クリーニング






テニス部部室の屋根の上

そこに俺は大の字状態で寝転がっていた。

昨日まで降り続いていたので久々に浴びる太陽の光が気持ち良い

なんだかこのまま寝てしまいそうだ。

と、うつらうつらしかけていたらどうやら部活にやってきたらしい部員の声が聞えた。

けど丁度気持ちよい眠気の波が襲ってきたのでそのまま波に流された。



「越前、見なかったか?」

「見てないっすよ」

「そうか」

「いないんスか?」

「あぁ、先に部室に行くと行ってたんだが。中に鞄は置いてあるんだけど姿が何処にも見えなくてな」

先輩のことだから何処かで寝転がってるんじゃありません?」

「やはりそお思うか?・・・あっ、不二」

「っス」

「大石も越前も中に入らないで何してるの?」

見なかったか?」

「見てないけど・・・”また”いないの?」

「そうなんだよ。今越前とまた何処かで寝転がってるんじゃないかって話をしていた所なんだ」

「そうだね、だしね」



眠ってたらなんだか周りの・・・というより下から声が聞え初めて

自分の名前が出てくるので耳を澄ましてみると声の主は最初は大石と越前で後から不二が加わった。

どうやら会話の内容から俺を探しているらしいと分かったんだけど

俺、好き放題(という程でもないけど)言われてないか?

そりゃお気に入りの場所見つけたりとかするとそのままそこで寝転がったりするけどさ

そして今日みたいに寝ちゃったりもするけどそんな”だからね”なんて言われてるほどやってるかな?

自分の行動を振り返ってみて。。。思わず自分で納得してしまった。

納得してしまったんだけどでもやっぱりなんだかなーと思って目をパチリと開いて

仰向けからうつ伏せになり、音を立てないように慎重に屋根の際、

大石や越前や不二達がいる場所に匍匐前進で進んでいった。

そこでそっと顔を覗かせてみると3人とも俺には気づかないでまだ俺について好き放題言ってる。



先輩って何時見てもだれきってますよね」

「そうだね。しゃんとしてるのを見る時って少ないね。授業中はどおなの、大石?」

「授業中もそうだよ。机に伏せて寝てる。

でも、当てられてもちゃんと答えれてるから今はもう先生も何も言わないよ」

先輩がしゃんとしてる時ってあるんスか?」


「「「あるよ」」」


越前の言葉に思わず答えてしまった。

そして不二と大石とハモってしまった。

大石は違うかもだけど不二は”ない”って言いそうな気がしたからちょっと嬉しかったかも♪

なんて幸せ気分に浸ってたら下に居た3人は

突然降ってきてそれもハモった声に驚いて俺のいる所を見上げた。

!?」

先輩!!」

「よっ」

越前と不二は驚いた状態のまま俺の名前を呼んで・・・大石はどうやら驚きのあまり声が出なくなってるみたいだ。

そんな3人に俺は屋根の上から軽い挨拶を交す。

、そんな所で何やってるの?」

「ん。久しぶりに晴れたから光合成中♪」

「先輩って植物ですか」

「越前、面白いこと言うな(^^)」

・・・・危ないから下りて来てくれ」

あっ、大石が胃を抑えてる。

そろそろ限界かな?

これ以上心配掛けて胃に穴あけちゃいけない。と俺は降りることにする。

「えいっ!!っと」

掛け声駆けて飛び降りた俺に拍手が聞えて、見てみれば

不二がにこにこ笑いながら拍手してくれた。

「相変わらず身軽いね」

「ありがと♪」

「菊丸先輩並?」

「いや、あそこまで行かんて」

菊丸程にあんな身軽にはいきません。同じようなことしたら絶対に大怪我しそうだし

ま、とりあえず

「越前」

「なんスか」

「俺だってしゃんとすることはあるぞ!・・・・たんまにな」

ほんとたんまに。だってずっとだと疲れるからねー

しゃんと・・つーか真面目にっつーか、それは俺には合いません。

「どんな時ですか?」

んー、例えば・・・ってなんでそんなに聞いて来るんだ?余程気になるのか?

「例えば皆が練習に励んでる間にマネージャーの仕事してる時がそうだよね」

俺が話そうとした横から不二が楽しそうに越前に話す。

おいっ、今俺が話そうとしたのに割り込むな!!

でも間違ったこと言われたわけじゃないからいいんだけど

「・・・・・・・・・先輩ってマネージャーだったんですか!?」

んっ、なんでそんな驚いてるんだよ。知らなかったのか?

「大石、お前1年に俺がマネージャーやってるって言わなかったのか?」

俺が降りてきてから黙ってる大石に顔を向けると・・・ありゃ?

どうやらさっき飛び降りるのを見たショック(?)で胃を抑えてしゃがみ込んでいた。

あー、穴開けんようにと思ってやったことが逆効果になったかな?

すまん。大石!

「そおいえばまだ言ってなかったかも?」

答えたのは不二で、何やら記憶を掘り返してるみたいだけど答えたことに自信がない為に首を傾げてる。

「んじゃ、言ってなかった事にしといて今日あたり手塚にでも伝えてもらおうかな」

「でものことは皆部員だと思ってると思うよ?」

・・・・なんで?

「俺も思ってたっス」

だからなんで?

「だって、部活に姿見せてると思ったらいつもコートで誰かとラリーしてるじゃない」

そりゃそうだけど、手塚の姿が見えたらすぐに止めてるぞ?

それに本練習が始まったらコートから立ち退いてるし

それでも部員だと思ってたのか?

「思ってたっス」

なんでだよ!!

「俺は部員じゃないからな。マネージャーだ。覚えといてくれよ!」

部員だなんてとんでもない!!

お前らみたいにあんなハードな練習こなせるかってんだ!

そーいえば。。

「大石、なんで俺を探してたんだ?」

さっき探してただろう?まだしゃがみ込んでいた大石に同じようにしゃがみ込んで聞いてみる。

「雨で溜まってた洗濯物をやってもらおうと・・・」

あぁ、なるほどね。洗濯物、部室の隅に大分溜まってたな・・・あれだけ溜まってるのを一気に洗うのは

やりがいありそうだ!!やる気が出てきたぞ!!

来ていた体操着の袖をたくし上げて出ない力瘤を出す真似なんかしてみた。

「んじゃ、俺仕事してくるわ。お前らそろそろ時間だぞ。遅れると部長に走らされるぞ!!

それと大石、あんま無理すんな?じゃ!!」

言うだけ言うと俺は部室の中に汚れ物を取りに入った。

先輩のしゃんとする時って・・・」

「そう。マネージャー業に励んでる時だよ。それも誰にも知られずこっそりとするのが好きらしい」

「はっ?なんで誰にも知られずこっそりなんすか?」

「真面目にしてる所を見られるのが嫌なんだって

だから僕たちが目にするの姿はいつもダレてる姿なんだよ」

「・・・・先輩って変ですね」

「だね・・・・大石。大丈夫?部活出れそう?」

「あぁ・・・なんとか」

の言う通り無理は駄目だよ?」

「ありがとう。。。さあ、行くか」

 

 

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