先輩」

「ん?越前なんだ?お前から話しかけてくるなんて珍しいな」

今、部室に残っているメンバーは自分に話しかけてきた越前に

鍵当番の大石におしゃべりに夢中になっている菊丸に不二の5人だけ

俺は英二と不二の会話にたんまに頷いたらつっこみいれたりしてたのだけど

急に越前に袖を引かれて、今は俺と越前との会話にさっきまで楽しそうに会話してた

英二と不二は興味津々といった感じでこちらを伺っている。

「先輩。俺が声掛けたときに一度上を見てから視線を下に下げるの止めてくれません?」

「あー、悪い!ほらっ、俺ってお前ら1年が入ってくるまで一番ちっさかったわけだから

誰かと話すってことになると自然上向かなくちゃならなかったからさ、

だから俺よりちっちゃい奴と話すのにはまだ慣れなくてなー」

自然、一度目線を上げてしまうんだよ。

と説明する俺に越前は恐ろしいほどの目つきで睨みつけてくる。

何だろう、そんなに上見てから下見るの嫌だったか?

ー、おチビはちっさいに”ちっちゃい”って言われて怒ってるんだにゃ」

えっ!?そうなのか?・・・と言われても事実は事実だし

「すぐに先輩より大きくなるんで気にしてないっス」

気にしてないと言いつつ声、怒ってるよな(汗)

「でも、その為には牛乳2本だよ。越前飲んでる?」

うわー、不二さんてばナイスつっこみ

越前さん怯んでますのことよ?このままいっちゃえ!!って何をだろう?

「ところで越前君。何用かね?」

まだ話しかけられた理由を聞いてないぞ?

「菊丸先輩に聞いたんですけど、先輩が主夫って本当ですか?」

「げっ!!英二!お前、何話垂れ流してるんだよ!!」

「本当のことにゃ」

いや、本当だからと言って言ってもよいことにはならんぞ?

つーか、俺はお前には言ってないはず!なんで知ってるんだ?

「大石、話したか?」

「いや、俺は話してはないんだけど・・」

”ないんだけど”何?

その語尾が小さくなっていく辺り気になるよ?

「この間、僕と英二でのクラスに行ったでしょ」

来たな。英二が英語の教科書忘れたから大石に貸してもらいに来てた。

でもって不二も付き添いとかいってきてたな。

中3にもなって忘れ物したからと借りに行くのにわざわざ付き添い必要なのか?

とその時密かに思ったさ。

「密かにじゃなくてはっきり口に出してたよね」

大石も聞いてたよね?と不二が大石を見る、俺もつられたように見ると

大石は苦笑しながら頷いた。

・・・・・・・・俺、言ったか?覚えないぞ

、そんな年から物忘れがひどくなっていくなんて可哀想に」

不二、お前つくづく失礼だな!!

たまたま忘れてただけだ!!たまたま・・・・で、クラスに来てなんだって?

「山ちゃんらが固まっては主夫なんだ!と涙ながらに熱く語ってたにゃ」

山ちゃん!!話流したのはお前らか!明日覚えてろよーって

「英二、人様のクラスメイトの会話を盗み聞きはいかんぞ?」

「盗み聞きなんかしてないにゃ!!ちゃんと混ぜてもらった!!」

「勝手に混ざるな!!」

「だって山ちゃんらだし!!」

「たとえ山ちゃんらでも・・・って、お前山ちゃん知ってるのか?」

「去年同じクラスだった」

「ならよし!」

「・・・・いーんだ」

「いーんだよ」

つーか、山ちゃん、何でそんな話を?

「前の家庭科の被服実習でが完璧だったからじゃないか?」

「でもあんな実習ちょろいだろ?」

「いや、結構難しかったよ?」

手先が器用そうな大石が難しいというなら難しかったのかな?

でも俺には簡単だったけど・・・

うーん、と考えてたらまた袖を引かれて、今度は上向かずに下を見た。

「で、なんで主夫なんスか」

「それはだな。語るも涙、聞くも涙な話なんだ」

「話してください」

「僕も是非聞きたいかな」

俺も!!俺もよいかな?って・・結局全員が聞く気まんまんて感じで俺に注目する。

あはははは・・・・そこまで面白い話ってわかけじゃないんだけど、ま、いっか




なんつーか、母さんが料理音痴っていうか調理音痴っていうか

とにかく料理させると危険で仕方ない!

母さんがキッチンに立つと謎な爆発音とか聞えたり煙が立ち込めたり強烈な刺激臭がするなんて

当たり前

もちろん使う調理器具も謎な溶け方したりとかで使い捨て状態。

次の日には必ず買い揃えなければいけないという

そこまでひどい状態になって作られた料理

普通ならこの展開的に「なんでこれでこんな美味い物が作れるんだ!?なんてことに

なると思ったら大間違い!!

どうやったらここまで人間の食べ物じゃないものが出来るんだ?

という展開にいってしまう。

ので、小さい頃の俺と父さんは常に腹をすかせて忍び泣く日々

そしてとうとうやってきました転換日

いつまでもこのままだと餓死してしまう!と生命の危機を感じた俺はその日から

父さんと共に母さんに代わってキッチンに立つようになって、

でも、父さんは仕事があるから実際に立っていたのは俺

もうあっという間に料理の腕あがったね!!

ちなみに母さんは料理以外は大丈夫なのか?というとそっちも全然駄目で

結局、主婦業といわれる物は全部俺担当となったわけですよ

そして今も主婦業の腕、常に上がり続けておりますよ。

で、主婦って言われても俺男だし・・・なので主夫

「ということで理解したか?」

「したっス」

・・・苦労したんだね(TT)」

あぁ、苦労しっぱなしさ。

朝起きれば朝食の準備をして掃除機掛けて、

学校行っても途中雨が降れば干した洗濯の心配をし、

部活で18時過ぎればタイムセールに間に合うかの心配をし

・・・・・これって中3の男の悩みじゃないよな

「大石」

「ん?」

「この苦労する気持ち・・・なんだかお前に親近感を感じるよ」

「・・・・・・ハハハ」

、僕今度の主夫の腕を味わってみたいな♪」

「それはつまり俺に食事を作れ・・と」

「うん。今週末は母さんも姉さんもいないんだ。泊まりに来ない?」

で、僕に作って♪

ってそんなニコヤカに言われましても

「先輩、俺も食べたいっス」

「いや、食べたいといわれても」

「オレも!!オレも食べたいにゃ!!!」

「・・・・俺も」

「こうなったら全員泊まりに来る?そしてに食事を作ってもらって」

「「「賛成!!!」」」

俺が反対!って言う前に賛成の声に弾かれてしまった

はははは・・・・俺に反論の余地はないのね

「駄目?」

「・・・・・了解」

こうやって俺は主夫の階段をまた一歩上って行くんだね(TT)

 

 

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