とあるパーティに見るクサれ自由主義
-FUCKIN' LIBERALISM IN A CERTAIN PARTY-
| 私は秘密結社Aのパーティへの招待を受け、久しぶりに出席した。 メンバー2人の誕生パーティという名目だ。 私は2年前にクラブを脱退していたが、人間関係は今も続いているのだ。 私はあまり気が進まなかったのだが、名目が名目だけに、顔だけでもだそうと思い、3年来の友達のためにケーキを手にしてその場へ向かった。 ドリフってしまうことは目に見えていたが、オレは心から祝ってあげたいという気持ちからケーキを持っていったのだ。(結局オレの気持ちは彼らの顔に塗られて消えたのだが) 私がそこに行くと、そこはとても楽しそうな雰囲気が拡がっていた。 かつて私が幻滅したクラブ独自の空気が充満し、貸し切りの部屋からは愛すべきただれた欲望の渦が溢れ出していた。 人望を手にしたい者、名誉を手にしたい者、異性を我が物にしたい者、それぞれの思惑が一つの部屋の中で微妙にぶつかりあっていた。パワーポリティクスの敗者は寝たフリをすることを余儀なくされ、ある者は寝ころび、あるものは呆然とし、あるものは形成逆転を狙った場違いな一発芸を繰り出しては冷たい視線を浴び、結局寝たフリをするのだった。 その駆け引きに勝利したものは自己に陶酔し、ひとときの充足感を味わうのだった。 まあそんな前置きはさておき、気になることがあった。 久しぶりに会った友達が、お気に入りの下級生を襲っていたのだ。 しかし襲われている方もまんざらではないので、潰れたフリをしてなされるがままだった。というよりむしろ積極的だった。襲うという言葉自体この場合あてはまらない。雪崩式ジャーマンといったほうが適当だろう。 オレは自由、私は自由、彼らからにじみ出る主張が私の鼻腔をくすぐった。 お互い恋人がいるのだが、まあ青春なんてそんなものだ。 完全に2人の世界だったが、オレはそのグロさを目の当たりにして思った。 「子供できるといいね」 その方がおまえらの身のためだ、というオレの期待をよそに、ある友達は、 「おめーら外でやれよ、むかつくからさー、マジで」 と言っていた。なかなかみどころのある奴だ。水をさしてあげるなんてさ。 女神のような満面の笑みで、食事を取り終えた皿で煙草をもみ消しながら彼女は答えた。(何しろ彼女は自由なのだ) 「混ざる?」 そいつはマジ切れしかけてたけど、それさえもばからしいと思ったらしく、ふっと冷め、無視していた。まあ仕方ない。 ところでグロさという言葉を使ったが、見た目ではなく(確かに見た目もグロいが)心のグロさを感じることを、私は禁じ得なかったのだ。 彼女の目はキラキラと輝いていた。自由奔放という言葉に酔いしれ、新進派を気取った世にも美しい目だ。 「私は最高に幸せな女。そして今が一番楽しい。」 その目は語っていた。 トイレでL系のダストをキメて来たらしい。 普通ダストと言えば一発で廃人になるはずなのだが、彼女はそれ以上に自分に酔っているので心配する必要はない。 ――自称自殺願望者(「ためらいキズ」フリーク)ということを聞けばそれもうなずけるだろう。―― 「だしょーな、だしょーな」、と思いながら私はその幸せを祝福した。 そして心からのエールを送った。 その調子でがんばりなよ。 |