エイプリルフール






テニス部の朝練が終わって、始業の鐘がなるまでの短い時間

それを狙って俺は部室にお邪魔した。

「おっはよー。今日も朝練お疲れさん」

バターンと音を響かせてドアを開ければ・・・

中にいた奴全員が”何事!?”といった表情で俺の方を見て固まっていた。

ただ一人を覗いて・・・

「おはよう、。どうしたの?部室にまでやってくるなんて」

「はよー、不二。ちょっとな♪」

やはりというべきか

不二だけはいきなり入ってきた俺に動じることなく挨拶を返してきた。

俺と不二がほのぼのと挨拶を交わす間にようやく固まっていた連中も解凍されだしたようで・・・

、ここは部外者以外立ち入り禁止だ」

「はよー。」



「お・は・よ♪」

「あぁ、おはよう」

勝った!!うん。なんだか今、手塚に勝った気分。

今日は良いことあるぞー♪ってか良い一日にするぞー☆

・・・」

「んあっ?立ち入り禁止?いーじゃんいーじゃん。んな固い事いうなよなー」

練習の邪魔してるわけでないんだからこれくらいは大目に見てくれよ。

の勝ち!!にゃ♪」

おっはよー♪と元気に飛び掛ってきたのはもちろん英二で、

飛びつかれる瞬間ぎりぎりでかわすと英二はいきおいでバタンを見事に床に転がった。

ごめん、英二・・でもそのこけた姿がなんだか笑いを誘うよ(笑)

ひどいにゃー」

ひどいーとわめく英二はとりあえず大石にまかせて、近くにあった椅子によいしょと座る。

先輩、年寄りみたい」

うっさいよ、リョーマ!

自分でもちょっと思ったんだからわざわざ言うな!!

「で、どうしたんだい、

いつもはこうやって聞いてくるのは大石だったりするんだけど今大石は英二にかかりきり。

ということで代わりなのかな?タカさんが聞いて来た。

タカさんに聞かれたら答えないわけにいかないよな。。。

「あのさ」

「うん?」

「今日って・・・・・」

「今日が何?」

待ちきれなくなったのか大人しく聞いていたリョーマがつっこんできた。

そちらをちらりと見て、部室内にいる全員の顔を一旦見渡した後におれは一言静かに告げる

「エイプリールフール・・・だな」

ニヤリ、そんな感じを表現するにふさわしい笑みを浮かべて俺はゆっくりとした動作で席を立ちドア
の前に移動する。

部室内は異様な静けさに包まれて・・・

テニス部の部室を出しなに一度振り返って

「・・・・楽しみだな♪」

そういうとパタンとドアを閉めた。

その直後、中から一斉に悲鳴というかなんというかこの世の終わりのような悲鳴が聞えてきたの
は気のせいか?

あぁ、楽しい♪そう思って教室に向かって歩いているとすぐに不二が追いかけてきた。

、面白いことするね」

「そうか?てか不二、こんなすぐに追いかけてきたらお前も共犯だと思われるぞ?」

エイプリルフールに俺と一緒に奴らに何かを仕掛ける共犯者ってな

「それも面白いかと思って。何?ってば何か僕にも仕掛けるつもりだったの?」

うんにゃ、んなわけない!!お前に何かしたら倍返し、いやそれ以上に返ってくるし。

そんな危険な橋渡れるか!!それなら共犯者と見られてた方が絶対に良い☆

「で、実際の所、何かするの?」

「いーや、何もしない」

「?ならさっきのは・・・」

どうして宣戦布告みたいなことしにいったかって?

「さっきのであいつら今日一日気を張り続けることになるのだよ。

そして何をしなくても俺達の姿を見るだけで怯える奴らの姿!!最高じゃないか?」

どうだよ!と思わず握りこぶしを作って熱く語って不二の反応を見れば・・・

、鬼だね」

あはははははは、そんなの・・・

「お前にはいわれたくないな」

思わず口からポロリと漏らした言葉。

それを言った途端に何か急激に寒さが襲ってきて、俺は言ってはいけない言葉をいってしまったこ
とに気づいた。

「あははははははは。、それはどおゆう意味かな?」

・・・不二、笑ってるのに笑ってないよ(汗)

「まあ今日はのおかげで楽しいものが見れそうだし、今のは聞かなかったことにしてあげる」

不二の寛大な言葉に俺は心の中で”助かった!!”と盛大な歓声を上げた。

「んじゃ、もうすぐ始業の鐘が鳴るから教室に行こう」

そう言って俺と不二は校舎に入っていった。

その後ろをまだ部室にいる奴らが追いかけてくる様子は全然なくて。

やはりというか英二は授業に遅れた。

後から聞いた話では珍しく不二以外のテニス部レギュラー陣全員が遅刻したそうで、

手塚までもが遅刻したことでかーなーりー、教師や皆が何があったのかと騒いでた(笑)


そしてはじまった一日。

それは本当に楽しい物となった。

一番不幸だったのはやはり英二だろう。

なにせ何かを企んでるであろうと思われる俺や不二と同じクラスなわけで・・・

表面上は何も無いように必死に装うとはしているものの。。。俺や不二が何か話しかけるたび、

少し動くたび、その全てにびくびくと反応して、時間がたつに連れて顔色が青ざめてきて最終的に保
健室に運ばれていった。

その時に見た不二の表情、それはもうなんともいえず楽しそうな表情で、

不二に楽しんでもらえてることにほっと安心した。

まあ、そんなこんなで今日一日俺と不二は休み時間になるとやたらと校舎内を動き回って

不幸にも俺達にばったりとあってしまったテニス部の奴らは、

ただ俺達の姿を見ただけで勝手に怯えて逃げて英二と同じ運命を辿った奴らもいた。

まさかなー、なんもない廊下を走って意識飛ばすほどに盛大に転ぶなんて思わないもんなー

さすが桃君だ☆思いも寄らなかったことをしてくれるよ♪

でも一番楽しかったのは放課後の部活時間。

いつもは授業が終わり次第まっすぐに帰る俺だけど今日はテニス部の見学に行った。

そこで見たものは!!

手塚とリョーマが打ち合いみたいなのをしてたんだけど・・・

俺がじっと見てることで空振るは転がったボールに足を取られすっころぶは、楽しいったらありゃし
ない!!

思わず二人に向って「バーカバーカ」なんて言ってしまったよ。

その後は当然の如くというか

!!」

という手塚の一括とか

先輩、うるさいっす!」

とかいってリョーマにボールをぶつけられそうになったりとか

この時金網があって良かったと心から思ったよ。あんなのあたったら痛くて仕方ない!!

へたすりゃ打ち所わるければ病院いきだしさ・・・でも楽しかった(笑)

あー、こんな面白いもの見れるのがエイプリルフールだけなんて本当にもったいないよな♪



次の日、俺がさんざんテニス部の奴らに仕返しされたことは・・・言うまでもない(TT)

まあ、されるとは思ってたから仕方ないんだけど

共犯となった不二には何もなかったのは俺としては絶対に納得できない!!

今年のエイプリルフールは楽しいながらも最後はなんだかすっきりしない微妙なものとなった。

 

 

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