人工股関節手術
    (Total Hip Replacement)


1960年初頭に、Charnleyにより開発された ポリマ/金属製人工股関節により飛躍的にその成績が向上し、そのコンセプトは現在も受け継がれています。
1970年代以降、形状、材質はめざましく進化しました。超高分子ポリエチレンの開発、ポーラスコーティングなどのセメントレス人工関節、セラミック製素材、そのほか多くの開発により、現在ではほぼ安定した成績が得られています。


日本では2003年に7万例の人工股関節の手術が行われ、手術数は毎年増えています。人工関節の先進国であるアメリカでは、人口が日本の2倍であるにもかかわらず、年間30万例以上もの手術が行われています。したがっって、日本での手術数は今後ますます増加すると思われます。

人工股関節は人工膝関節に比べ、やや長期成績は劣ります。また合併症として脱臼が数%に起こりえます。しかし、成績は近年格段の進歩を遂げております。欧米では一次性変形性股関節症が多いのですが、日本では先天性股関節脱臼に伴う二次性股関節症が多いため、臼蓋の被覆のよくない症例が多く、これに対しては、切除した骨頭を用いて臼蓋外側に十分な骨移植術を併用することにより、成績も一次性股関節症の成績と変わらないほどまでになっています。

人工股関節に問題が起きる原因は感染や繰り返しの脱臼の他に、もっとも大きな原因として人工股関節のゆるみがあります。ゆるみ(loosening)は人工関節の骨の固定あるいは錨着が弱くなることを言います。これには、骨頭(ヘッド)とカップの間のこすれ合いで生じる摩耗粉が原因で、人工関節の周りの骨組織が破壊されることにより引き起こされるといわれています。人工股関節の耐用年数を長くするためには、この摩耗粉の発生を減らすことが重要であり、現在では摺動面(こすれあう面)の新しい素材の開発も積極的に行われています。


人工股関節の耐用年数は、種々の改良により飛躍的に進歩し、人工股関節の耐用年数は、10年で95%、15年で84%、25年で77% (Wessinghage 1998)と、極めて安定した成績が報告されています。






【当院でのリハビリプログラム】  
手術日(0日目)  人工股関節手術。
1日目  筋力訓練開始、足の運動開始、ベッドは80度まで起こせます
2日目  端座位許可
4日目  車椅子にて移動許可。リハビリ室で訓練
7日目  平行棒内歩行から歩行器練習へ
13日目  T字杖練習へ
14日目  全抜糸
21日目以後  歩行が安定すれば、退院可能です。










人工股関節手術
退院後のケア:術後に脱臼する可能は、3ヶ月後までありますので、日常生活上注意する必要があります。
                (参考:THRの脱臼を防ぐために