「大変にゃぁ!!!」

大声あげて部室に飛び込んで来た菊丸のもたらした情報が

今回の騒ぎの始まりだった。






転校パニック!?






「英二、どうしたの?そんな大声あげて」

「大変なんだよ!!!」

「何があったんだ?」

「あぁぁぁぁ!!!どうしたらいいにゃぁぁぁ」

「菊丸」

「うにゃぁぁぁぁぁ!!!!」

皆の質問を無視して一人大変だ大変だと騒ぐ菊丸に不二が無言でラケットを顔面に投げつけた。

「不二、ラケットは人を傷つける為のものじゃない」

「大丈夫!英二は”人”じゃなくて”猫”だから!」

自信満々な答えに手塚は思わず「なるほど」と納得しそうになって慌てて”違うだろ!!”と心の中でつっこみを入れた。

「不二」

「やだなー、手塚。冗談だって♪」

お前の冗談は冗談に思えないと思いつつ投げつけられた菊丸を見れば

顔の丁度真ん中に縦一直線にラケットの型が入っていた。

知らない者が見れば間違いなく一目見て噴出すことだろう。

「冗談であろうがなかろうがあんな風にラケットを使うのは・・・」

「はいはい。もうしないよ。

でもああでもしないと英二ってば今もきっとにゃあにゃあ騒いでたよ?それでも良かったの?」

そう聞かれると、否とは言えなかった。

「しかしそれなら他にも方法が」

「じゃあ、いつもみたいに”グランド1000周!”って走らせる?

それだと英二の”大変だ”っていう内容がわからないままに1週間くらいたっちゃうよ」

それでも良かったの?

と聞かれて、手塚は押し黙ってしまった。

そこでやっと二人の会話を聞きながらも他人のふりをしつつ倒れた菊丸の介護をしていた大石が口を挟んだ。

「どちらにしても英二がこの状態じゃ聞き出すことはできないぞ」

「それは大丈夫。乾」

「あぁ」

不二に話を振られた乾はごそごそと鞄の中から水筒を取り出しその中の恐怖の液体をコップに注いだ。

「これを菊丸の口に注げば一発で起きるよ」

キラリと逆光眼鏡を光らせて告げた乾に、部室の奥では桃城が

「英二先輩。成仏してください」

そう呟いてナムナムと手を合わせる姿があった。

越前や海堂、河村に至っては関わらないようにと顔背けている

「い、乾!!そんなことしたらさらに目が覚めなくなるんじゃないか!」

「なら大石。これは君が飲むかい?」

「英二、スマン」

あっさり見放された菊丸。

コップを口元に近づけた途端

「・・・・・っぁ!!!んなことせんでも起きるわぁぁぁぁぁ!!!!」

飛び起きた。

「ほらね」

「さすが乾。こうなることを予測してたのか」

「当然だ」

おぉぉ!!さすが乾(先輩)だぁぁ!!と皆に拍手喝采送られている乾の後ろでは

「みんなひでぇぇ」

と涙ながらに大石に訴える菊丸の姿があった。

「で、一体何だったんスか?」

本題に迫る質問が越前よりなされてようやくそれまでの騒ぎは一段落し、

皆の視線が菊丸に集まる。

「そうだった!!大変にゃんだよ!!」

「だから何が!!」

一斉のつっこみを受けて菊丸は驚きで目を見開いた。

「えーと。。。あの・・・そう!!俺職員室で聞いたんだ!!」

そこで台詞を止め、自分を見つめる皆の顔を一つ一つ見た後に

聞いて驚け!!とでもいうように一気に告げた。

が、が転校するって!!!!」

「なにぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

菊丸の告げた爆弾発言に皆の驚愕の叫びが部室内だけに留まらずテニスコート、はては校舎にまで響きわたった。

「英二、それ本当なの?」

「菊丸先輩、それって聞き間違いとかじゃないんスか?」

が転校だなんて」

「手塚、同じクラスでしょ?そんな話聞いた?」

「いや、何も。」

「・・・・・何か、普段と様子が違ったとかなかったスか」

「普段通りだ」

きっぱり言い切った手塚に、皆はやはり菊丸の聞き間違いか何かだったのだろうと思い始めた。

が、そんな空気を察知した菊丸は

「本当だって!!!先生がに書類渡して”本当に言わなくても良いのか?”って聞いて

が”いいです。”って答えてたにゃ!!」

珍しく真剣に訴える菊丸に、では本当のことなのかと皆を衝撃が襲った。

「英二、それは本当にだったのか?よく似た別人とか」

焦ってそんなことを言う大石に乾が冷静につっこみをいれる

「世の中には3人は同じ顔の奴がいるとはいうがこんな身近にいたならば話に上るだろう。」

だからそれは絶対にないだろう

「そうですよ!先輩みたいな人がそうそういるわけないですよ」

「じゃあ、やっぱりだってこと?」

「英二先輩。いつ転校とか何かいってましたか?」

「いや、さすがにそこまでは聞いてなかったにゃ」

が転校って聞こえて頭パニックになってそのまま職員室を飛び出してここまで来たから

ぼそぼそという菊丸に皆は心の中で「一番肝心なことを聞き忘れるなよ!!」とつっこむ。

まあ、それを声に出して言うのは当然のことながら越前で

「じゃあ、何処の学校に行くかとかも全然聞いてないってことっスね」

「うにゃぁ」

項垂れる菊丸を一瞥して越前は部室の出口に向った。

「越前。どこにいく」

「ここで騒いでても埒があかないので直接先輩に聞いてきます」

「ちょっ、越前!」

止める間もなく越前はドアノブに手を掛けてドアを開く

「うわっ!?」

そんな開いた扉にびっくりして声をあげたのは

先輩」

「あっ、越前だったの?開けようとしたドアが急に開いたからびっくりしたよ」

ニコニコと不二に劣らず笑顔が眩しい今話題の人。だった。

彼はびっくりして固まる越前や中にいる者達を一切気にせず部室の中に入ってきた

「今日は良い天気だね。まさに洗濯日和!!

溜まってる洗濯物一気に洗濯するから皆洗うものあったら今のうちに出してねー♪」

そう言いながら部室奥の汚れ物を置き場から山となっている洗濯物を移動させようとする

「あっ、。手伝うよ」

「タカさん、ありがとう」

ニコッっと感謝の言葉を述べて、何気なく、静まり返ってる部室内を見回した後

ある一点に目を止めて噴出した

「英二・・・・」

「・・・・にゃ?」

「その顔どおしたのさ?どうやったらそんな跡ができるの?」

「にゃぁぁぁ!!!これは不二がぁぁぁ」

「不二?また何か怒らせるようなことしたんでしょ?」

「オレは何もしてないにゃ!!」

「そお?じゃあ。そおゆうことにしといてやろう」

えっへんとでも聞えそうな口調に

「何でそんな偉そうな・・・・・」

「あはははは。なんとなくね。似合わないか?」

先輩にはちょっと」

「そお?・・・・・・海堂もそお思う?」

「・・・・・・・・フシュー」

越前の言葉に首を傾げながらは近くに居た海堂に意見を聞いてみるが

ふいっと顔を背けられて

「海堂にも似合ってないって言われちゃったよー。慰めて!!桃!!」

うわぁぁぁん!!と泣きまねしつつ桃に体当たりした

「うわっ!?先輩。いきなりは止めてくださいよー」

「ふふん。桃もまだまだだね(^^)」

「その台詞もまたには似合わないな」

「うっわ!そんなこというなよなー乾」

ぶーぶーと文句言いながらももう一度部室内を見渡した後、ポツリとつぶやいた

「何か今日変!!」

「何がかな?」

「なんかさ、今日は皆なんかノリが悪いというか何と言うか・・・何かあったのか?」

じーっと正面から見つめられた乾はわずかに苦笑した。

「何も・・」

「何も無いという雰囲気じゃないぞ?それに俺がさっき入ってくる前には

ものすごい大声で皆して叫んでたろ?俺に内緒事とは水臭いぞ?」

さあ、話せ!!俺も仲間に入れろ!!とのたまうに不二が一歩前に出た。



「不二、何?」

「僕達もさっき聞いたばかりで本当かどうかはまだわからないんだけど・・・」

「本当だって!!」

「英二は黙ってて」

ぴしゃりと言われて菊丸は口を噤んだ。

。転校するって本当?」

「転校・・・って、俺のこと?」

「そう。英二がさっき職員室で転校のことで話してる先生とを見たっていうんだよ」

それは本当のこと?

この質問の答えを皆緊張しながら待つ。

答えによっては自分達の大事な大事なマネージャー・・・じゃなく友人がいなくなってしまうことだから

しかし、は今の話は初耳だといった表情をしていた

「えーと、職員室で先生と話してたのは本当だけど転校はしないぞ?」

なんでそんな話になってんだ?

「えーいーじー!!!!」

「英二先輩!!!!!!!」

の発言後菊丸に皆から「覚悟はできてるかな?」といった殺気が向けられた。

その事をいち早く察知した菊丸は慌てた

「で、でもでもなんか書類もらってたろ?でもってあの会話・・・」

自分が聞いた内容を話すとは「あぁ、あれね」といった反応をした

「ほらっ、やっぱり転校・・・」

「転校はしないって。ただ家が変わるだけなんだよ」

「どおゆうことだ?」

「うん。後で話そうと思ってたんだけど今度俺ん家引っ越すんだ。

書類はその手続きの為。先生との会話は先生が朝礼の時にでも引越しの話をするか?

っていうからそんな大袈裟にしないでもと思って。だから断ったんだ」

「でも引っ越すってことは学校・・」

「変わらんて。何?そんなに俺を転校させたいわけ?」

「なわけないでしょ。がいなくなったら今の半分も学校に来る楽しみがなくなるよ」

「まーた不二ってば口上手いんだから」

「僕は本当のことをいったまでだよ」

「それは光栄!!ありがとう」

「どう致しまして♪」

「にゃぁ!!二人だけの世界を作るなぁぁ!!!」

「そうですよ。独り占めずるいっスよ、不二先輩」

こんな面白い奴らがいる場所をそんな簡単に離れるわけないじゃないですか!!

もし本当に転校なんて話が出ても俺は一人暮らししてでもここに残るよ?

「で、まあ、引越しというのは親父がさ、今の家から数分の所に念願のマイホームを買ったんだよ!!」

てことでそこに引越しするってだけの話さ

「なるほど。そゆうことっスか」

「そうゆうことさ」



「何?」

「あんまり心配させるな」

「あはははは。ごめん。でも早とちりした英二も悪いよ」

「ごめんにゃー」

「これにこりたら次からは真相を確かめてから話をしてね。

まあ、今回は○ク○のバーガーの驕りで許そう!!」

「りょーかいにゃ!!今日の帰りにみんなでよるにゃ」

「僕達の分も当然英二が奢ってくれるんだよね?」

「なんでそうなるんだよ!!」

「だって僕達は君の早とちりな情報で振り回されたんだから当然のことでしょ」

「英二先輩、ごちそーになります!!」

「先輩!!俺はバーガーにポテトもつけて欲しいっス!!」

「にゃぁぁぁ!!奢るのはだけにゃぁぁぁ!!!」

ぎゃーぎゃーとまた騒がしくなり始めた皆を見て手塚は額に皺を寄せ

何時もの言葉を怒鳴った。

「お前達!!グランド50周だ!!」

「えぇぇぇぇぇ!!!」

「文句あるなら増やしてもいいんだぞ!!」

「手塚の鬼ー!!」

「菊丸、10周追加!!」

「にゃぁぁぁ」

どたばたと部室を出て行く部員達をは笑顔で見送った。

「手塚、程ほどにしとくんだぞー」

「わかっている。お前も洗濯するなら早くしないと日が沈むぞ」

「うわっ!?忘れてたよ!!手塚サンキュー」

急げ急げ!!と自分も部室を飛び出して洗濯場に走っていった。

こうしてある日の騒ぎはようやく治まった

 

 

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