青学1年2組の体育の授業はいつもある人物のこの一言から始まる
「越前、今日こそぜってぇ負けねぇかんな!!」
そして今日もこの一言の叫びから始まった。
体育
体育の授業は半ば過ぎて、サッカーの試合をしている中
グランド内で一人ぶつぶつと呟いている生徒がいた。
その横にはうんざりとした表情をしている越前リョーマの姿
「ねえ」
いい加減横でぶつぶつと言われるのに我慢できなくなったのか越前は横も見ずに声を掛ける。
が、相手は気づいていないのかわざと無視してるのか返事は返って来る様子もなく
今も呟いている。
「ねえって。、聞いてるの」
「・・・・何だよ」
反応がないことに不機嫌になりながらももう一度、今度は名前も呼んでみればやっと反応が返って来た。
が、こちらも越前に負けず劣らずな不機嫌そうな声だった。
「煩いから静かにしてくれない」
「だったら耳塞げ」
静かにしてくれという願いも空しく一言で会話終了
そしてまたぶつぶつ言い始めたを横目に越前はワザとらしいため息をついた。
「何だ」
「別に」
「”別に”というようなため息じゃないだろ。あれは」
「気のせいなんじゃないの」
「なわけあるか」
越前のワザとらしいため息に反応して再び二人の会話が始まる。
が、知らない者が聞けば喧嘩中?と思わせるようなこの二人の会話も
クラスの者達はいつものことと気にもせず授業を、サッカーの試合を進めている。
越前もも試合に出ているということで一応動いているのだが何故か二人セットになって動いている。
敵同士でマークしてるようにも見えるのだが、つけているゼッケンの色は同じということから
チームは同じということがわかり、同じチーム内で何をしてるのか!といった状態になっていた。
けれどそれもいつものことと皆は気にもせず
この二人以外のチームメンバーが二人分をカバーしようと必死でボールと取りに行っていた
そんな様子を見ながらとうとう立ち止まってしまった二人はやはり会話を続けていた。
「ねえ」
「だから何だよ」
「何で体育の授業になるといつも勝負挑んでくるの」
とうとう越前は前から気になっていたことを聞いた。
なんとなく、それを聞いた瞬間に試合に夢中になってるはずの奴らの意識が二人に集中したようだった。
どうやら皆も体育の授業の度にが越前に勝負を挑む理由が気になっていたようだった。
「それはお前が前に50m走で俺に勝ったからだな」
が、の重々しい口調で告げられた言葉に一斉に皆からの声なき声で「そんなので分かるかよ!!」
などといったつっこみがあったとか。。。
「何それ」
「だからな、俺は自分で言うのもなんだが運動神経が良いほうだ」
うんうんと頷きながらいう言葉に越前は呆れながらもまあ違いないと認めた。
確かにクラスで一番運動神経が良いのは越前だがその次の位置にはいた。
「で、今まで走るにしても投げるにしても跳ぶにしても負けたことがなかったんだ
それなのに青学に入って体力測定して・・・越前にいろいろ負けただろ?
だからそれが悔しくって悔しくって!!」
だから体育の時間にお前の姿を見ると思わず勝負を挑んじゃうんだなー
とここでやっとは今日の体育の時間で初めて笑った。
「ふーん」
「今じゃ結構それが楽しくてな」
それなのに今日の試合では同じチームになっちまって!!
授業最初に勝負挑んだ意味がないじゃないか!!とは心底悔しそうに足で地面を踏み叩く。
そんな様子に越前は今度はワザとらしいのではないため息をついた
「毎回勝負を挑まれる方にしたら迷惑なんだけど」
「だな。でも俺に勝ってしまったということで諦めろ」
これからも止めるつもりはないしなと笑うに越前もニヤリと返した。
「まあ、に勝負挑まれるのは面白いから良いけどね」
「そうか」
と、二人の間に友情めいたものが芽生えている間にも試合はどんどんと進んでいく。
「ねえ」
「何だよ」
「勝負も良いんだけど」
「まあな。。。一緒のチームになっちまったのはしょうがないし。」
”今日は協力でもしてみようか”そういって二人顔を見合わせる。
「協力って似合わない言葉」
「そっちこそ」
一瞬の睨み合いの後、二人は一斉に試合をするチームメイトの中に走っていった。
目指すは敵に取られているボール。
あっという間に二人は敵からボールを奪い取るとゴールを決めた。
二人が試合に混じってからは味方チームには面白いように点が入り当然の如く勝利した。
「たまにはこんなのも良いんじゃない」
「たまには、な」