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離断性骨軟骨炎(osteochondritis dissecans;OCD)は関節軟骨が下層の骨(軟骨下骨)から薄い骨片を伴って剥がれる疾患で、比較的稀です。骨軟骨炎という名称がこの病気を理解しにくいものにしています。骨軟骨剥離症と言ったほうがわかりやすいかもしれません。成長期の骨軟骨結合力の弱い時期、または先天的あるいは後天的な骨軟骨結合力の低下の状態で、繰り返しの小外傷がもっともと考えられています。先天性要因も考えられるのは20%に両側発生があるからです。Cetik (Cetik 2005)はその中でもさらに希な大腿骨外顆の両側発生例を報告しています。。また希に家族発生例も見られます(Kozlowski 1985)。
好発年齢は10歳代で、成長期の男子のスポーツ選手に多くみられます。男性は女性の2倍の発生率です(Robertson 2003)。
全身的には、肘関節(上腕骨小頭)、膝関節、足関節(距骨滑車)、股関節の順で多く見られます。肘は野球肘(野球障害)の代表的疾患の1つとなっています。
【診断】
離断性骨軟骨炎は骨軟骨片の可動性により症状は大きく変化します(Kocher 2006)。初期のBruckl分類のstage IやIIでは骨軟骨片はまだ比較的安定しており、症状は軽く運動時の疼痛や運動後の鈍痛を訴えます。stage
III、IVでは骨軟骨片が動くために周囲の骨が硬化します。この時期では比較的軽い症状のこともありますが、stage I,IIに比し、運動時の疼痛が増強したりや日常生活動作での痛みが生じやすくなります。stage
Vで遊離体にあると膝がひっかるなどの陥頓症状が加わってきます。
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剥離骨軟骨片の骨部分はわずかですので、X線でははっきりわからないことも多く、MRIで初めてわかることもあります。重要なことは離断しつつある軟骨骨片が不安定であるかないかを検討することです。従ってこの診断にはMRIが重要となります(De Smet 1990)。
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X線 |
MRI |
【Bruckl分類】
離断性骨軟骨炎の病期は関節面に繰り返しかかるせん断力が軟骨と下の骨(軟骨下骨)の間で、剥離骨折を生じ(I,II)、さらに悪化するとその周囲が壊死をきたし(III,IV)、ついには軟骨がわずかな軟骨下骨をつけて剥離(V)へと進みます。したがってX線もその段階を示唆するBrucklの分類が有名です。 |
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<Brucklの分類> |
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stage I |
異常所見なし |
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stage II |
病巣部の骨透亮(透明)像 |
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stage III |
病巣周辺に骨硬化像 |
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stage IV |
病巣の硬化と不安定性の進行期 |
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stage V |
遊離体 |
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【治療】
離断性骨軟骨炎の治療は骨軟骨片が安定か不安定かによって根本的に異なります。従って早期診断が重要となります(Kocher 2006)。
また、年齢すなわち成長終了前か後、荷重面か否か、大きさ、骨軟骨片の安定性などによって判断します(Robertson 2003)。成長終了前は終了後に比し、直りやすい傾向があります(Jurgensen 2002)。荷重面では大きさにもよりますが、進行しやすい傾向があります。
成長終了前のStage I、II、IIIは比較的保存的治療により治癒が期待できます。まず数週間から数ヶ月の運動制限と可能なら荷重制限を行います。ときに膝の固定も行うこともあります。Stage
III, IVになるに従って治癒しにくくなり、手術の必要性が高くなります。いずれの病期でも、症状の改善が得られなかったり、X線的にも進行するようなら、やはり手術治療が選択されることになります。
Stage II、IIIで骨軟骨片が安定しているときは、病巣部の穿孔術(ドリリング)をします。
Stage IIIやIVで骨軟骨片が不安定なときは骨釘や吸収性ピンで固定します。より生着を高めるために分離部を新鮮化する場合もあります。
Stage Vではとくに荷重面では遊離体の再接着術、あるいは骨軟骨移植術が行われます。
荷重面では長径10-15mm以上の軟骨欠損は将来の変形性変化の発生が高率になりますので、どんな方法でも十分な軟骨面の再建が必要となります。
また成長終了後では、治癒率の低下がみられ、比較的早期に関節鏡などの検査もすすめることもあります。
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関節鏡所見
大腿骨外側顆に
大きな軟骨欠損(+) |
術中所見
手術で外側顆の20x15mm大
の軟骨欠損(+) |
術中所見
遊離軟骨片を
吸収性ピンで固定 |
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