友情
今、俺は屋上に一人、寝転がっていた。
視界には何処までも続く夕空が広がっている。
時刻は夕方。。。そろそろ帰らないとなー
でも、そんな気分にならなくて、あともう少し
もう少ししたら帰ろうと思って、またぼーっと空を見るのに集中する
そんな時
「」
屋上の入り口の方から俺を呼ぶ声
起き上がらず、目線だけを入り口の方に向けてみればそこには
「手塚ー」
部活中の姿そのままで立っていた。
「部長が部活さぼって良いのか?」
ニヤリと笑って奴を見れば
「とっくに終了した」
との素っ気無い言葉。
そうですか。そうだよなー、テニス馬鹿なお前がサボってこんなとこにくるなんてことないよなー
「お前こそ、さぼったのか」
「あぁ」
さぼりましたよ。でもそれは何時ものことなんで誰も気にしてないだろうけどね
実際、部活行く途中の副部長に会って、その旨を伝えた時も二つ返事で了承されたし。
うーん、今までのことがあるとしても一つも文句も言われずに許可されてしまうというのも
寂しいものがあるよなーとか思ってしまったですよ
「菊丸が・・」
「ん?」
俺が一瞬自分の世界に入っていた間も黙っていた手塚が一人の名前を出した。
それは手塚と同じテニス部所属の奴で同級生で・・・俺のクラスメイト
今年一緒のクラスになってやっと存在を知ったという奴。
そいつの名前がここで出てくるということは、やっぱり知ってるってことだろうな
同じくクラスメイトの不二もテニス部員だから
そこから話が手塚に回ったのかもしれない。
別に口止めするようなことでもなかったから黙ってろなんていわなかったんだけど
だから話したとしてもそれで不二を怒ることはできない。
怒るつもりもないし・・・・怒って負けるの俺だし(苦笑)
「菊丸が、今日は部活をさぼった」
「英二が!?」
またもや自分の世界に入っていた俺だが次の手塚の言葉に驚いてしまった。
何があろうと大好きなテニスをさぼったりするはずがないと思っていた英二がサボっただなんて!!
「俺が口出しすることでもないが・・・・・喧嘩してそんなに落ち込むくらいならさっさと謝罪しろ」
じゃないと部活。。。これからの試合に影響でますか?
そうだな、一日、2日さぼっただけでも練習したものとそうでないものとの差は開いていくからな
にしても
「・・・・・・喧嘩の理由が思い出せないんだけどな」
手塚がいうように英二と、喧嘩した。
けど、何が原因だったかは全くといって思い出せない。
ただ、何故か言い合いになって、どっちも意地なって引けなくなって
気づいたら険悪な空気そのままに今日一日の授業が終わってしまって
俺はまあ最初っから部活さぼるつもりだったからさっさと家に帰ろうと思っていたのだけど
何故か帰る気が起きなくて・・・それでココにきていた。
最初は英二の奴が謝るまでは絶対に許さない!と思っていたのだけど
時間が過ぎて行って、頭が冷えてくると同時に・・・悪かったのは俺の方だったんじゃないかと思い始めた。
最後、教室出しなに言った一言が、絶対に言っちゃいけなかった言葉の気がして
・・実際その通りだと思うから、落ち込んでしまった。
それなのにその喧嘩の原因が全く思い出せない。
喧嘩になるようなことを言った覚えもした覚えも全くないのだ
だからそんな記憶にも残らない程の些細なことだったということなのだろう
それなのにそんなことのせいで今だ仲直りできなくて俺はさらに落ち込んでいく。
「なら思い出せないことも含めて謝ればいいだろう」
「うっ!」
確かにそうなんだけど!でも実際行動に移すのは難しいんだぞ!
手塚は関係ないからそうさらっというけどさー
・・・・あー、関係なくわないか。部活に影響でるもんなー
「それもあるが・・・・友達を心配するのは当然だろう」
!!!!?
何!?手塚からそんな言葉を聞くとは思いませんでしたよ!!
どうしたの?熱あるのか?それとも夕空の魔法にでもかかりましたか?
なんて俺が目を丸くして手塚を見れば・・・ごめん、言い過ぎました
なのでそんなぶすっと睨まないで下さいよ(汗)
「俺はそろそろ帰る。が、明日までにはどうにかしていろ。それと・・・」
言うだけ言うと手塚は屋上を去っていった。
・・・・帰るんなら俺も帰ろうとか思ったので一緒に帰っても良かったのでは?
置いてくなよ(TT)
でも。そうだな、手塚に心配掛けちゃったみたいだし?
仲直りしないとな。
それに英二宛ての伝言も預っちまったしなー
よしっ!と俺は気合を入れて立ち上がる。
そして服についた誇りを払って・・・・屋上を後にした。
「明日、菊丸に50周だと伝えておいてくれ」
「げっ!?加減してやってくれよ・・・・」
「お前もその半分を走るんだ」
「ちょーっと待て!!俺はテニス部じゃないぞ!!なのになんで!」
「部内の規律を乱す原因の一つだから」
「いや、だからって。。。25周もですか(汗)」
「それ以上何か言うようなら、増やすぞ」
「いえっ、結構です!!、明日朝一番に英二共々25周走らせて頂きます!」
「ではな」
「手塚、お疲れ様。ありがとな!」
屋上を後にして、英二宅にて仲直りした俺は上記の手塚からの伝言を英二に伝えて
奴が絶叫し、家族全員に”うるさい!”と一発ずつ殴られていたことは・・・俺達だけの秘密だ。