猫目石
「ー、何か落としたにゃ」
そういって落ちた物を拾ってくれたのは英二
何を落としたっけ?と差し出されたものを見て、俺は叫んだ
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「にゃ!?何??」
いきなり目の前で叫び出されたのと、手渡そうとしたのをいきなりひったくられたのとで
英二は目を丸くして驚いていた。
が、今俺はそんなことを気にしてる余裕なんてない。
俺の手に戻ってきた物に向って必死で”ごめんなさい!許してください!!もうしませんから!!”
と許しを請うていた。
その姿にますます英二はどうすればよいのかわからなくて混乱していく。
「、どうしたんだよぉ」
そんな風に鳴き声を上げる英二に救いの主が現れた。
「英二、は一体どうしたんだ?」
「乾!?どうしたかなんてオレの方が聞きたいにゃ!!!」
なんとかしてくれ!とヌイに泣きつく英二
どうでもいいけど何かあるといつも誰かに泣きついてるよなー
なんて思いつつも俺は今だに謝り続けていたり・・・そろそろ良いかな?許してくれるかな?
そう思って手の中の物をこっそりと覗き込もうとしたとき、
それをひょいと乾に持ち上げられてしまった。
「ヌイ!!何すんだよ!!」
バチあたるだろうが!!・・・あぁ、でもヌイなら大丈夫かな?
「、英二が困ってるよ。それにしても、まだこれを持っていたとわな」
「もうすぐ夏だからな。俺はそれがないと夏を乗り切ることができん!!」
「何それ、何なの?教えてよー。乾ー!!」
英二、お前は少し黙ってろ!!
そしてヌイ、それをそろそろ返せ!・・・おい、こらっ!!
俺にとれんように手を延ばすのはやめろ!!えぇい、届かんだろうが!!!
こーの、背ばっかしにょきにょき伸びやがって。。蹴るぞ
「、蹴らないでくれるかな」
「なら返せ」
「だからそれは何なのさぁ!!!」
ぴょんぴょんと跳ねて取り戻そうとするが全然とれない。
いー加減かーえーせーよー!!」
「乾、それは何!!」
俺に粗末な扱いを受けていた英二が突然飛び跳ねる俺を押さえ込んでぴしっとヌイの手の中の物を指差した。
そのことに・・・ヌイはニヤリと笑う。
「これは・・・」
そういってヌイはそれ。小さな巾着袋に入ってるものを取り出した。
わー、人のものを勝手に出すな見せるなー!!
必死で暴れるが英二に押さえ込まれてしまってどうにも身動きが取れない。
「・・・・・何、これ」
「石。パワーストーンという奴だな。そしてこれはキャッツアイ。和名で”猫目石”と言われる物だ」
「ふーん」
ヌイが石のこと説明してるけどそのことは聞き流しつつ
手の中にコロンと転がる石を面白そうにつついてる。
「やめんか!!バチあたるだろうが!!」
「・・・なんでバチあたるのさ?」
当然、さっきのヌイの説明だけで全部の意味がわかるわけでもなく。
英二は不思議そうにヌイに問いかけた。
「英二、が幽霊とかそういったものが苦手なのは知っているかい?」
「えっ、そうにゃの?でも俺も苦手・・ってか嫌い」
何、そうなのか?英二ってば俺と仲間?同類なのか?
ならお前もその石を持ってるとよいぞ。でもそこにあるのは俺のだけどな
「は、そういった物が特に嫌いでな。少しでもそんな話をしようとすると
それだけで叫んだり暴れて話を持ち込んだ奴に攻撃を仕掛けたりと、いろいろ大変だったんだ」
「ふーん。で、それがその石と何の関係があるのさ」
「それはこの石の石言葉が関係あるんだ」
”悪霊などの邪悪なパワーを撃退して身を守ってくれる”
そう。だから俺はこの石を持ってるんだよ!!
本気で嫌いなんだからな!!夏なんてこの手の話がやたら多くなるから
これがなけりゃやってらんねーよ!!
「他にも似たような意味を持つ石はたくさんあるんだけどね、たまたまこの石が家にあったからな」
そういってヌイが俺を見る。
そうだったなぁ〜、何年か前に幽霊やお化けなんて嫌いじゃー!!
と叫びまわって暴れる俺にヌイがある日、この石を持ってきて意味を教えながらくれたんだよ
それからはこれは俺にとっちゃ大事なお守りなんだ!!
それなのに大事なお守りを俺は落としてしまって。。。
こんなことで石に臍を曲げられて守ってくれなかったら俺はどうすればいいというんだよ。。
あぁ。。。そんなこと考え始めたらなんか凹んできた(涙)
「この石、乾があげたんだ。。。そして信じてるんだ」
可愛いとこあるにゃー♪って人事だからってんな楽しそうにいうことないだろうが!
とにかく
「ヌイ、そろそろ返せ!!」
と腕を突き出すとようやく奴は返してくれたよ
ごめんなーと、また巾着の中に収めてポケットの奥の方に突っ込んで、やっと俺はほっとした。
「ー」
「何だ?」
「そんな石なくても何かあったらオレが助けてやるにゃ♪」
。。。。。ほほぉ?俺と同じく幽霊なんかを嫌いと言ったお前がか?
「ほらっ、オレってよくネコみたいっていわれるしー。その石の名前”猫目石”だろ?
一緒みたいなもんにゃ〜♪」
。。。。。。。。ほほぉ〜・・・言ったな?(ニヤリ)
俺は俯きながら怪しい笑顔を浮かべる。
俯いてるからその笑顔は英二からは見えないだろうが、気配からヌイは察したみたで引き上げていった。
英二はまだ俺の前で”大丈夫にゃ♪”などとネコ踊りを踊り続けている。
まあね、キミがそおゆうからにはね
「じゃあ、ヤツラに襲われた時にはお前を犠牲にして俺はその間に逃げるな(^^)」
「にゃ!?」
あはははは。俺は逃げるからお前は精一杯ヤツラをひきつけておいてくれよ。
いやぁ〜、そこまでして守ってくれるなんて嬉しいなぁ。
英二ってば役に立つ奴だな〜。頑張れ!!骨は拾ってやるから♪
そう言うと英二は「にゃぁぁぁぁぁぁ!!」と泣き叫んで走って行ってしまった。
馬鹿なこというからだ!!
はぁ〜、この騒ぎでなんか疲れたぞ・・と、壁によかかってなんとなく外を見れば
丁度1年が今から始まる体育の授業の為に校舎から出てくるところだった。
そんな1年の中に見知った姿が
「リョーマ!!!」
見つけた姿に大声で名前を呼んで振り返ったところを大きく手を振ってやった
ら、無視して言ってしまった。。。にゃろう!!
あー、そういえばリョーマもネコみたいな感じあるよな?
うーんと考え込んだ後、俺はやはりニヤリと笑う。
英二は、生贄と差し出すとして、リョーマの場合は、悪霊と戦ってそうだよな
で、もちろん勝利を収めるのさ。
ということは英二を差し出して逃げた後、俺はリョーマの所に逃げ込めば助かる?
よしっ、その時はよろしくな!
と、もうすでに見えなくなったリョーマに敬礼なんかしてみたりして♪
俺の大事な石共々、今日追加されたお守りたちよ!!よろしくな(^^)