「えーと・・・これをこーしてまわし・・・て?」

あれっ?違ったっけかな?

ここを交差する所までは合ってると思うけど、この後どうするんだったけ?

はぁ〜、ややこし過ぎて訳わかんねーよ。






ネクタイ






俺が今格闘してるもの、それはネクタイ。

なんで俺がネクタイと格闘してるかというとだ。。。

朝、居間に行くと部屋中に父さんの服が散らかっていて・・・

どうやら急に会社の人の不幸があって奥に直してた服を引っ張り出したらしい

それを父さんが出て行った後に母さんが片付けていた

で、俺は足元近くに放り出されていたネクタイを拾い上げて母さんに渡そうとしたんだけど、

なんでか急にしてみたくなった。

小さい頃からネクタイ締めて出掛けていく父さんの姿が格好よくて憧れてた。

けど、学校の制服はガクランだし、ということで今まで一度も絞める機会なんてなくて

そんなネクタイが今俺の手に!!

ということで(?)急に今挑戦してみたい気分になって

父さんの服を片付けてる母さんに一言告げて

俺はネクタイ片手に自分の部屋に戻った。

それから30分、ずっと格闘しつづけていた。

絞め方なんて母さんに聞けばすぐにできるようになるだろうけどそれでは悔しい

だから昔何度も見た父さんが絞める姿を思い出しつつやってみるのだが・・・

これが上手くいかない。

確かこうやってたようなー、なんて記憶はあるのだが

自分ではその通りにやってるつもりなのだが何処か違うらしくて全然上手くいかない

最後の方になるともうイライラしてきて、今じゃ投げ出す寸前まで来ている。

これはやはり諦めて母さんに聞いた方が良いのかな?

悔しいよなー。。。。でも仕方ないしなー

「そこを交差した後、長いほうを間に通すんだ」

ぼーっとしてた俺の背後から声が聞えた。

「間?」

「そう」

間・・・かぁ〜

さっき通してみて違うかったんだけど。

でもそういわれるとやっぱり合ってたような気がするよなー

・・・・・・・・て!!!

やっぱりできねえじゃん!!

通す所を間違ったか?

でも通す場所なんてここからしかないのになんで出来ないんだよ!!

、わかってはいたけど不器用だね」

やかまし!!お前に言われたくないんじゃー!!

あれっ?俺ってばさっきから誰と話してんだ?

でもこの声、無茶苦茶聞き覚えあるんですけど・・あれっ?

不思議に思って振り返ろうとする俺の顔の両側をニョキっと腕が伸びてきた。

何!?何事!?(@@)

プチパニックを起こす俺に背後にいるやつは気にせず構わず覆い被さってくる

ぎゃぁぁぁぁ!!!ダレだよぉぉぉ!!

と、そこまできて急に頭ん中が冷静になった。

ちょっと待て!!騒ぐな俺!!よく考え・・・なくても俺にこんなことやる奴っていったら決まってる
じゃないか

そう、親以外に勝手に俺の部屋に入ってくるような奴といえば

「ヌイー!!どきやがれー!!!!」

「おや、。やっと気づいたかい?」

うーわっ!相変わらずのその淡々とした口調が憎たらしいったらありゃしない

「おっまえー、何時からいたんだよ!!」

「何時からだと思う?」

あのなー、質問してるのは俺なんだぞ、先に答えろよ。。。

思わずため息が出て、そんな時にシュっと何が布が擦れるような音がした。

何の音だ?と、音の発信源でもあった自分の首元を見てみるとそこには

「ヌイ!?いつの間に!!」

本日2度目のびっくり☆

俺と会話してる間にヌイは器用にもネクタイを綺麗な形で絞めていたのだ。

その後に覆い被さっていた身体をパッと離す。

振り向いて見たヌイの顔は”ニヤニヤ”そんな表現が相応しい表情で俺を見下ろしてた。

「お前。。。ネクタイ結べるのか?」

「だから今、結んだだろう?」

そういうと俺の首元に結ばれたばかりのネクタイを軽く指でつついた。

「何で出来るんだよ!!」

俺たちガクランなんだからネクタイなんて無縁の代物だろ?

「それは・・・」

「それは?」

「・・・・・秘密だ(キラリン)」

おいっ!意味深にひっぱって”秘密”ってどーゆーことだよ!!

しかも逆光メガネの効果音付だなんていつの間にそんな特技が増えたんだ?

。結び方、分からないなら教えようか?」

またもや先程と同じニヤニヤな表情で言われて・・・素直に”教え下さい”なんて誰が言える
か!!

「いらねー!!ぜってー自分で出来るようになってやるんだからな!!」

びしっとヌイに指を突きつけてもう片方でネクタイをシュっと解いた。

絶対にお前になんか教わらないからな!!!

 

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