「そこの兄さん、一緒に周りませんか?」
そんなふざけた声に”そこのお兄さん”である手塚は振り返った。
振り返った先に俺の姿を認めて””と一言呟いた後、物凄く嫌そうな顔をしてくださいました。
文化祭
「お前なー。何もそこまで嫌そうな顔せんでもいいだろうが」
あれははっきりいってショックですよ?落ち込みますよ?
でもって嫌そうな顔だけでなく、何もなかったように通り過ぎようとするのもひどくありませんか?
「そんな態度をとられるような格好をしているお前が悪いんだろう」
そういって俺の姿を見て大きな大きなため息をついた。
失礼な!!俺の格好の何処がそんなため息つかれにゃならんのさ
ちゃんと学生服着用で可笑しな所は何一つない筈だぞ?
まあ。ちょっと?上着の両ポケットが飴でパンパンに膨れていたりするが
「その飴はどおしたんだ?」
「これはな、宣伝用の飴」
「宣伝?」
そうだ。と一つ頷いてポケットから飴を一つ取り出した。
そしてそれを手塚に手にポトンと落とす。
飴には小さな紙がついていて、そこには
”吹奏楽部 13時より体育館にて演奏”
と印刷されていた。
よーするに・・・
「演奏会の宣伝。か」
「そゆこと」
前もって紙を張り出したり配ったりしてるけどそんなのちゃんと見てくれてるかなんて怪しいだろ?
本当はこの紙だけを文化祭当日に配る予定だったんだけど
どれだけの人が受け取ってくれて且つ、中身を見てくれるかわからない
ということでおまけをつけることにした。
これならまだ受け取ってくれるだろうし、飴を剥がす時にチラリと文字が目に入れば良いかな?
と思ってな
「なら早く配って来い」
「そうなんだけどね」
はぁ〜とため息をついた俺に”何か問題があるのか?”と手塚が無言で尋ねてくる
「さっきまで配ってたんだけど、こんだけの量を一人でさばくのは大変なんですよ」
本当に。当然受け取ってくれない人だっているしね。
でも早くさばかないと演奏時間が来てしまう。
なので本当に大変だよ。
そんな所に手塚、通りすがってくれて嬉しいよ♪
「手伝え。と?」
「そゆこと」
いやぁ〜、話が早くて助かるよ♪
「不二と菊丸はどおした」
「あいつら?あいつらも手伝ってくれてたんだけどなー。。。はぐれた」
はぐれたと言った俺に手塚は不審そうな目を向けてきた。
最初は俺と不二と英二で3人仲良く校舎をうろうろ歩いていててさ
結構人の姿が増えてきたなー、そろそろ配るか!!とポケットから取り出そうとしている間に
遠くの方から地響きが聞えてきて何事!?と思ってたら遠くから
たくさんの他校の女子の群れがやってきたんだよ。
そしてその群れはあの二人を呑みこんで何処かに流れていった。
気づけば俺だけがポツンと一人取り残されてて寂しかったね(TT)
ということで手塚。お前はあの二人のように何処かに流されないでいてくれよ?
「・・・・・・・・・・・」
今の話が余程ショックだったのか手塚、固まっちゃってるよ
目の前でひらひらと手を振っても反応ないし・・・
しゃあない。このまま何処か・・・吹奏楽部の部室前まで引きずって行って部屋の前に立たせとくか
それで近寄ってきたお嬢さん方に俺がおまけ飴つきチラシを渡すと
あぁ、これなら絶対に受け取ってもらえそうな作戦だ!!
ということで手塚のお陰とチラシ効果?で演奏会にはたくさんの人がきてくれましたよ!!
さすが手塚さんですな。協力感謝です。
それにどうも流されてしまっていた不二も英二も、
自分を流した群れのお嬢さん達に上手く宣伝してくれたらしくてそのお嬢さん達もきてくれてた様子。
やはり持つべきものは役立つ友ですな☆