新潟県松之山の丘陵地帯に広がるブナの自然林。木漏れ日を通して輝く青葉若葉の美しさは、「美人林」と呼ばれるのもうなづけます。

丁子屋創立百周年(2002年)を記念して織り出した、丁子屋オリジナルの草木染め真綿紬『丁子野紬』と『丁子乃縮』。
今年は、お客さまや着付け教室の生徒さんと一緒に、丁子野紬の里、新潟県十日町を訪ねました。

東京から上越新幹線で「越後湯沢」へ。越後湯沢からほくほく線で「まつだい」へ。
まつだいの駅前からマイクロバスで「美人林」へ直行し、林のなかで撮影大会。<美しい人はより美しく、そうでない人もそれなりに>写されて満足。
『松芋(まつお)』というおそば屋さんでお昼をいただきました。まつだいは、山菜の宝庫。山菜の天ぷらとふのりを使用したコシのあるおそばに、みんな満腹したところで十日町市内へ。

軒下に糸束を吊るした家が、草木染めの岩田さんの工房です。
岩田さんの仕事は、草木染めの材料となる樹木や草花を、近くの里山や草地から採集するところから始まります。
四季の移り変わりに合わせて、手に入る植物が異なってきますし、焙染の選び方で出てくる色合いが変わってきます。
工房の天井からは、榛の木(はんのき)、クルミ、茜(あかね)、杉、セイタカアワダチ草などで染めた紬の糸束が所狭しと下がっています。どれをとっても深みのある、なんともいえない複雑な色合いで、目が離せません。
「毎回どんな色が出てくるのか楽しみです。予想通りの色が出てきたかと思えば、全く思いもよらぬ色に染めあがって感激したり・・・何年続けてもいまだに飽きがきません」と、岩田さん。

つづいて根啓織物の工場を見学。丁子野紬のように、素材や染め、織にこだわるオリジナルのものですと、普通「手織」ということになって、当然高価な出来上がりになってしまいます。
しかし糸さえよければ、機械織でも手織に劣らぬ風合いを出すことができます。ひとりでも多くのかたに、この紬の素晴らしさをお伝えし、心地よく身にまとっていただくために、価格を押えることのできる機械織を採用したのです。

夕食は、六日町の『けやき苑』で、山菜を中心にした田舎料理を堪能しました。建物は、雪国越後の典型的な田舎屋造り。名前の由来になった樹齢1500年という巨大な欅(けやき)の木が、大きな枝を張り出し、青々とした葉を繁らせています。山菜のつきだしやイワナの塩焼きを肴に、米どころ新潟の銘酒を味わいました。
一同お土産に、日本酒の一升瓶を両手にぶら下げ、越後に別れを告げました。

「美人林」では着物姿が一段と映えます。丁子野紬を始め、旅行には紬が最適。右端の大きな木は、『けやき苑』の巨大欅。建物の大きさと比べてみてください。