平成22年12月から平成23年11月までの1年間に、突発性難聴ハリ治療ネットワークの治療院でハリ治療を受けて健常化に至った突発性難聴等の健常化例は214例に達しました。前年度の197例と比較すると8.6%の増加です。長年にわたって「少ない治療回数で高い治療効果を出す治療法」を模索してきましたが、本年は「集中漸減療法」が効果を挙げました。これは、病院のステロイドパルス療法にヒントを得て開発した治療法で、1日目に4回の治療を「4ステップス療法」で行います。すなわち、緊張することなくハリに慣れていただくために最初の4回の治療を少しずつレベルアップしていく方法で、1回目はハリの本数を少なく刺してすぐ取り、2回目は少し本数を増やして5分間置鍼、3回目はさらにハリの本数を増やして10分間置鍼、4回目はさらに本数を増やして20分間置鍼し腰のツボにもハリをします。ハリ治療は1日1回という既成概念を取り去った思い切った集中治療が、結果的に「少ない治療回数で高い治療効果を出す」という目的を遂げつつあります。
また、「加齢に伴う難聴」と「機能性難聴(心因性難聴)」にはじめて健常化例が出て、ハリ治療の適応範囲を一段と広げた年となりました。「加齢に伴う難聴」はこれまで不治とされてきましたが、早期に軽度の段階でハリ治療を開始すれば健常化も可能であると分かりました。今まで諦めていたたくさんの加齢に伴う難聴の皆様に朗報となると思います。また、機能性難聴健常化では3人のうち2人がスケールアウトでしたが、何回かの治療後突然正常に聞こえるようになりました。10代20代で突然のスケールアウトになる難聴はウイルス性難聴のほかに機能性難聴も疑ってみる必要があるかもしれません。機能性難聴は耳鼻科で治療不能と言われるケースも多いようですが、ハリ治療ではこれまでのところ100%が健常化していますから、ハリの最適応症となるかもしれません。
そして、もっとも力を入れているのは一旦健常化した方の再発予防です。今年も再発が危ぶまれた症例において1日か2日の集中治療によって再発を防止できた例が相当数に上りました。それに伴って、健常化後の順調な時にも月1回の治療を続ける「再発予防プログラム」に取り組む患者さんが増えてきたのもうれしいことでした。
【データ収集の対象】
突発性難聴をはじめとする耳の症状を主訴として、突発性難聴ハリ治療ネットワーク参加治療院で受診、健常化なさった患者さんの症例を集計した数です。 |