
必要があると考えた場合は、「」内に標準語訳をつけています。
は、一番新しくアップした語です。
は、座間だけでなく関東周辺の広い範囲で見られる方言です。

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 わ行

あしたなさ
明日の朝

例:あしたなさ、なに食べるよ?
「明日の朝何食べる?」
《「明日+の+朝」という句が短くなってひとつの語になったものと考えられます。けれども「昨日+の+朝」のことは「きのうなさ」とはいいません。》

あたする
敵討ちをする。

例:(ハムスターに指をかまれたので)えさくれないから、あたしてると思った。
「えさをやらないから仕返ししたのだと思った。」

足のふんごみっぱがない
足の踏み場がない

例:二階は本がいっぱいで足のふんごみっぱがないよ!

あるった、あるって
歩いた、歩いて

奥羽・関東地方によくみられる。ついで中部地方でもみられる。
(参考資料 藤原与一 1996『日本語方言辞書--昭和・平成の生活語--』<上巻>東京堂出版)

《終止形が「く」でおわる動詞に、「た」「て」をつけると、 「…いた」「…いて」となるのが普通
(例:「巻く」「巻いた」「巻いて)。
ところが終止形が「く」で終わる動詞にも、二つだけ 「…った」「…って」となる動詞がある。「行く」と「歩く」の二つだ。
「行く」は共通語でも「行った」「行って」となるが、「歩く」は 共通語では「歩いた」「歩いて」となる。
座間方言では「あるった」「あるって」となる。

例:今日はいっぱいあるったから。
  ちょっとあるってくるよ。

いいかげん
たくさん《時間や量が多いことを表す》

例:(1)もういいかげん行ってない。「もう長い間行っていない」
(2)入谷の駅でいいかげん待っちゃった。
(3)(金柑が)昨日の雨でいいかげんおっこっちゃったよ。「昨日の雨でたくさん落っこちてしまった」

いかる
埋まる(自動詞) →cf.いける(埋める:他動詞)

例:(1)(なだれのニュースを見て)車がいかってるよ。 「車が埋まってるよ」
(2)(例えば、作物が植わっているのに畑を誤って掘り返してしまったとき)
こんなところにいかってたよ。「こんなところに(作物が)埋まってたよ」

いく〜
幾〜。
《「〜」のところにこられるのは、「時/日/人(にん)/週間?/月/年」》

例:今いく時よ?/いく日たっても、きやしない。

いける
埋める

例:(魚を食べた残りを)あとで庭にいけとくよ

うすら

例:(1)うすら10年経った。(2)(試合が)うすら半分終わっちゃったもんよ。(3)うすら二倍だよ。

えむ [名詞]えみ
ひびがはいる、ひび
例:この茶碗、えんでるよ。/この茶碗、えみがはいってるよ。/
(農家の人が胴割れ米を指して・・・)えんでる/(早く刈らないと)えむ
→下の2例は座間市の福井さまからよせられた情報です。

える
(いいもの、必要なものを)選ぶ
例:選って持ってきたんだね。

えれえ
ずいぶん〜
〔座間方言では、形容詞としてもまた同時に副詞としても用いられる。この現象は、現在の日本語で、「すごい」という形容詞が副詞として「おもしろい」のような形容詞を修飾することができるという現象に似ている。〕
例:えれえ増えちまったよ。

おき

例:おきっかたのをとって。「奥のをとって」

お新客(しんきゃく)
初めてその地を踏んだ(人)

例:初めて座間にお新客に来たんだから迎えに来たよ
「初めて座間に来たのだから迎えに来たよ」

おちゃづけ
冷ご飯

おっ(接頭辞)+動詞

関東地方でよくみられる。その次に目立つのは奥羽・中部地方東部である。
(参考資料 藤原与一 1996『日本語方言辞書--昭和・平成の生活語--』<上巻>東京堂出版)

伊藤さんからは埼玉県熊谷市でも「おっぺす」のような言い方があるという情報をいただきました。
ありがとうございました。

・おっこぼす
こぼす

例:あんなところにバケツ置いといて、けつまづいておっこぼしちまうよ

・おっぺす〔おっ+へす(古語で「強く押し付ける」の意味。共通語でも「押し合いへし合い」「へし折る」
と言い方のなかに残っている。)〕
押す

・おっぺしょる〔おっ+へしょる?→へしょるの「へし」については「おっぺす」の項を参照〕
ひざを使ったりしてへしおる

例:(木の枝を)おっぺしょってくべるんだよ
《お風呂を焚くのに、桑の枝などをくべるとき、枝が長いので、燃やしている人のところまで
火が燃え広がらないように、注意したセリフ。》

・おっぽっとく
(その辺に)ほっぽって置く

例:だめだよ、そこいらおっぽっといてよー。
「そのへんにほっぽっておいてはだめだよ。」

(かぎ)かう
(かぎを)かける

例:あたしがかぎかっとくよ
「私がかぎをかけておくよ」

かく(アクセント:高低)
まんじゅうをつくるときに、酒かすとごはんと水をおけに入れておくこと。できたものを「さけ」といい、これと小麦粉を練って、饅頭を作る。

例:さけをかいておく

(ひまを)かく(アクセント:低高)
時間をとる、ひまをつくる

例:(一緒に出かける途中、相手の明日の仕事の準備がすでに終わっていることを確認して…)
ああよかった。ひまかいちまって、準備が終わらなかったらどうしようかと思ってさ〜。
「ああよかった。(今日出かけるのに)時間をとってしまって、そのために明日の準備がおわらなかったらどうしようかと思った」

かせる
毛虫の毛とか蛾の粉がくっついてかぶれる

例:あまのじゃくにぶっついてかせちゃったよ
「あまのじゃく(赤と黒の縞模様の小さい毛虫)に知らないうちに触ってしまったのでかぶれてしまった」

かつけに
かこつけて、だしにして

例:(わざわざ来たというと悪いから、)用事をかつけにして来たのかと思った。
「用事があるというふりをして来たのかと思った。」

きょうこつない
今笑っていたかと思うと、急に激しく怒り出したり、 急に(激しく)怒ったり泣いたりすること

例:ほんとにきょうこつないよー、この子は。

くっつぶす (目を)つぶる
例:(息子が怒るので、散らかっているけれども)目をくっつぶして片付けないんだ

くれる
(1)やる、あげる (2)くれる(標準語と同じ)

例:(1)あれは幸ちゃんにくれちゃったから、もうねえよ。「あれは幸ちゃんにあげてしまったからもうないよ」
(2)おばさんがくれた芋
《(1)の意味で使う場合、与える相手は人間でなくてもよい。例:花に水くれてくるよ。「花に水をやってくるよ」/広告に丸くれといたから、それ買ってきて。「広告に丸をつけておいたので、(丸をつけた)その品物を買ってきて」》

こじる
生煮えのこと

例:このジャガイモこじれてるよ。「このジャガイモ生煮えだよ」

さぼす
洗濯したものが完全に乾ききらないのを、畳の上などに広げたり、次の日にもう一度干したりして、完全に乾燥させる

例:まだ乾いてないからさぼさないとだめだ。 

しっちょう[アクセント:低高高低]
子供や荷物などを紐のようなものを使って背負うこと。

例:しっちょっちゃったほうが楽だよ。

しる[アクセント:高低]
おしっこをしている

例:(おむつを見て)しってんよー。 

しんから/しんだろーから
するから/するだろうから

例:閉めといてやんよー、声もしんだろーから
《「*掃除しん(掃除する)」のように、言い切りの形では言わない。》

ずつなし
ものぐさ

例:あれはずつなしのお母さんだよ「あの人はものぐさなお母さんだ」

だかさる
だかさる(赤ん坊が親にだっこしてもらうこと)

例:ママにだかさって安心したんだろ。

たくる
(水分を十分に含んだ洗濯物、雑巾などから)水滴がしたたる

例:たくってるから(床を)拭かなきゃだめだよ。

調子くれる
調子がいい
例:調子くれてんね。

つくる
束になったねぎ、らっきょう、小松菜など(根っこがついているもの?)で、しなびたり枯れたりしたものと、
新鮮なものとをより分ける。《もやし、豆類、イチゴなどでは「つくる」といわない。》

例:(ニラを)かまわず刈ってきたから、つくって食べて。
「よいものも悪いものもまざったままで適当に刈ってきたから、よりわけて、いいものを食べて。」

つぎめ(に)[アクセント:低高高(高)]
嫁が結婚後初めて、式に参加しなかった親戚に挨拶に行くこと。
姑または夫などが連れて行く。
(昔は親戚が大勢いたので、結婚式には家族の代表だけが出席することも多かった。)

例:つぎめに行ったときにいたでしょ。
「結婚の挨拶に行ったときにいたでしょ。」

つぐの日
次の日

例:葬式あったの、お祭りのつぐの日だんべ。

ときならんじ(<時ならん時?)[アクセント:低高高高高高]
そうすべき時間よりも遅い時間。例えば、人が昼ごろくると約束していたのに、結局夕方やってきたようなとき、
その人を批判して「ときならんじにきたよ。」と言ったりする。

例:(私が友人の母の訃報を知ったことを話したところ、詳しい話をはやく聞くように促して…)
ときならんじになったら聞きにくいよ。「遅くなってしまったら聞きにくいよ」

どこした
どこにやったか、どこにおいたか

例:おまえ、海苔どこした?

とば(っ)くち
戸口に近いところ

〜とって
〜つもりで

例:飲むとって出したんじゃないの?

ながら
(1)名詞+ながら
〜がてら

例:散歩ながら買ってくるよ
「散歩がてら買ってくるよ」
<比較>標準語では、「歩きながら(動詞連用形+ながら)」はいいけれども、「散歩をしながら」といいたいときに「散歩ながら(名詞+ながら)」ということはできない。座間では、「散歩」>例、「買い物」>買い物ながら(買い物がてら)「おかず」>「おかずながら(おかずを兼ねて)」、など一部の名詞に「ながら」をつけることができる。
(2)動詞+ながら
〜の途中で
例:でもいいじゃん、行きながら降らなきゃ。
「でもいいじゃん、(あなたが)行く途中で(雨が)降らなきゃ」
<比較>標準語では「歩きながら歌を歌う」というように、「歩く」動作をする人と「歌を歌う」動作をする人が同じでないとおかしい。(×「花子さんが歩きながら太郎さんが歌を歌った」)

なびる
なする、こすりつける。

例:(1)パンにバターをなびる。(2)(子供が手についた泥を壁にこすり付けるのを見て)壁になびっちゃだめだよ

になう(担う; ninaw-u)
(重いものを)もつ

例:(テーブルを移動したいので相手に運ぶのを  手伝ってもらう時に)そっちちょっと担って。

ひょうぐる
ホースのつなぎめなどから水が勢いよくもれたり、乳首から母乳が勢いよく飛び出すこと。

ほきる[アクセント:低高高 cf.否定(ほきない)低高高低]
植物(特に小松菜などの葉物)が生長すること 《「ほきた」「ほきちゃった」という言い方はない》

例:ほきるといけないからよ。/寒いから、(三つ葉が)ほきないんだよ。 「寒いから三つ葉が育たないんだよ。」

ふいらふいら
年をとったり、病気をしたりしてふらふらしている状態。
または定職もなく、ぶらぶらしている状態。<<座間だけではなく相模原でもいうらしい>>
例:ふいらふいらしている。

ふりだす
布きんや雑巾、洗濯物を手でもみながらゆすぐこと。 《洗濯機でゆすぐ場合は、「ふりだす」といえない》

例:この布きん、漂白してあるからよくふりだして干しといて

ぶっつく
偶然に出会う。

例:(友人が)だんなの姉さんにぶっついちまってさ。 (それで待ち合わせの時間に遅刻したんだ。)

べえ
ばっかり。

例:風呂べえへえってる(風呂ばっかり入ってる)

まるく
稲束などをくくる。→座間市の福井様からの情報です。
このことばは田中の義母は使わないということでしたが、
神奈川県教育委員会編集の『神奈川県方言辞典』には「しばる、束ねる」という意味で載っていました。
『津久井郡の民俗語彙』(昭和29年 尾崎恒夫著)、『北相模方言集』(昭和38年ごろ 中村昌治)に掲載があります。また、関東や東北などの広い地域で使われているようです。》

見つける
探す。

例:見つけたけど、見つからなかったよ。「探したけど見つからなかった」

めぐらったい
(1)目障りである。(2)また、(たとえば子供がふざけて)照明を遮ったりして、読むなどの行為に集中できないでいらいらする様子

例:(1)めぐらったいからどけ!新聞が読めないじゃないか。(2)(客が来るので)そこにかけてあった服、めぐらったいからこっちにかけといたよ

わざに
わざわざ、わざと
例:(その日はスーパーに行かなかったのに、そのスーパーの客の入りを聞かれて)
わざには行かないから「わざわざ行かなかったから」

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