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GTR法とエムドゲイン

中等度以上の歯周病は歯の周りの骨(歯槽骨)の吸収が起こっています。
この歯槽骨の吸収は、ほとんどの場合、歯周病が完治しても元の形には戻りません。この吸収した歯槽骨の形に添うように、歯肉が表面を覆っていますので、歯の表面が以前と比べ多く露出します。そのため歯が長くなったように見えてしまったり、歯が空いてしまったり、時には歯がしみるといった症状がでてくることがあります。

これは、歯槽骨に再生能力が無いわけではなく、歯肉の治癒能力のほうが、
スピードが早いために起こってしまう現象です。
この歯槽骨の吸収してしまった部分に歯肉が入り込んで再生するのを阻止し、
歯槽骨の再生を促すのが再生療法です。 再生療法には2つの方法があり、
歯の周りにメンブレンという特殊な膜を張り、
歯槽骨の吸収してしまった部分に歯肉が入り込むのを阻止し、
歯周組織の再生を待つGTR法と、吸収してしまった部分に直接、
歯周組織の再生を促すような薬剤を塗布するエムドゲイン法があります。


GTR法

歯周病で破壊、吸収された歯周組織は、その原因を除去すれば再生しようとします。しかし、歯周病に罹患した部分を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと必要な支持組織が再生する前に歯肉がそこに入り込み歯周組織の再生を阻んでしまいます。そこで、歯周ポケット内部を清掃した後にメンブレンと呼ばれる膜を設置し、外からの不要な歯肉が入り込まないよう防御します。そうするとメンブレンの下には歯周組織が再生を始め、ゆっくりと成長していきます。この成長には時間を要しますので、メンブレンの下が新しい組織で満たされるまで一定期間保持しておく必要があります。(平均4週間)その後、4週間から8週間後にメンブレンを取り除きます。

新たに再生された歯周組織は、始めのうちは非常に幼若ですが、時間の経過とともに成熟し、完全にもとの組織と同じ位の成熟度に達します。
安全性について
使用するメンブレンは、生体適合性に優れている人工材料ですのでアレルギー反応の心配はありません。

メンブレンを用いた再生療法の場合、生体親和性の高い人工繊維を用いて作られた膜を用いますので、アレルギーなどの問題がなく、再生させたい骨量がある程度多い場合でも対応可能です。しかし、歯肉の進入を阻止する反面、骨面からの血液供給も遮断してしまうため、歯肉の治りが遅い場合もあり、また、成功しても4〜8週間後に膜を取り除くためにもう一度手術が必要であるといったデメリットもあります。

※歯周病がかなり進行してしまっているような場合には、適応にならない場合もあります。

エムドゲイン

エムドゲインとはスウェーデンのビオラ社で開発された新しい歯周組織再生導入材料です。エムドゲンの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするタンパク質の一種です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼若ブタの歯胚から抽出精製したもので、2001年12月現在世界28カ国で使用されています。歯周外科手術の歳に手術部位にエムドゲインゲルを塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。こうして、初めて歯が生えたときと同じような強固な付着機能をもつ歯周組織の再生を促すのです。

手術の前に
歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを撮ったり、その他治療に必要な検査を行います。エムドゲインゲルを使った治療が行えるかどうがは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なります。
歯周外科手術
手術は麻酔をかけますので、痛みはありません。まず最初に治療する部分の歯肉を切開し剥離します。歯根の表面の清掃を行いエムドゲインゲルを塗布します。最初に切開した歯肉部分を縫合し、終了です 手術後はゆっくりご自宅で休んで頂き、後日感染を防ぐため消毒します。安定したら抜糸します。
手術後の注意点
手術創は速やかに治癒しますが、手術部分の歯みがきなどは医師の指示に従って下さい。また、指や舌で手術部分をさわらないで下さい。
手術後の感染を防ぐために術後3〜6週間は、消毒薬で口の中をよく洗浄するようにしましょう。
定期的な検診について
健康な歯周組織を取り戻すまでには、数ヶ月から1年程度かかります。歯周組織が再生するまでの期間は個人差があり、歯周病の程度によっても異なります。術後のスケジュールの詳細も患者さんによって異なりますので、担当医の指示に指示に従い、必ず定期的な検査をp受けるようにして下さい。治療が終了した後も、口の中の衛生状態を定期的に検査することをおすすめします。


このレントゲン写真は、当院に現在も来院されています患者様のエムドゲインによる再生療法による骨の再生を写したものです。

2000/06/02の時第一大臼歯の遠心の根の周りの骨が殆どなくなっていたのが、再生療法により2001/06/16の時点でかなり骨ができているのがお分かりになると思います。

その後2005/08/26さらに2007/04/09においても骨の状態は健康に保たれています。

この症例は予後の非常によかった症例のひとつであり、すべての方がここまで完全に再生されることは保証できませんが、かなりの効果がみこまれます。

2000/06/02
2001/06/16
2005/08/26
2007/04/09

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