The Language of Flower
クリスマスの花言葉

花言葉は中世ヨーロッパで、騎士が戦場に行くとき村に残した恋人に花を贈り、
その花のイメージに託された言葉の意味(花言葉)を伝えたことや、
野山に咲く草花にキリスト教のシンボル的な意味が込められて
ヨーロッパの国々で発生してきたと伝えられています。
花言葉には、紀元前から古代ヨーロッパのギリシャやローマなどに伝わる
神話や伝説からその花言葉がとられたものが多く、
それぞれの花に、様々なエピソードが秘められています。


Holly
 柊の語源は、葉に棘があって、うっかり触ると「痛む」の古語「疼ぐ」
 (ひいらぐ)から、この名前が付けられました。
 日本のヒイラギは、西洋ヒイラギ(Holly)とは他人の空似で、ヒイラギ
 はモクセイ科、セイヨウヒイラギはモチノキ科なので全くの別種です。

 待降節の時期に実を付け、クリスマスには真っ赤に熟すことから、葉はイエスの
 茨の冠を、赤い実はイエスの血潮を象徴すると言われます。
 イタリアでは、Hollyがよく生える土地にはミョウバンが、イギリスでは
 石炭が眠っていると言われ、赤い実がたくさん付けばその冬は寒さが
 厳しく、少なければ暖冬だという言い伝えもあるそうです。
 このように、人々に色々な事を教えてくれるから
 
花言葉は、「神を信じます」「将来の見通し」「予見」「不滅の輝き」

 
映画の都ハリウッドのハリは、Holy(神聖な)ではなく、このHollyの事。


Poinsettia
 メキシコ原産のこの花は、現地では5mもの木になるのだとか・・・
 マダガスカルの国花です。
 植物学者だったアメリカの初代駐メキシコ大使のジョエルポインセット氏が、
 任期中の1828年に発見。この花の美しさに感動し、母国に標本を持ち帰った
 事から、発見者にちなみこの名前が付きました。
 真っ赤な花弁に見えるのは花苞(かほう)という萼の一種で、色を
 つけて虫や昆虫を引き寄せる役割を持っていると言われています。
 この花が、中国の伝説上の大酒呑みのサル・猩々非(ショウジョウヒ) 
 の顔のように緋色だと言う事から、日本名は「猩々木」です。
 花言葉は、「私の心は燃えている」
「祝福する」「聖なる願い」
        「清純」



Christmas Rose
 冬のさなかに咲く優しい花が、一重咲きの薔薇のようなので、この名前
 が付けられました。
 クリスマスの時期に咲くのは、白い5弁の花をつけるヘレボルス・ニゲルという
 品種だけ。日本で売られているのは、一般的なヘレボルス・オリエンタリスという
 品種です。イギリスでは、教会暦のレント(四旬節)にさしかかった三月頃から花
 が咲き始めるので、レンテンローズ(四旬節の薔薇)とも呼ばれています。
 ヘレボリスとはギリシャ語で「死に至らしめる食べ物」と言う意味です。薔薇には棘
 がありますが、この花の黒い根や葉・花にはアルカロイドを含む毒があります。
 しかし僅かな量であれば薬にもなります。古代ギリシャではうつ病の治療に
 使われていたとか・・・。でも、素人は決して口にしてはなりません!
 
花言葉は、「不安を取り除いて下さい」「いたわり」
        「スキャンダル」「追憶」「中傷」「慰め」



Cyclamen
 冬を彩るこの花の原産地は、意外にもトルコなどの地中海沿岸。
 シクラメンは、花茎がくるくると巻く事から、ギリシャ語の「旋回する」「円形」が
 語源なのだそうです。

 日本での別名は「篝火花・カガリビバナ(牧野富太郎博士が命名)」や
 「豚のまんじゅう」・・・そんなぁ、なんてかわいそうな名前・・・
 イギリスでは、この花の球根を豚が掘って食べていた事から「豚のパン」と
 呼ばれていたので「パン」が「まんじゅう」になったのでしょうね。
 
花言葉は、「内気」「はにかみ」「遠慮がち」「疑いを持つ」
 (赤い花)「嫉妬」
 (白い花)「清純」



Mistletoe
 民間の万能薬だったヤドリギは、悪霊(病気)を追い払ってくれる聖なる植物と
 言い伝えられてきました。
 実際に、この木には腰や関節の痛みを和らげる成分や、高血圧や狭心症にも
 効果のある成分が含まれているらしいのです。昔の民間療法は凄い!

 ヨーロッパでは生命のシンボルとして、玄関や台所・天井等の重要な場所に
 吊るしておきます。しかし、これはキリスト異教時代の名残りで、古代ケルトの
 伝統宗教ドルイド教の頃から、ヤドリギは聖なる木とされていました。
 異教徒の伝統と言う事で教会には飾らない地域も多いようです。

 特に、オークの木に宿る「ヤドリギ」は神聖視され 祭司が満月の夜に金の鎌で
 刈り(鉄の鎌では魔力が失せる)、地面に落とさないように白布を用いてこれを
 受けるのだそうです。(地面に落ちても魔力が落ちる・・・)
 回収されたその枝は「神聖なもの、幸運をもたらすもの」として、万病に効く薬に
 なるのだそうです。
 ヨーロッパではクリスマスの日に、ヤドリギの下で誰かと会ったらキスしても良い
 という風習があるそうです。ロマンティックですね。

 ヤドリギは、万葉集では「保與(ほよ)」という名前で呼ばれて登場します。
     あしひきの山の木末(こぬれ)の寄生(ほよ)取りて
     插頭(かざ)しつらくは千年壽(ほ)くとぞ
                                大伴宿禰家持

 花言葉は、「困難に打ち勝つ」「征服」「忍耐強い」
 
落葉樹に寄生し、宿主から養分・水分をもらって生きる宿木が何で???
 その姿が、宿主を征服している「力強さ」や「豊穣のしるし」なのだとか・・・
 12月24日、クリスマス・イヴの誕生花でもあります。


Rosemary
 ローズマリーは、聖母マリアが幼いイエスを連れてエジプトへ逃れる最中、緑の葉と
 白い花で生い茂るローズマリーの中に身を隠し、その上にマントを広げました。
 すると白い花が青に変わり隠れている姿は、見えなくなり追っ手からの難を逃れたと
 いわれています。
 それ以後ローズマリーは、キリストの背丈よりも成長をすることなく,キリストが十字架に
 磔にされた33歳(33年)の月日が経つと枯れてしまうと言われています。

 また、聖母マリアが幼いキリストの産着を洗い、ローズマリーの上に乾かす為に広げた
 ところ、ローズマリーは、なんとも言いようがない神秘な香りを漂わすようになったと
 いわれています。
 
 学名は「Rosmarinus officinalis L.」。「Rosmarinus」はラテン語で「海の露」
 という意味で、ローズマリーが海に向かった断崖によく咲く事からきています。
 「officinalis」は、「薬用の」という意味です。
 現在のRosemaryという名前は、聖母マリアの薔薇という意味・・・・

 古代ギリシャでは、ローズマリーは、聖なるハーブとし脳と記憶を強化するのに最も
 効能なハーブだとされていました。
 人々は、宗教儀式には必ずこの花を必要とし、結婚式では、ローズマリーの枝で新郎と
 新婦を祝福したり、葬儀の際には、思い出と記憶のハーブといわれるこの花を用い、
 「あなたのことは決して忘れない
 という印に墓に投げて、故人とお別れをしたそうです。

 あのシェークスピア「ロミオとジュリエット」でも、「ローズマリーは思い出のための花」
 という一節が登場してきます。
 
花言葉は、「記憶」「想い出」「追憶」
 フランスの花言葉では「あなたが来てくれたので私の悩みが消え去った」

Barbara
 バルバラはキリスト教の聖人の一人。
 バルバラは3世紀頃、マルマラ海(トルコ北西部の内海)の畔のニコメディア地方の大商人
 ディオスクルスの娘として生まれました。キリスト教徒だった侍女の話を聞くうちにキリスト
 教に帰依した彼女は、父に内緒で洗礼を受けてしまいます。

 父・ディオスクルスは怒って娘に剣を振り下ろしました。バルバラは遠くの山に逃げますが、
 羊飼いが密告したので捕まってしまい、ローマ総督に引き渡されました。
 密告した羊飼いの羊は、全てイナゴになって逃げてしまいました。
 彼女は改宗するように拷問を受けますが、神の加護を受けたバルバラの傷は翌日には
 全て癒えていました。総督はバルバラを斬首する事に決めました。
 総督は、父親のディオスクルスに、自らの手で娘バルバラを殺すよう命令を下しました。
  この日、その命令に従い娘を処刑するのですが、その直後ディオスクルスは雷に打たれ
 亡 くなってしまいます。バルバラはまだ16歳だったそうです。
  総督に引き渡される日、バルバラは道端の桜桃(西洋実桜)の枝を獄中に持ち込みます。
 壷にいけておいた桜桃の蕾が、処刑の日に花を咲かせた伝説から、殉教日の12月4日は、
 バルバラの日とされ、桜桃の枝を壺にさす習慣が生まれました。

 クリスマス当日にこの花が咲くと、翌年結婚できるという言い伝えがあるのです。
 聖バルバラの日である12月4日に、桜桃と杏と林檎の枝をさして、
 桜桃の枝には「その人が私を愛してくれますように」
 杏の枝には「その人が若い人でありますように」、
 林檎の枝は「その人が裕福でありますように」
 と願い事を書いた紙を結んでおきます。
 クリスマスに花が咲いた枝の願いが叶うといわれています。

 また、この日に皿に入れた水に小麦を浸しておき、クリスマス頃の芽の出方で翌年の
 豊凶を占う風習もあり、これを「バルバラの麦」と言います。
 この日降った雪は「白い衣装のバルバラ」と呼ばれ、雪の量が多いと翌年は豊作になると
 言われています。
 
花言葉は、「精神美」「すぐれた美人」

Apple
  エデンの園の禁断の果実、ニュートンの林檎、ウイリアム・テルの林檎、白雪姫の林檎
 はたまた、NYの象徴であるBig Appleまで・・・
 林檎は昔から幸福や生きる喜びをもたらす果実として尊ばれてきました。
 昔の人々にとって、林檎は長期保存できる唯一の果物だった為に贅沢品でした。
 
 エデンの園でアダムとイブが口にした禁断の木の実・・・聖書にはそう書いてあるだけ
 ですが、いつ頃から林檎に限定されたのでしょうか?
 17世紀に、ジョン・ミルトンが『失楽園』の中で、その「木の実」を林檎として描いてからだと
 言われています。
 また、17世紀の初頭にアルザス地方では「クリスマスに色紙で作った薔薇の花や林檎や
 砂糖菓子などを飾った木を立てる」風習がありました。
 林檎を飾ったのは、ラテン語で「悪い」を意味するmalusの中性形、malum悪・災い・悪行
 
と、林檎を意味するmalumと、同じ綴りだったからだ、という説も有るそうです。
 善悪の知識の木とその果実と結びつけられている人間の罪は、12月24日の夜にイエスが
 この世に降臨する事で贖われるという信仰により、林檎を飾る風習が生まれたらしいのです。
 中世からルネッサンスにかけて描かれた聖母子像には、聖母マリアが左手で幼な児を抱き
 右手に林檎を持つイコン(聖画)や、聖母に抱かれた幼な児が林檎を手に持っているイコン
 が数多く残っています。ミルトンはそのような信仰や風習を踏まえて『失楽園』の木の実を
 林檎と表現したのかもしれません。
 
 北欧の冬の祭りサントュルナリアでは、クリスマスツリーの前身キッシング・ボウでも
 常緑樹に林檎を吊るして、神へ捧げていたそうです。
 クリスマスオーナメントの赤いボールは、この林檎の象徴と言われています。
 
花言葉は、「誘惑」「選ばれた恋」、「最も美しい人」「後悔」

Ivy
 アイビーは古代エジプトから神聖視されてきました。古代ギリシアではキッソス(Kissos)
 と呼ばれていました。
 この名前は 踊り狂って死んだ同名のニンフを酒神ディオニュソスがアイビーに変身させた
 という神話に由来します。
 クリスマスには実付きのものが使われますが、実には毒があるものの、外用としての薬効
 が信じられてきました。酔いを防ぐとされて葉の絞り汁を酒に入れて飲む習慣がありました。
 イギリスでは、今でも居酒屋の正面にアイビーの輪(これをbushという)を飾ります。
 また、葉にはフラボノイド、サポニン等が含まれており、皮膚に対して細胞の充血をやわらげ
 る作用と、植物の活性成分が皮膚に浸透するのを助ける作用をもつといわれます。

 一般の家の壁にアイビーをはわせるのは、雷や魔物をよける意味があるとされ、アイビーの
 茂る家は裕福の象徴ともみなされてきました。この葉が急に枯れ落ちたりすれば、破産や
 災難の前兆として忌み嫌われてきました。
 常緑植物のアイビーは、永遠の友情や愛、または霊魂の不滅や永遠の生の象徴として、
 結婚式や葬儀に用いられてきました。

 クリスマスに使われるアイビーはウコギ科のヘデラ(Hedera)。ヘデラとは、欧州キヅタの
 古代ラテン名なのだそうです。
 
花言葉は、「友情」「死んでも離れない」「永遠の愛」





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