私のつぶやき,ぼやき1号館
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1.歯医者さんへ|2.へそ曲がりの歯|3.悲願|4.年数回の愉しみ|5.交通ルール|6.当選と栄養不足|7.真珠湾攻撃|8.デビューはおあずけ|9.中学生と電気回路|10.朝9時のおでん|11.一時しのぎ|12.におわ納豆|13.来期の活躍を祈る|14.ゲルマニューーーーム|15.愛しのレ○クエンジェルス|16.今どきの商売
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今夏から,もうかれこれ4か月も歯医者にかかりっきりです。
歯医者さん。お願いだから,はやく私の奥歯の激痛の原因を突き止めて下さい。(2000.10.30)
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今日,「(激痛は)噛み合わせの問題かも知れない」といわれ,ほぼ30年もののエナメル質を少しだけ削られた。
もし痛みがひかなかったら,また別の視点から検討し直すという。
普段はちっとも痛くないのに,ものを食べる時に限って激痛が走る。
特定のスポットに食べものがはさまると,ズッキ〜〜ンと強烈な痛みが走るという感じ。
今日はまだ怖くて「実験」はしていない。
ただ,鏡をみながら,スプーンの柄の部分でカチカチ叩いてみると,確かにかすかな痛みを感じる。
が,しかし,歯医者さんに行って同じように叩いてみても,ちっとも痛くない。
へそ曲がりの自分の性格は十二分に承知しているけれども,どうやら私の場合は,歯まで根性が曲がっているらしい。
安心して食事ができるのは,一体いつの日のことなのか。。。(2000.10.31)
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授業が終わってすぐ,「あの,先生に教えてもらいたいことがあるんですけど」と,1人の男子生徒が歩み寄ってきた。
「なんだぁ? 私にわかるようなことかぁ?」というと,真面目な顔で,「はい。多分大丈夫だと思います」という。このいい方,何だか中学生クンに私の乏しい学力を見透かされているようで複雑な気分だったけれども,とにかく何が「教えてもらいたいこと」なのか,気になるので聞いてみた。
するとその生徒は,「あのぉ,アマチュア無線の免許をとりたいので…」という。教諭時代も含めて,もうかれこれ10年以上,中学校で教えているけれども,「アマチュア無線」という用語を生徒の口から聞いたのは,実は今日が初めてだ。
私もこれまで特に機会がなかったから,100W局と50W局の2局を運用しているとか(現在は免許期限切れ(^^;),電鍵はオーソドックスな縦振り以外に認めない,なんてことは,一切子どもたちにはいってこなかった。
まして,中学2年の時に,なぜかJARL技研の木賀忠雄OMのご自宅に泊めて頂いたことがあるとか,研究の関係で,Kenさんこと,元JARL専務理事の齋藤健OMも存じ上げているとか,高校時代は勉強もしないで,3年間ただひたすら無線ばかりをやっていたとか,子どもたちには一切話したことがない。
つまり,私がアマチュア無線に関わりがある(あった)ということは,子どもたちの前では一切口にしたことがない。
それが今回,いきなりこの私に「アマチュア無線の免許をとりたい」ときた。
局免が切れてから久しいが,そういうアマチュア系の「匂い」が,まだ私のどこかに残っていたのだろうか。少なくとも,理科の先生にお願いに行かなかったところが,この生徒の健全かつ賢明なところだ。
でも,「教えてもらいたい」って,もしかして,すでに忘却の彼方にある無線法規を詳細に教えてもらいたいとか,あるいは,最近試験問題に採用されたばかりの新技術を詳細に解説してもらいたいとかいわれたら困るなぁ,などと,一瞬のうちに色々と考えてしまった。
が,中学生クン曰く,「オームとかファラドとかだったら自分で何とかなるんですけど,ダイオードとかトランジスタになるとチンプンカンプンで…」(ママ)。
内心冷や冷やしながら次の台詞を待っていた私は,これでホッと一安心。そして,もう少しすれば授業でもある程度はやりますよ,それに今年は,特別にラジオの受信のしくみもやりますよ,といいたいところを押さえて,いかにもクールに,「実は俺,2アマなんだよ」と呟いてみた。
途端に生徒は,「えっ,2アマなんですか!」と,私に尊敬のまなざしを向けた――ようにみえた。すかさず,「うん。ま,たまたま高1の時にとったんだけどね」と,当時の「猛勉強」を隠して,いかにも軽い口調でいってのけると,「高1で2アマですか。へぇ〜,すごいですねぇ」と,期待通りの台詞が返ってきた。
私だって免許がない時には,電話級(現第4級)の人でさえ,雲の上の人のように思っていましたから,いきなり目の前のさえないエプロンおやじが2アマと聞けば,そりゃ,びっくりするでしょうよ。(笑)
で,「お願いできますか」というので,もちろん,「私でよければいつでもいいよ」と答えたのはいうまでもないのですが,その中学生クンが語るところによると,彼の父親,そしてそのまた父親と,2代続けてアマチュアの国試に落ちていて,泣く泣く開局を断念した経緯があるらしい。
世はコンピュータ全盛で,今やアマチュア無線に興味をもつ子どもなど,ほとんど絶滅したかと思っていたのですが,まだいたんですねぇ。こういう子どもが。しかも「丸暗記」しようとしないで,なんとか「理解して憶えよう」とする態度が,実に爽やかです。
それにしても親子3代の「悲願」とは,さすがに恐れ入りました。(2000.11.01)
訂正
「高1で2アマ」は私の記憶違いで,交付日付を確かめたら,正しくは,高1で電話,高2で電信,2アマでした。
結果的に中学生クンには,1年鯖を読んだことになってしまいました。許してくれ〜ぃ。(2000.11.03)
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授業(電気実習)中,ある女子生徒が,「先生っ! 大変です。もう駄目です!」というので,高校時代に21MHzのDX QSOで鍛えた流暢な(?)英語で, "What's the matter?" と尋ねてみると,「あ,先生,英語が話せるんだ!」。
間髪入れずに,「ま,こんな私でも一応中学を出てますからね」,と私。
こういう風景,1年に数回といったところでしょうか。(2000.11.01)
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夕刻,自転車で近所のスーパーに買い物に行く途中,私の進行方向からみて左手に折れている90度コーナーで,猛スピードでコーナーを曲がろうとしてきた高校生〜大学生らしきお兄ちゃんの自転車と,あやうく衝突しそうになった。
「この野郎!」とは思ったけれど,結局衝突しなかったのだからさっさとその場を行き過ぎようとすると,そのお兄ちゃんが,あたかも1km四方は届こうかという大声で,「こっちが『すいません』っていってんだから,そっちも『すいません』とか何とかいえよこの野郎!」と早口に怒鳴っている。
背後でその声を聞いた途端,頭の中でプチッと何かが切れるような音がした。
とりあえず,「ちょっと待てよ,あんちゃん」,と静かにいい放つと,10mばかりの距離をゆっくりゆっくり自転車で引き返して,元気のいいお兄ちゃんの前に立ちはだかった。
気持ちとしては今にも殴りかかりたいような気分だったけれども,住宅街のど真ん中だったこともあって,つとめて冷静に,「なあ,あんちゃん。私はしっかり左側を走ってきたけれども,今あんちゃんとぶつかりそうになった。ということは,あんちゃんはどっち側を走ってきたのかな?」と,相手の目をにらみながら問うてみた。
するとその若きお兄ちゃんは,野太でかつ無精髭をのばしたおやじに怖れおののいたのか,私の問いには答えずに,いきなり低姿勢で,「すいません! すいません!」と謝りだした。こういう「豹変男」は,昔から大嫌いだ。
普段から私の声はそんなに高くはないけれども,「怒り爆発」という状態を辛うじて押さえていられる時には,普段にも増して周波数が低くなり,かつ音圧が増大する。生徒なら,このことはよく知っているはずだ。
ま,それはともかく,このお兄ちゃんはまだ私の質問に答えていなかったから,「なあ,どっち側を走ってきたんだい?」,と再び尋ねてみた。お兄ちゃんは,「まずい相手と関わりになってしまった」とでも思ったのか,「すいません! すいません!」の連呼状態になってしまった。
しびれを切らした私の方が大きな声を上げそうになってしまったけれども,このお兄ちゃんに限らず,東京人の自転車のルール認識が「異常」であるということをどうしてもわからせたくて,仕方ないから,あまり得意技ではないけれども,ネチネチと追求する攻撃に出た。
「おかしいなぁ。小学生でも答えられるはずだけどねぇ。ま,いいや。対面する方向でお互いに走ってきたんだから,私が左側をきたとすれば,どう考えてもあんちゃんは右側を走ってきたことになるよねぇ」
「……は,はい。すいません,すいません」
「でも,そうするとおかしくないかい? 自転車って,どっち側を走らなくちゃならないんだっけ?」
「は,はい。右が…じゃなくて左側です」
「そうだよねぇ。でも,あんちゃんは右側を猛スピードで走ってきた。だから私とぶつかりそうになった。それに気になるのは,さっき,いかにも私が悪いという感じで,『「すいません」とか何とかいえよ!』とかいってたよねぇ」
「……す,すいません,すいません」
「私が何か悪いことでもしたかな?」
「あ,すいません! すいません!」
「交通ルールを守ってなかったのは,私とあんちゃんのどっち?」
「……」
「それに,もうこんなに暗いのに,ライトはどうしたのかな,ライトは?」
「あ,はい。つけてるけど,ちょっと調子が悪くて…」
(言い逃れだとわかっていながら)「ふぅ〜ん。そういうの,もしかして『整備不良』っていうんじゃないかな?」
「あ,はい,すいません,そうだと思います」
「整備不良の自転車って,乗っていいのかな?」
「あ……はい」
さすがに私も馬鹿馬鹿しくなってきて,ここでお兄ちゃんに,「いいよもう。行きなさい」と「お許し」を与えたけれども,しばらくするとそのお兄ちゃんの後ろ姿は,再びしっかりと道路の右側に見えるのでした。
東京に出てきてすぐに気づいたけれども,このお兄ちゃんに限らず,東京人の自転車乗りのルールは「異常」である。とにかく,実態としては,右側を走るのが「普通」らしい。
若者も,老人も,子どもの補助輪付自転車を後方にしたがえた若い母親も,はたまた,お世辞にも洗練されたデザインとはいいがたい,白色のごつい「公用自転車」にまたがる警察官でさえも。
田舎ではまず間違いなく「停車→職質」の憂き目に遭う「傘差し運転」も,東京ではごく日常的な風景だし,深夜で真っ暗だというのに,無灯火ではなくて,ライトをつけて公道を走っている自転車を探すほうが難しいし,信号機のない十字路では,交差道路の車両状況も確認せずに,ごく当たり前のように「巡航速度」で進入し,涼しい顔して走り去って行く。
そして彼ら・彼女らはみな一様に,左側通行を遵守する私とぶつかりそうになったり,あるいは運悪く軽い接触事故を起こしたりすると,都会人らしい,自信に満ちた,通りのよい声で,いかにも私の方が悪いといったいい方で責める。
「自転車通行可」の標識のついた狭い歩道を「逆行」してくる東京人も,それこそ星の数ほどいるけれども,私の自転車とすれ違う時には,彼ら・彼女らは,まず滅多に,自分からは積極的な回避行動をとることはしない。左側通行している私の方が,「異常進路」をとってくる彼ら・彼女らの対向自転車のために,わざわざ一時停止して,通行スペースをあけてやらなくてはいけないという馬鹿馬鹿しさだ。
そして,いかにも当然といった顔で,悠々と通り過ぎていく。こんなことってあるだろうか。
予期せぬニアミスの際には,実はさらに厄介な問題がある。
私らのような田舎者は,学校・地域・家庭を問わず,「人は右,車は左」というように,幼少時から交通ルールを徹底的に叩き込まれているから,自転車の場合は左側通行が身体の芯から身についていて,万一有事の際には,反射的に,進行方向の左側に回避行動をとる癖がついている。ところが東京人の場合は,どういうわけか右側通行に馴れきっていて,有事の際には反射的に,進行方向の右側に回避行動をとる癖があるらしい。
こうなると,私のような田舎者と東京人とでは,相対的に同じ方向に回避行動をとろうとするから,より接触事故が起きやすいような状況に,自然に陥ることになる。事実私は,月に数回,ほぼコンスタントに,そうした状況に遭遇する。全く,危険きわまりない。
私もそろそろ限界だから,そのうち近所の交番のお巡りさんにでも,「ご質問」にうかがうつもりだ。「すいません。つかぬことをおうかがい致しますが,自転車は道路のどちら側を走ればいいのですか?」と。
果たして,わが街の頼りになるお巡りさんは,この質問にどう答えてくれるのだろうか。(2000.11.03)
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当たった。郷ひろみ with ハイパーGO号がCFで宣伝した「○ップスターGO!GO!キャンペーン」の商品が当たった。つまり,カップラーメンの消費者プレゼントに当選したのだ。当選商品は「オリジナルGO!GO!ブルゾン」だ。
私らの年代だったら「ジャンパー」,うちの田舎では「ジャンバー」が一般的ないい方だけれども,ま,この際そんなことはどうでもいい。とにかくブルゾンが当たった。
全体が真っ赤っかの赤一色で,首筋のところに白で「GO!GO!」と小さくプリントされている。薄手で,裏地はついていない。
時期的にもデザイン的にも,今これを着て街中に出るのは少々勇気がいるような気がするけれども,試しに次の授業ででも,何食わぬ顔で着てみようとも思っている。中学生は,一体どういう反応をするだろうか。(苦笑)
早速,わくわくしながら袖を通してみる。う〜んマンダム(^^;,私にぴったりだ。嬉しいなぁ。
実は,私は昔から,こういうプレゼントものにはほとんど当選したことがない。ついこの間までは,遙か30年以上も前に,「アニマル1(ワン)」というレスリングもののアニメの視聴者プレゼントに(親を通して)応募して,「アニマル1・チャンピオンベルト」とかいう,ほとんどビニル製の,真っ黄っ黄の薄っぺらいベルトが当たったきりである。
当時はそれでも嬉しくて,近所の悪ガキ連中と,缶蹴りとか隠れんぼとかヒーローごっことかをする時には,必ず身につけて参加していた。時には,正義の味方のチャンピオンベルトをしているのに,なぜかヒーローごっこで悪役をつとめることもあった。そして私の記憶が正しければ,そんな私のチャンピオンベルトに羨望の眼差しを向けた悪ガキは,誰一人としていなかった。
そういえば,私は仮面ライダースナックのアルバムにも縁遠かった(応募・抽選ものだったのか,今となっては少々自信がないけれど…)。いつも友だちのもっているものを,指をくわえて,ただ羨ましそうに見ていただけである。私は本当に当たらない男だったので,つい最近まで,「当選発表は商品の発送をもってかえさせて頂きます。」というプレゼントに対しては,「実際には送ってないんじゃないのか〜?」と懐疑的にさえなっていたところだ。
それがどうしたわけか,今回のブルゾンが,今年に入って2つ目の当選品となった。1つ目は,「ピアノよりも音程が正確だ」と評された,歌手の藤山一郎氏がその昔CFでご宣伝あそばされていた「ス○ャータ」のマグカップ&コーヒークリームが1月に,そして2つ目が,今回の派手派手ブルゾンだ。
もしかすると,こんな私にも,齢37にしてようやくツキが回ってきたのだろうか。もしそうだとしたら,プレゼントに当選するのもいいけれど,もう少し別の方面で,例えば,研究が飛躍的に進んだとか,「どうしても私と結婚して下さい」という女性が後を絶たないとか,そういうことでツイてくれればいいのになぁ,とも思ったりする。
ま,とにかく,ド派手ブルゾンは次の授業に着て行こう。(笑)
ところで,送られてきたブルゾンには,「ご当選おめでとうございます」と大々的に書かれた御礼の紙片が1枚同梱されていて,その本文は,「平素は弊社製品に格別のご愛顧を賜り,厚く御礼申し上げます。」(下線は引用者)という書き出しから始まっている。
社交辞令だとわかっていながらも,私の場合は本当に「格別」に「ご愛顧」しちゃっているから複雑な心境である。今回のプレゼントにだって,実際には相当数の応募はがきを出している。いや今回に限らず,これまでだって,確率論の教えにしたがって,どれも「数」で勝負してきたつもりだ。そしてその多くは,カップラーメンとかレトルト食品,缶ビールなど,語弊があるかも知れないけれども,あまり健康的とはいい難い食品,飲料類だ。
当選したこと自体は本当に嬉しいけれども,そろそろ栄養不足のツケが回ってくる頃なのかも知れないと考えると,さすがの私も,複雑な上に複雑な心境である。(2000.11.05)
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今日は,某都立病院の歯科口腔外科に出かけた。9月の初めに,「歯根膿嚢」という顎骨の中にできた膿を,外来手術で摘出してもらったところだ。
余談だが,ここにいるのは「歯科医師」ではなくて「医師」だ。奥歯の激痛の治療とは別に,私は現在も,術後の経過観察のためにこの病院に通院している。
私の主治医は寡黙な人である。チラっと診察すると,私が根ほり葉ほり尋ねない限り,あまり説明などしないで,長い時間,カルテに何やら一所懸命に書き込んでいる。歳は,私と同じくらいにみえる。
「まだ少し疼くんですが,大丈夫でしょうか?」,「う〜ん……確かに……少し赤いねぇ……」。「大丈夫でしょうか?」,「う〜ん……」。「再発しますかねぇ?」,「う〜ん……することもあるし,しないこともあるし……」といったきり,あとはボールペンを走らせる。
しばらくして,「どれくらいの期間がたてば,再発するかしないか,わかりますか?」,「う〜ん……1年とか2年とか……もっと長い期間とか……人によっても違うから……骨だし……ばい菌だし……」。
寡黙な上に,苛々するほど当を得ない回答である。
こんな主治医だから,もう2か月以上も通院しているのだけれども,一度も笑ったところをみたことがない。いや,診察する態度からは,「この人は笑ったことのない人なのではないか」,とさえ思わせる。
診察台の上で天井を眺めていると,ポールペンをおいた主治医が,「……で……今度は……(しばし予約一覧とにらめっこ)……12月8日の,9時半で……」,「ええと…,はい,大丈夫だと思います」。
「じゃ,またその時に」。そういうと主治医は,次の患者を呼ぶように看護婦に指示して,私の目の前からさっさと立ち去ろうとする。
私は,「逃がさないぞ」とばかりに,すかさず,「真珠湾攻撃ですね?」と,背後から囁きかけた。
主治医は,一瞬「えっ?」というような表情をして振り返ったけれども,数秒の後には何のことか気づいたらしく,「古いですね」などと,あまりセンスがあるとも思えないつっこみを返しながら,女性にだけは向けないでほしいと思うような嫌らしい脂ぎった表情で,ニタニタと静かに笑いだした。
診察開始から2か月あまり。これが,初めてDr.Sが笑うのをみた歴史的な瞬間になった。(2000.11.07)
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今日は中学校でお仕事の日。すなわち,件のド派手ジャンパーのデビューの日,となるはずだったが,単車で通勤する私には,朝の空気が少々冷たかったので,残念ながら堂々デビューはならなかった。
来週があるさ来週が。(2000.11.08)
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私の指導もよろしくないのかも知れないけれども,最近の中学生は,電気や電気回路といった概念が,以前と比べても格段に乏しいようだ。基礎的,いや生活常識的といってもよいようなレベルの概念さえ疑わしい。一体,家庭教育や小学校教育はどうなっているのか,と文句の1つや2つもいいたくなってくる。
とはいえ,それまで知らなかったことを覚えさせるのが,仮にも学校教育活動の使命の一端にあるとするならば,腹は立つけれども,単純に文句ばかりもいってはいられない。知らなかったら学んで覚えればいいし,理解するようにこちらが仕向けてやればいいだけだ。複雑な議論を抜きにすれば,学校教育なんて所詮そんなものだろう。
しかしそれにしても――である。電気や電気回路といった概念に極端に乏しいから,時には,驚くべき,大胆な行動をとる子どもが出現する。今日もまた,そんな1人と遭遇した。
製作実習に使うためのはんだごてを組み立てていたある女子生徒が,「できたんですけど…」と申し出てきた。「完成試験はしましたか?」と尋ねると,まだだという。
そこで他の生徒にいうのと同じように,「テスタで完成試験をして,本当に出来上がっているのかどうか確かめて下さい。試験の結果は必ず報告して下さい」というと,その生徒は教卓からテスタを1台持ち出して,隣の女子生徒の助言など得ながら,完成試験に取りかかった――と思ったら,まず初っぱなから,とんでもない行動に出た。
ご承知のように普通のはんだごては,こて先がヒータ部にビスで固定される仕組みになっているけれども,この女子生徒は,メンテナンスフリーのピカピカのこて先部分と,その固定用のビスとに「べたっ」とテスタ棒をあてがい,指針の挙動をうかがい始めた。
「!!――」。私もさすがにこういう風景は初めて目にする。冗談かとも思ったけれども,テスタをみつめる眼差しは,どうやら真剣そのものである。「動いてる」とかいっている。そ,そりゃそうでしょうよ。
ちなみに,電気回路については1学期のうちに,簡単ではあるけれども,一応の学習は済ませている。『学習指導要領』では扱わないことになっている回路定数の計算も,お馴染みのオームの法則を中心に,入門的なレベルながら学んでいる。
いくら御上が「(計算は)扱うな」といっても,これをしないと,電力や電力量といった概念になかなかつながらないだろう(というより無理だろう)し,そうなると,屋内配線についても(これは「扱え」ということになっている(^^;),一定程度無味乾燥に行わなければならなくなる。
つけ加えておくと,彼ら・彼女らは,1学期のうちに回路定数の測定実験も行っている。備品の関係上,テスタで測定しなければならないというインチキ測定だけれども,抵抗値や電源電圧の測定に始まって,自分たちで簡単な回路を組んで,形ばかりの電流測定も行っている。これに関しては,後日各自にレポートも課して考察させ,彼ら・彼女らの知識・概念を私なりに把握し,訂正・強化したつもりだ。中には5回目の提出でようやくOKをもらった生徒もいる。また,絶縁試験や導通試験については,1学期末試験の問題にも取り上げた。
こうした学習を一応経ているはずなのに,この有り様である。全く,私も腰が砕けそうになる。
丁度他の生徒の質問を続けざまに受けていて,その女子生徒から目を離していた私は,しばらくして,軽い短絡音と同時に,「あっ!」という叫び声がしたのに気づいて,その方向に向き直った。もちろん,「やってくれたなぁ〜,やれやれ (^^;;」という気持ちで,である。
説明するまでもなく,短絡音も叫び声も彼女から発せられたものである。つまり,やってしまったのである。
「完成試験の結果を私まで報告にきていない人は,『絶対』にプラグを差し込まないこと。大爆発するかも知れないぞ!」と,一応脅してはいたけれども,何人かの生徒は,完成試験さえせずにとっととプラグを差し込んでしまい,ヒータ(から出ている裸のリード線)をおじゃんにしてしまう。彼女もまたその1人――とその時は思っていた。
さて,当の女子生徒の弁明によると,「テスタで測ったら電気通ってたもん」という。どうやら彼女なりに完成試験も終え,一応の自信はあったらしい。ただ,私への報告義務だけは怠っている。報告の時点で私も確認するから,普通は水際で失敗をくい止めることができる。
しかし,この「電気通ってたもん」という台詞が,いかにも怪しい。先の「こて先−ビス間測定事件」もみているから,彼女にまず,「どういうふうに測定しましたか?」と聞いてみた。教育的にみれば,失敗も,理解へと導く絶好のチャンスだ。
そうすると,「まずコンセントの間を測って――」ときた。すかさず,「ほぅ,じゃぁ100ボルトくらいあったでしょ?」,「?!――」,「それ,コンセントじゃなくて『プラグ』ね『プラグ』」。
ま,この関係については大人でも結構いい加減な人はいる。それより「こて先−ビス間測定」のままに終わっていなくて,私も少しだけ安堵した。
「で,プラグの端子間を測ったら,どうだったの?」,「はい。針がしっかり『ミギハジ』までいってたから,一応できてたことはできてたと思うんです」。
ふむふむ。人はそれを短絡(ショート)という。しかも1学期末試験の引っかけ問題と,ほとんど同じ内容の弁明だ。悲しいくらい身についていない。
「なるほどぉ。『ミギハジ』って,何オームだっけ?」,「ええと…(メータを確認しながら)…ゼロ? オーム?」,「そうだねぇ。じゃ,そもそも『抵抗』って何だっけ?」,「ええと……電気の流れを邪魔しようとするもの」,「うん。1学期にやったよねぇ。で,邪魔しようとする大きさがゼロということは? どういうこと?」,「……」,「何も邪魔してくれない,ご自由にお通り下さいってことは?」,「……抵抗がない?」,「そうそう。抵抗がない状態だよねぇ。抵抗(ヒータ)をつけてるのに抵抗値がない。つまり,あなたのはんだごては,回路のどこかでショートしてたことになるよね」。
「え〜っ」と女子生徒は悲痛な声をあげながら,私の「もう1度ばらして,どこがショートしてたのか突き止めて下さい」という言葉にしたがった。
と,ここまではよくある話。びっくりしたのは,彼女がはんだごてをばらし終わった時だった。
中学生の場合,普通はヒータリードの絶縁が不完全で短絡したり,プラグ内部で導線同士が接触したりと,はんだごての短絡の原因は,およそこんなところだ。ところが彼女の場合は違っていた。
ヒータリードは裸線になっているから,これにエンパイアチューブ(綿糸編管)をかぶせて絶縁しなければいけないのだけれども,彼女の場合は,ヒータリードにチューブをかぶせていないばかりか,ご丁寧にも,しっかり根元から裸線を2本撚り合わせた状態になっていたのだ。そんな指示は私もしていないし,付属の説明書にだって,さすがに書いてはいない。これでは短絡しない方がおかしい。
しかも他の生徒のような不意の短絡とは異なって,撚り合わせ部分のプラグ側に近い方で短絡して断線しているから,ヒータリードを指定の長さに切らずに,そのまま「根元から」撚り合わせた状態にしておいた彼女のヒータは,リード線が2〜3mm断線しただけで,事実上は何の被害も受けておらず,交換しないでも済んだという幸運だ。
それにしても,このように前代未聞の配線を行った彼女の場合,電気について一体どういうとらえ方をしているのだろうか。気になったので,修理作業が終わるのを見計らって,ちょっと聞いてみた。「ねぇ。この状態(ばらした状態)で,電気がどこをどう通るのか,わかる?」。
すると彼女は,きっぱりと,「このままじゃ通らないと思いますぅ。だってまだケースつけてないもん」。
そうか,そういうレベルだったのね。(-_-;; (2000.11.08)
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某コンビニエンスストアに朝の9時頃に入ったら,普段は仏頂面でフォーマット通りに応対する店員さんが,今日に限って気持ち悪いほどの笑顔で,「おでんはいかがですかぁ〜。あ〜ったかいおでんはいかがですかぁ〜」と,声を張り上げて叫んでいる。
申し訳ないけど,朝の9時からおでんを食べてる人って,私,みたことないんですけど。(2000.11.09)
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さて,私の奥歯の激痛の件だけれども(1,2参照),今日,原因が何とか2つにまで絞られた。
噛み合わせの問題も視野に入れつつ,考えられる原因は,1つには,私のエナメル質が極端に薄くて,象牙質に近接ないしは到達している可能性があるということ,2つには,私のエナメル質の一部がピンポイントでクラッシュしていて,同様に象牙質に近接ないしは到達している可能性があるということ,らしい。どちらも素人の私が聞く限りでは,十分に可能性がありそうな気がする。
実は先週,痛みを発する歯の溝の部分(臼歯表面にある十字形の溝)に,試みにセメントを塗ってもらったら,ぐらぐら感や冷水のしみる感じは残っているけれども,あの飛び上がるような激痛が嘘のようになくなった。このことから推定される原因だという。
が,この段階に至って,さすがに歯医者さんも慎重になったようだ。痛みがなくなったのならば,下手に治療などするよりも,このままセメントを塗布した状態のままの方がよいのではないか,といいだした。
先週の段階では,「もしセメントを塗って効果があるようだったら,その部分を削って金属を埋めましょう」ということになっていた。実際に効果があったわけだけれども,歯医者さんにしてみれば,そうなると「歯科学的に健康な歯」に治療を加えることになるわけで,どうも気が進まない様子だ。
問題の歯は,これまで複数の歯科医師,口腔外科医師に診察してもらったけれども,どの先生も,虫歯でもなく,歯周病でもなく,X線撮影の結果でも異状がみられないと仰る。察するところ,そんな「健康な歯」に治療を加えて万が一効果がなかったら,という思いもあるのだろう。
それで現在,私の奥歯はどうなっているかというと,先週の段階と何らかわりなく,溝の部分に硬質のセメントが,十字架状態で塗布されているのみである。「(セメントは)5年くらいはもちますから」という言葉に一気に安心して,私も歯医者さんの「提案」にしたがうことになった形だ。あとは,また痛みが出てきたりした時点で通院すればいいらしい。つまり,本日をもって通院は一旦終了ということだ。
かなりの期間,かなりのレベルで悩まされ続けてきた激痛から解放され,加えて,帰り際に歯医者さんに,「あ,ホームページ見させて頂きましたよ」などと声をかけられたこともあって,私は,心晴れ晴れ,浮き浮き状態で帰宅したのだけれども,でも落ちついて冷静に考えてみると,これって,単に「一時しのぎ」に過ぎないのではないでしょうか。
このホームページをご覧になって下さっているという歯医者さん。本当にこれでいいんでしょうか。根本的な問題解決になってないような気が,しないでもないんですけど。(2000.11.13)
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に,においのしない納豆なんて……。気の抜けたビールとか,溶けてどろどろになったアイスクリームとか,説教をしなくなった金八先生と同じで,そんなの納豆じゃないと私は思いますぅ。(2000.11.15)
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薄手のジャンパーで単車に乗るのは,そろそろ厳しい時節になってきたようだ。ということで,せっかく当たった例のド派手ジャンパーのデビューも,どうやら来年になりそうな気配です。
主催者様には,当たっておいてこんなことを申し上げるのは大変恐縮なのですが,ジャンパーに限らず,発送時期(季節)に見合った商品でないと,せっかく頂いても使えないということを強調しておきたいと思います。(2000.11.15)
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授業で真性半導体(intrinsic semiconductor)について説明している時,「いいかぁ,こういう人必ずいますけど,『ゲルマニウム』を『ゲルマニューーム』と書いたら試験で×にしますよ。『アルミニウム』と書いて『アルミニューーム』と発音するように,『ゲルマニウム』と書いて『ゲルマニューーーーム』なんです。これは専門用語ですからね」と板書しながらやや大袈裟にいうと,すかさず,「『ニューーーーム』って伸ばし過ぎだから駄目なんですか?」とつっこみが入った。
時々,思いもよらない子どもたちのものの見方に,驚いたり,感心したり,逆にこちらが学ばせてもらったりすることがあるけれども,今日のはさすがに笑ってしまった。私の強調のしどころが,逆に裏目に出てしまった形だ。(笑)
そういえば,数年前のある研究会の予定表に,大真面目に「シンポジューム」と書いてあって,苦笑したことがあった。この予定表を作成したのは,博士号をもつ某大学の大学院教授で,私もよく知っている人だ。
「シンポジウム」がどの分野の専門用語になるのかは私も知らないけれども,大学院教授の博士様が「ジューム」と書くくらいだから,「ゲルマニューム」くらいは大目にみてもよいのかも知れない。
もっとも,「×にしますよ」と脅すのはいつものことであって,これまで「ニューム」と書いたからといって,本当に×にした生徒はおりません。(笑)
ちなみに,天下のNHKのアナウンサは,「コンピュータ」と原稿にあると,本当に「コンピュータ」と発音しますけど,あれは本当は,「コンピューター」と発音しなければいけないところです。が,この指摘には,NHK内部の研究セクションが,どうやら言語学的に屁理屈をこねているらしい。
そういう問題じゃないと思うんですけどね。(笑)(2000.11.15)
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「ほのぼのレ○ク」のCFに登場する「レ○クエンジェルス」。「イ」のポーズをとる人だけ,CFの途中でポーズが崩れてしまいますねぇ。
やっぱりつらいんでしょうね,あのポーズ。
それから,かけ声をかける時,「ク」の人だけ,ちょっと力み過ぎのような気がしますけど,私の勝手な思い過ごしでしょうか。
それにしても,「ほのぼの」って,ちょっと実態とかけ離れているような気もしますけどねぇ。同級生もつとめているから,あまり大きな声ではいえないんですけれども。(2000.11.19)
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日曜日だというのに,9時前に電話でたたき起こされた。私はといえば,夢の中で,金髪兄ちゃんたちに絡まれているうら若き女性を,ちょうど助けに入ったところだった。昔ならばともかく,最近では久しぶりの「自分だけ都合良くヒーローもの」だった。ドラマはこれからだったというのに,まったくぅ。(-.-)
不快になりながらも電話をとると,「シバタトオルさんのお宅でしょうか」と私の氏名を確認した後で,「今,20代の若い方々を対象に,テレビ朝日の『ス○ープ21』のアンケート調査を行っておりますが,3分ほどでよろしいですので,ご協力頂けませんでしょうか」ときた。声からすれば,18〜19歳くらいの,アルバイトの女子大生といった感じだ。
寝起きのガラガラ声で,「あのぅ,私30代なんですけれども…」というと,「ええ,ですから20代の方々を対象にしておりますので,1つご協力を頂けませんでしょうか」という妙にトンチンカンな台詞が返ってきた。なかなか面白いことをいうおねぇ〜ちゃんだ。
私はといえば,別に夢の続きを引きずっていたわけでもないけれども,せっかくたたき起こされてしまったのだし,これからもう1度寝るという時刻でもなかったから,30代で本当にいいのか?という疑問は残っていたけれども,とりあえず「ご協力」差し上げることにした。だいたい悲しい哉,こんな時でもなければ,推定20歳前後のうら若き女性と,1対1でお話する機会などない。
質問は一問一答で,例えば,石原都政を支持するかとか,石原慎太郎氏,森嘉朗氏,加藤紘一氏,小泉純一郎氏,山崎拓氏などの政治家の中で,どの人物なら日本を任せられるか,というような怠惰なものだった。だいたいそんなことを聞いてどうなるのか。察するところ,特に石原氏や石原都政を,20代の若者がどう考えているのかということを知りたがっているようにも思えた。
こういっては何だけれども,局側が作成したと思われる質問内容が,実際には答えようのないものだったり,あるいは質問紙法的に明らかに不適切なもの(誘導尋問や,回答者の意思をストレートにくみ取れないもの)であったりと,アンケートの質としては決して褒められたものではなかった。TV番組などで,自社・自番組調べとして何らかの数字を発表することがあるけれども,それらの数字がこうしたアンケートによって作り上げられているのかと思うと,少なからず幻滅する。
それでなくとも放送局には,超有名大学を卒業した「学校エリート」たちが多数就職しているはずだし,理系だったならばともかく,文系だったならば,どこかで質問紙法のイロハくらいは学んでいることだろう。嗚呼,わが国の大学教育は一体どうなっているのか……。
いや,そうじゃない。
今回私がぼやきたいのは,そういうことではない。
「ス○ープ21」の電話アンケートは別にしても,東京に住むようになってから,電話による勧誘・営業の多さに甚だ閉口している。例えば,「○○霊園ですが,お墓のご紹介を…」,「△△結婚サービスと申しますが,今週末にお近くの◇◇ホテルで,自由参加・参加費無料のパーティを行いますので,是非ご参加を…」,「**ホームですが,今格安の住宅のご案内を…」,「**工務店ですが,開店記念として,今なら無料で屋根の点検を行っておりますが…」,「原宿の☆☆画廊と申しますが,○月×日まで◇◇画伯の個展を開催しておりますので,そのご案内を…」などといった具合だ。
あまりにもうるさいから,一時は留守番電話が作動して,相手を確認してから電話に出るようにしていたくらいだ。ナンバー・ディスプレイも,本気で検討しようかと思った。
中には,かわいそうになるくらいたどたどしい日本語で,「こにちわぁ。シンジュクの××英会話schoolの○○でぇ〜す。◇◇と呼んでくださぁい。今,サンジュー代,ヨンジュー代の,カイシャインの人たちのためにぃ,英語のムリョー受講serviceを,行っていまぁ〜す…」なんてのもあった。会社側が,日本人よりも外国人の方が効果があるとでも思ったのか。
この電話は女性だったけれども,その後の日本語がさすがに意味不明だったので,仕方なく,「Excuse me, madam. I can't understand your Japanese mostly. So please talk to me in English at ease.」とお願いすると,さすがに喜んでいろいろと話をはじめた。仕事で英語を使う機会も増えるだろうから,日常会話程度は身につけておいた方がいい,だから今回の無料受講サービスを受けなさい,といった主旨だったと記憶している。これを全て英語で聞いていて,かつ英語で質問するような相手に,日常会話程度の英語講習を受けませんかというのも,何だか妙に滑稽な話だ。丁重にお断り申し上げたのはいうまでもない。
いや,違う。
私がぼやきたいのは,そういうことでもない。
「ス○ープ21」の場合は違うような気がするけれども,上の英会話スクールの場合もそうだったし,他の多くの勧誘・営業目的の電話がそうであったように,電話で話をしていると,私に関する個人情報の一部が,相手側に事前に知られていることに気づかされる。
例えばこうだ。「はじめまして。○○霊園と申しますが,今,格安のお墓をご紹介をしているんですが…」,「すみません。まだ学生なもので」,「えっ!?……でも30代後半でしたら,そろそろお考えになられてもよろしいのではないかと…」。
「突然失礼致します。△△結婚サービスと申しますが,今週末にお近くの◇◇ホテルで,自由参加・参加費無料のパーティを行いますので,是非ご参加を頂きたくてお電話を差し上げたのですが」,「は〜ん。申し訳ございませんが,まだ大学生なものですから」,「えっ!?……失礼ですが,おいくつでいらっしゃいますか?」,「37ですが」,「そ,そうですよねぇ」。
こんな具合に,主に年齢が先にバレていることが多い。中には,私が学生だと聞くと,一転して「あ,そぅ。まだ学生? で,何勉強してるの? 大学生? 専門学校生?」とか,どう考えても私よりも一回りは年下であろうと思われるような男から,ため口で問いかけられることもある。もっとも,そういうやつに限って,こちらがご丁寧にもいろいろとお答え申し上げている最中に,思い切り「ガチャっ!」と受話器をおいたりする失礼さを備えている。
個人情報といえば,いつだったか,住宅の営業か何かの電話がかかってきた時に,年齢と職業を尋ねられて,「見ず知らずのやつにどうしてそんなことをいわなければならないんだ」と憤りを感じながら,皮肉たっぷりに,「はい。そちらでお持ちのデータで,おそらく間違いないんじゃないですか?」と答えたら,相手が本当にデータをもっていて,年齢とアルバイトの職種を見事にいい当てられたことがあった。逆にこちらがびっくりしてしまった。
こういうことがあると,一体私の個人情報は,世間にどの程度流出しているのだろうかと気になってくる。全く流出していないなんてことが,今の時代にほとんど考えられないことは承知しているし,個人情報の勝手な提供を生業とする会社もあるらしいし,それにこうして拙いホームページも設けているくらいだから,一定の範囲で流れていることは否めないのだろうけれども,実際に一面識もない男から,電話口でいきなり,「37歳ですよねぇ」といわれることほど,気持ちの悪いものはない。
逆に,どうせ私の個人情報をつかんでいるんだったら,ついでに,汚いアパートに独り暮らしで,定職もなく,かつまだ学生であるというところまでつかんでいてくれれば,私としては何とありがたいことか。もしそこまで知っているのならば,少なくとも私が不快になるような,お墓,お見合い,新居,リフォームなどといった関係の勧誘は,激減するに違いない。
それより何より,そもそも私には,電話で勧誘・営業をするという感覚がわからない。そういうものは,いつの時代も,実際に面と向かって行われてきたものではなかったのか。大規模なアンケート調査ならともかく,顔を見ない/見せない交渉では,相手に失礼だとは思わないのだろうか。こちらの都合の如何に拘わらず,半ば強制的に行われる電話での勧誘・営業活動には,応対する者の失礼さもさることながら,私はこうした点でも大いに反感を抱いている。「電話で申し訳ございません」などという台詞はたったの1度も聞いたことがないし,どうにも彼らの商売には誠意がないような気がしてならない。
そういえば少し前,「東○電話」の勧誘が一時期相当激しかったけれども,こんな具合だった。「今ならタダで市内通話がお安くなります。諸費用は全くかかりません」。
どこかの詐欺まがいの勧誘じゃないんだから,もし本当にそうだったとしても,いわれた方は十二分に警戒します。同じことを伝えるにも,もっと別のいい方をするべきでしょう。論点が違うかも知れないけれども,私のような田舎者には,そういういい方は逆効果以外の何ものでもありません。少なくとも,「加入・登録料として1件につき1,000円だけかかるのですが」といわれた方が,もっと真実味があるというものです。うまい話には裏がある,というのは世の常です。
もっとも,今では詐欺ではないということがわかっているので,もし「東○電話」さんが自宅にまで営業にきて,タダのからくりを詳細に説明する気があるのなら,入ってあげてもいいぞ〜。(笑)(2000.11.19)
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