浴衣
「なあ、不二!これこれ、これ見てみ!」
そういって差し出した一枚の写真
「これ、去年の夏祭りの時の」
「そうそう。うわー、これからもう1年立つんだ・・・」
その写真には近くの神社の入り口に不二と俺が浴衣姿で二人仲良く並んで写っていた。
これを写してからもう1年。あっという間だったなー
「この後、大変だったよね」
そういってクスクスと笑い出した不二を見を見ながら俺はあの時のことを思い出した。
そうだな、あの時は大変だったよ。
ただ歩いてるだけなのに帯がほどけてきてさー!!
「。あれは”ただ歩いてただけ”とは言わないよ
わざわざ人の込み合っている場所を選んでその真ん中を突っ込んでいこうとするんだから」
言って不二はさらに笑い出す。
どうやら思い出した俺のその時の姿がツボにはまってしまったらしい
「おーまーえーはー!!そこまで笑うことないだろうが!!」
コノヤロウ!!と額をペシッと軽く叩こうとすれば
それはあっさりかわされて・・・
「だって、あの時のの情けない顔っていったら傑作だったんだよ?」
”ふじー。帯がとれたー(TT)”って・・・
写真に写しておけば良かったなー
そうしみじみ呟く不二を見て俺は心の中で”助かった!!”と力一杯叫んでいた。
もし写されてたらその写真、不二のことだから面白がって絶対に英二とかに見せると思う。
英二だけじゃなくて手塚やら乾やらリョーマやらいろいろに回っていた事だろう
んなことになってたら俺、恥ずかしくて学校に行けなくなるじゃないか!!
本当に良かった!!
なんて心底ほっとする俺の横で不二は今だ笑い続けてる。
こいつ。。。いつまで笑う気だよ!!
てか今のこいつ、箸が転がっても笑えるって状態か?
そんなに笑ってっと横っぱらが痛くなるぞ?そろそろ落ち着け!
どうにもとまらなそうな不二の為に仕方なく俺はキッチンから水を一杯貰ってきて渡してやった。
それを受け取って一口飲んで・・・・やっと笑いの発作は治まったようだった。
「わ・ら・い・す・ぎ!!」
「だって、が思い出させるから」
俺は俺の情けない姿を思い出させるために見せた訳じゃないんだぞ!!
「わかってるってば、そんな怒らないでよ」
お前が怒らせてるんだろーが!!
まあ、いつまでこうしててもらちがあかないので今回は折れてやるが・・・
「もう絶対思い出し笑いすな!!」
「わかってるよ。」
いつもの笑顔で返事した不二は・・・その後に嫌言葉を付け足した。
「もう少ししたらまた同じ姿を見ることになるだろうからね」
その時に盛大に笑わせてもらうよ。
あっ、もちろん今度はちゃんと写真に収めるから安心してね♪
・・・・・・・・・・何が”安心してね♪”だよ!!
それこそ安心できねー!!
てか・・そうだった。
俺はココにきてやっと今自分が不二家に来ている理由を思い出した。
それは今年も夏祭りに参加する為。
それは去年からの約束で今年も絶対に行こうと言っていたのだった。
で、俺は朝から浴衣もって不二家にお邪魔して・・
えっ?俺が不二家にお邪魔する理由?
それは俺の母親が着付けできないから。
当然俺がここに来たということは不二母は着付けできるのだ!!
去年も着せてもらって・・・今年も着せてもらうためにココに来ていた。
でも、夏祭りが始まるのは夕方からで、まだまだ時間は早い
なので不二の部屋でなにするでもなく居座っていた俺は、何気に棚に納まっていたアルバムを取り出して見始めた。
そしてたまたま去年の夏祭りの写真を見つけて懐かしくてアルバムから1枚取り出し、
俺が来た時からずっとパソコンの前に座っていた不二の前に差し出したのだ。
それがまさかこんな展開になろうとは!!
俺の大バカヤロウ!!
「、そろそろ着替えた方がよいかも」
「ん?あっ、もうそろそろそんな時間か・・・」
自分のバカさ加減に落ち込んでいた所を声を掛けられて、時計を見てみれば良い時間
今から着替えて家を出れば込む少し前くらいにつくかな?
「俺が先に着替えてくるぜ!!」
「わかった。終わったら呼んでね」
りょーかい☆
今まで座っていた場所からえいやっ!と掛け声掛けて立ち上がり部屋を出る。
不二母がいる一階に降りながら、俺は今年は絶対に大人しくしてよう!!と心に誓ったのだった。