闇鍋
「越前」
「なんスか」
「何故ココにいるんだ」
「部長こそ」
「・・・・・」
「・・・・・」
「「はぁ〜」」
仏頂面で睨みあって(?)いるリョーマと手塚の居る場所
それは俺の家の居間だった。
なんで二人がここにいるかというとだ
まずはリョーマの場合
「リョーマ、明日俺んち一人だから遊びに来い!」
「一人で寂しいんスか?」
「そおゆうことだ!」
「・・・・・」
・・・何?何でそんな疑わしそうな目で見て来るんだよ
「なんか企んでます?」
「・・・・・なわけないだろ!!」
「(その沈黙は何!?)」
「来るのか?来ないのか?」
「・・・行きます」
せっかく先輩が誘ってくれたんだし・・・・
ということで犠牲者二人目ゲット!!!
そして手塚の場合
「」
「おっ、手塚じゃん。どうした?」
「この間言っていた本だが」
「あぁ、あれね。明日家に取りに来て。明日部活ないんだろ」
「何故知っている」
何故って、それはな
「英二が”休みだー!!”って騒いでたから」
「(なるほど)」
「何、もしかしてすでに予定決まってた?」
「いや、わかった。明日取りに行かせてもらう」
「りょーかい。待ってるよ☆」
ということで犠牲者三人目ゲット!!!!
ちなみに犠牲者一人目は俺
どおゆうことかというと先週の休みに珍しく部屋を片付けていたらある物を見つけてしまったのだ。
それは、むかーし昔。何の意味もなく突然乾に渡された”闇鍋セット”という代物
名前だけ聞いてもヤバ過ぎ!!ということでどうしようもなく受け取ってしまった後
俺はそれを部屋の奥の奥の奥の奥のおくーの方に隠していた。
その時に捨ててしまえ!とも思ったのだけど後で何がおきるか分からない怖さにそれはできなかった。
それを、とうとう発見してしまったのだ。
恐る恐る観察してみると、まさしく闇鍋!!といった感じの真っ黒な鍋
もうこれだけでもなんだかヤバさが滲み出してるよーとか半泣きになりつつひょいとひっくり返してみれば
そこには・・・・・賞味期限来週の日曜まで!?
おいっ、ちょっとまて!!こんなものに期限てあるのか?何の期限だよ!!
などと延々騒いだ後、馬鹿なことに俺は本当に馬鹿な好奇心が出てしまった。
そう、それは一体どんな代物なのだろうかと。一体どんな味がするのだろうかと
でも俺一人がヌイの犠牲者になるのが悔しくて悔しくて
だから犠牲者を増やすことにした。
そして選ばれたのがリョーマと手塚
まあね、他にも誘おうと思ったんだけど帰る前に見つけたのがこの二人だったってのと
家に誘う理由がその時丁度あったのもこの二人だったからというのが選んだ理由なんだけどね。
選ばれてしまった二人は俺共々一緒に逝ってもらおうと思ってね
うん。なんだろう・・・絶対に無事にすまないっていう確信が俺の中にあるからね
なら止めとけ!って言われそうなんだけど。。。でも気になるし?
まあホント、俺の好奇心に付き合わされる二人には、運が悪かったと人生諦めてもらおう
「先輩。キッチンで何祈ってるんスか?」
ほえっ?掛けられた声に振り向けばいつの間にやらリョーマが来ていて
なんだか物凄く馬鹿にしたような目で俺を見ていた。
何。俺、リョーマにそんな目で見られるようなことした?
と自分の格好を見てみれば、両手合わせて祈りのポーズをしていた。
・・・・・あぁ、こりゃ馬鹿にされるよな
自分で納得してやっとそのポーズをといた。
「で、俺や部長を呼びつけて今から一体何をやるんです?」
なんだかこの口調
俺が何か企んでるのが丸分かりって感じ。
勘よいからねぇ〜。でも運悪いよねー
「んー。鍋。しようと思って」
「鍋?」
「そっ、食べたくなったんだけど俺一人じゃ作ってた食べても味気ないし
鍋だから少なく作れないし。だから一緒に食べてもらおうと思ってね」
「ふーん」
相槌打ちながらも俺を見る目が「それだけじゃないでしょ」って言ってるよ
でも今から逃げようとしても逃がしゃしないけどさ
「さ、これ持ってって。手塚も!!持ってくの手伝ってくれ」
「またいきなりお前は何を思いつくんだ」
あはははは。リョーマが本気で言ってんの!?って顔で手塚の顔見てるよ
そうだな。今の手塚の発言て俺が何か企んでるかなんてまったく気づいてないって感じだったからな
良いんだ、リョーマ。手塚はこおゆう奴なんだよ
怖い顔してるけど、鬼のように走らせるけども心の中は人を疑うなんて思いもしない純粋な奴なんだ!!
「」
「何?」
「何故哀れむような目で俺を見る」
「・・・・・・・」
「俺、哀れむような目してたか?」
「してましたね」
「えっと・・・・・気にするな♪ほら、これ持ってけ♪」
おもいっきしの誤魔化し笑いで手に持ってたのを手塚に渡すと
奴は不審そうな顔をしながらもちゃんと持っていってくれた。
「ほら、リョーマもこれ持っていって・・・食べよう♪」
「本気ですか?」
「本気♪」
「・・・・・・はぁ〜」
疑いながらもちゃんと従ってくれる辺りお前も可愛い奴だな
てことではじまりました闇鍋大会!!
「」
「何?」
「何故電気を消す」
「んー、闇鍋だから♪」
部屋が暗くて表情は見えないけどもきっと皺寄ってるな
そしてリョーマ、逃げるな!!!
こっそりと逃げ出そうとしていたリョーマの襟首を掴んでもとの位置に引きずり戻す
「先輩、離して下さい!!」
「逃げないか?」
「・・・・・足を挟まれてどう逃げろと?」
いや、お前なら蹴って逃げるかな?と思って
でも逃げないって言うなら話してやろう。
とかいいつつも鍋からぐつぐつと音が聞え始めた。
「さあ、皆の衆、覚悟は良いか?」
「(皆の衆って)っス」
「・・・・・・・・・」
「手塚?」
「さっさと始めろ」
おや、待ちきれないのかい?なら一番最初の挑戦者は、手塚!お前だ!!
「さあさ、どんどん食べろ!」
そういって手塚の前に鍋を押しやった。
「、止めろ」
ん?押しやりすぎた?それはごめんよ。とにかくさっさと食べろ?
そうしたら手塚が鍋から何かを引き上げて皿にいれたような気配がした。
まあ、闇鍋といってもさっきヌイ作調理メモを見たら普通の材料だったし、それをぐつぐつ煮ただけで
この黒い鍋に入れる以外は普通の鍋だった。
だからまあたいしたことにはならないかな?なんて油断したのがまずかった。
「・・・・・・・・くっ!?」
んっ?
今なんだか手塚から変なうめき声が聞えたような?・・・・とか思った途端に”バタン”と音がした。
「・・・・・手塚?」
「部長?」
俺やリョーマが呼びかけても返事は全然なし。
何?今のバタンって音ってもしかして倒れ伏した音なわけ?
「・・・・・・・・先輩」
「・・・・・・・・どうした?」
「やめませんか?」
「・・・・ここで止めたら手塚の死が無駄になる」
「(死って・・・)」
まだ死んでなかったけか?
とにかく手塚の勇気を無駄にするわけにはいかない!!
「リョーマ!!次行け!!」
「なんで俺が!!」
「先輩の言うことはきくもんだ!」
「いくら先輩でもんな無茶聞けないッス!!」
・・・・・問答無用!!
がしっと暗闇の中、リョーマを捕まえて適当に鍋から掴んだ物を口に詰め込んだ
「ちょっ、止めてくだ・・・・・・・ぐほっ!?」
リョーマ、お前の死も無駄にはしないよ!!
つーか、これで生き残ったのは俺一人?
「あは・・・ははははは・・・・・・俺をおいて逝くなぁぁぁ!!!」
うわぁぁぁぁん!!俺も逝くからまってろよぉぉぉ(><)
もうここまで来ると自分で何考えてるかとかそんなの全部飛んでって、よせば良いのに鍋を大口一杯ほうばって・・・
二人が逝った世界に俺も旅立っていった。
その後、俺達3人は泡吹いて倒れているのを帰ってきた俺の親に発見されて
なんとかこちらの世界に戻ってくることができた。
やはりヌイから貰ったものは十分気をつけた方が良いと改めて思った。
というかこれで何回目なのだろう。
翌日学校に行った俺達は死人と化していて、それはそれは楽しそうな顔をしたヌイに出迎えられた。
どうやら奴は期限ぎりぎりで俺がアレを使うだろうと予測していたらしい。さすが、さすがだヌイ!!
ちなみに普通の材料が殺人的な味に変わった原因
それはやはりあの黒い鍋だったらしい・・・・どうも試作品だった乾汁をたっぷり染み込ませたものだとか
一体どうやったらあんな風に染み込むんだよ!!
なんで黒くなってんだよ!!
あの賞味期限て何なんだ!?
そんな俺の数々の疑問はヌイの逆光の前に跳ね返されてしまった。
それにしても、こちらの世界に戻ってくることができて本当に良かった。
そして手塚にリョーマ、お前達もとりあえず無事で本当に良かった!!
これからは馬鹿な好奇心はなるだけ控えるようにするよ・・・ということを次回まで覚えてられるかどうかは疑問だけどな