テープ






「失礼しまーす」

中の返事を待たずにガラガラっとドア開けて、中を覗いてみれば

予想通り保健医の姿はいない。

だからなんでいつもいないんだよ、ここの保険医は!!

まあ、いないものはいないんだからこれ以上文句を言っても俺が疲れるだけだ

と不満はあるけどもとりあえず抑え込んでさてこれからどうしようかと考える

保健室に来るってことは当然怪我か病気であるはずで

今の俺はというと怪我の方

真っ赤に腫れている自分の足を見下ろして・・・自然ため息が出る。

受け身取り損ねてドジって足をひねってしまうとは我ながら情けない。

まさか投げられるとは思わなかったからな。ホント油断大敵だ。

なんてことを保健室の入り口でうだうだ考えていても仕方ない!!

自分で何とかせねば!!

とは思うんだけどやっぱ勝手に棚とか触っちゃダメだよな

それに何処に何がおいてるかなんて当然わかるはずもなし

どおしたものか?

部室に救急セットがあったものの、使用頻度高い癖に中身の補充をすっかり忘れてて

今自分に必要なものが全然入ってなかった。

今度マネージャーに行って足りない物を補充してもらわないと・・・

と、考える間に、部室に戻るはずが何故か

というかいつもの「部活中にフラリと他部に遊びに行ってくるぜ♪」コースに入り込んでいた。

無意識にコースを辿ってしまうとは我ながら、いつもどれだけ不真面目に部活動に参加しているかというのがわかってしまうな。

苦笑しながらも、でもここまで来て戻るのもしんどいと道を進む。

ちなみに足は腫れて痛い為にぴょんぴょんと飛び跳ねながらの移動。

ここまでするならさっさと部室に戻って対策考えろ!!という副部長の言葉が

聞えるような気がしなくもないがそれは無視の方向で♪

てことでやってきました!!テニス部!!

丁度こっちも休憩に入ったみたいで部員さんたちが出たり入ったりしてるよ。

これは中に紛れ込みやすいな(ニヤリ)

あの恐いテニス部部長の手塚の姿も見えないことだし

と、中の様子を伺っていたら見知った奴らの姿が見えた

ので、大声で呼んでみる。

「ふーじ♪えーいじ♪」

呼んだ瞬間皆の視線が集まったけど、何時ものか・・みたいな表情をして

皆また思い思いに寛いでいる。

てか何がどう”何時もの”なんだ?

俺が此処に遊びに来るのが?不二とか英二とかを呼ぶのが?

それともまた別の何かがあるのでしょうか?・・・一体なんだろう?

、何か考え事かな?」

考え込む俺の背後から不二や英二とはまた違う声が掛かった。

振り向けばそこには爽やか笑顔の苦労人大石の姿

「考え事って程のものじゃないけどな」

「いつも見計らったかのように休憩時に来るな」

「ははは。自分でも不思議なんだけどね」

なんつーか、勘?あんまり他の役には立たないけどな

「今日は手塚は休み?」

「竜崎先生に呼ばれてるんだ」

「なるほど」

んじゃ、長いな。てことでしばらくは騒いでても大丈夫ということだ♪

「程ほどにしてくれよ?」

「わかってるって。てか今日はそんな暴れれないしな」

そう、聞いてくれよ大石!!!実は!!!

と、足負傷の経緯を語ろうとした途端、後ろから

「足、怪我したの?」

振り返りそこに居たのは不二。その後ろには英二の姿もある。

呼ばれたから此処まで来てくれたのか。ありがとう!

は、良いんだけど!!なんで一々後ろから声掛けるのさ!

横からとか前からとか斜めからとか、とにかく背後からこっそり忍び寄って声を掛けるのは止めろ!!

心臓に悪いから!!なんて叫びたい衝動を抑える。

だって、言ったってどうせ聞いちゃくれないからな。

なぜならば不二だし、英二だから。

「それどおいう意味?」

「褒め言葉」

「・・・本当に?」

「俺にとっての褒め言葉。」

ほらっ、遠慮しないで喜べ♪でもって照れろ♪

「にゃんか素直に喜べない」

ぶーたれる英二を横に、不二は「褒め言葉なら貰っておくよ。ありがとう」とにこやかに返された。

やっぱね、ここらへんが”何故なら”がつく理由でしょ

「で、足、どおしたの?」

「ひねった」

「「えっ!?」」

”えっ”ってハモるなよ。大石に英二

てか大石、今まで会話していて気づかなかったのか?

「治療はしてないみたいだけど」

「相変わらずの保健医が留守で勝手に家捜しはまずかと思ってさ」

「部の救急セットは?」

「空っぽ」

、それは補充しといた方が良いんじゃないか?」

「うん。明日にでもマネージャーに買ってこさせる」

で、とりあえず今思いついたんだけど

「大石君。手当てしてくれないものかね?」

またぴょんぴょんと跳ねながらの移動は遠慮したいですが

「わかった。じゃあ、今から救急セットとってくるからそこのベンチに座っておいてくれ」

「サンキュ。テーピングだけでよいからな」

俺の声が聞えてるのかないのか、全部言う前に部室の方に走って行ってしまった。

がひねったなんて珍しくにゃい?」

座った俺に英二が上からのしかかってくる・・・重い

「油断したよ」

「油断は怪我のもとにゃ」

「英二もこの間油断して越前にボールぶつけられてたよね」

「にゃぁ!!不二、余計なこというなぁぁぁ!!てかあれは油断とかじゃない!!」

ちょーっとからかっただけなのにさ、むきになってボールぶつけてくるなんてやっぱおチビはガキだにゃ

うーん。俺は英二もどっちもどっちだと思うよ?

てかそんなことを言ってると・・・

「誰がガキだって?菊丸先輩、まだボールぶつけられ足りないんスか?」

「にゃっ!?おチビ!!!」

ナイスなタイミングで越前がやってきてそのまま会話に加わった。

先輩、足ひねったんスか?」

「ひねったかなんて見れば分かるにゃ」

「菊丸先輩には聞いてないっス」

「にゃぁぁぁぁ!!!」

あぁ、英二、お前遊ばれてるよ。やっぱ俺にはお前の方がガキに見えるな

「受け身に失敗したんだよ」

とりあえず越前の質問に答えを返せばじーっと見た後に

「ふーん」

とその一言だけの感想

「あっ、お前今、柔道部の癖に!部長の癖に!とか思っただろ」

「思ってないっスよ」

「嘘だ!!絶対思ったね!!」

「それは先輩の被害妄想という奴です」

「ちーがーう!!!絶対思ったんだー!!!!」

も”ガキ”だね」

いや、不二。そこは感想言うところじゃないから

この後、暴れはしないもののギャーギャーと騒ぎまくって

その間に戻ってきた大石には丁寧にそして手際よくテーピングしてもらいました。

お陰で部に戻る時には跳ねなくても全然平気!!痛くなーい♪と軽くジャンプすれば

やっぱちょっと響く

調子には乗っちゃダメってことだね

 

 

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