寿司アンルーレット






現在俺は今までの人生において数十回目となる生命の危機を迎えていた

目の前にあるのは大好物のお寿司♪

普段なら”いっただっきまーす!!”と目の前に置かれ次第口に運ぶのだけれど・・・

、食べないの?」

楽しそうに心から楽しそうにそして悪戯心いっぱいに微笑む不二の姿を見ると

いくら大好物でも食べる気失せるっショ

そう、俺を数十回目の生命の危機に陥れようとしているのは

紛れもなく今俺の前で微笑んでいる不二と大好物の筈のお寿司だった。

「そのお寿司、が選んだんだよ?」

「わかってる。」

わかってるけど食べたくない時もあるんだよ。

そう心に呟いてチラッと不二の背後を見てみる。

そこには白目向いて倒れ伏している者達が山と積み重なっていた。

横に視線を送ると

そこには申し訳なさそうな顔をして、こちらの方を必死で見ないフリしようとしている

タカさんパパの姿。

ごめんよ。パパさんのお寿司は本当に美味しくて大好きなんだけど

今日のお寿司は食べられないよ。てか食べたくないです(涙)

というより何で俺は此処でお寿司を食べろと迫られてたりするんだろうか・・・



思い返してみると

そういえば街をふらふらーっと歩いてたら前方に見慣れた面々が揃っていたので声を掛けたところ

どうやら今日は試合があったらしい。

でもってさすが!というのか当然!というのか勝利して

で、今から打ち上げにタカさんちにお寿司を食べに行く!!

というので

「いいなぁ・・タカさんちの寿司って美味しいんだよな♪」

と俺がぼそりと呟けば

皆が

「じゃ、もおいでよ!」

というので別に俺はテニス部の部員さんでもなくそれに今日の試合の応援をしにいったわけでもない

だから、残念だけど止めとくよーと言ったのだけど

「お祝いだから細かい所はいーの!!は”おめでと!”って言ってくれさえすればよいにゃ!!」

という英二とその言葉に頷く皆にひっぱられてタカさん所まで来た。

悪いなーとか思いつつんじゃ、来たのだから腹一杯食べよう!!

と開き直り皆の「乾杯!」の音頭に合わせて「おめでとぉ!!」と祝って

食べ始めたお寿司

うん。あれは美味しかった!!絶品だね!!

特にタカさん所はまぐろが美味しいから嬉しいよ。

スーパーとかと一緒にしちゃダメだけどそこで買ってきたものは美味しくないからね〜

これだけで満足!って感じ

その後には特に好物なハマチとかサーモンとか・・・あぁ、思い出してよだが出てきそうだよ

本当にあれは美味しかった♪

そしてそこまでは良かった。

誰が言い出したのかはわからないけどもいきなり皆の前にドンと置かれたのは

いろんなネタの乗ったお寿司達。

置かれてすぐに皆の手が伸びたんだけど横からストップがかかって・・

聞けばこのお寿司の中には一つだけ”アタリ”が混ざってる。

それを引き当てた人にはこの豪華特製チラシ!!

それを聞いて皆が黙っているはずもなく早速どのお寿司を食べるかの争奪戦が行われた。

俺は無事好物のハマチを手中に収めたわけなんだけど・・・

今思えばあの時の言葉に何故疑いをもたなかったんだ!!と思う

”アタリ”が一個だけ

ということはその他は全部”ハズレ”ということ

ハズレとはどおゆう意味なのか?

そんなのお寿司のゲームでのハズレといえばお約束的にやっぱしアレの増量ってことになるよな?

なんであそこで気づかずにこのゲームに乗ってしまったのか

後悔後に立たず。まさにそんな感じです。

でもその時は全然気づかず、じゃあ、一人ずつ食べてくぞー!!と決まって

1番目には英二が来た。

「アタリを引き当ててやるにゃ!!」

と勢いよくお寿司を口に放り込んで・・ギャァァァァァァというかなんというか

ネコをひき潰した様な雄たけびを立てて果てていった。

そして流れる沈黙

そこで俺達はやっと悟ったんだ。ハズレの意味を!!

それからは皆脂汗をかきつつ、でもアタリを引き当てることを信じて食べていった。

2番手海堂、3番手大石、4番手リョーマ、5番手タカさん、6番手乾、7番手桃君

そして8番手に不二。

食べて一言

「あっ、ハズレだ」

と、この世の終わりとも言えるような悲しい顔をした。

そしてこの時俺はよっしゃ!!アタリは俺のもの!!地獄を見ずにすんだ!!

と喜びの雄たけびを上げようとしたのだけど、その前に気づいてしまった。

それは・・・不二が悲しい顔をしただけで他の皆と同じように倒れこむことにならなかったことを

そういえばこいつ、激辛好きな奴だった。

そして前に聞いた話ではわさび寿司を好んで食べていたとか

なら、このくらいのハズレでは物ともしないんじゃないか?ということ

てか、実は不二、”豪華特製チラシ”よりもこっちのゲーム用のお寿司の方を喜んでいたように見えた

ような気がする。

てことは不二、最初っからハズレが何かなんて当然気づいていて

それでいて且つ、そのハズレを引き当てることを狙ってたんではないか?

そんな不二が”ハズレ”といって悲しい顔をするってことは・・・

狙ってたワサビ増量のハズレを引き当てることはできず

普通にめちゃ美味しい方のお寿司を引き当ててしまったのではないか?

と、すると。

そうするとだよ?俺が今から食べなきゃならないこのお寿司、これが本当の”ハズレ”ということにはならないだろうか?

てか考える間もなくてそうだろうな。という気が物凄くする。

そしてふと沸いた疑問が一つ。

ハズレとわかっていてもなおこれを食べなくてはならないのでしょうか?

ねえ、結果分かってるんだから別にいいじゃんねえ?

そう思って、というか不二に言おうと様子を伺ってみる。

・・・・・ダメだ。俺には言えない。

こんな「良いなー、。ワサビ増量お寿司が食べられるなんて!!

僕、食べたかったのに食べれなかったんだからはもちろん食べるよね?」

そんなことを口には出さずともそんな雰囲気を纏、俺が食べるのを今か今かと待ちかねている不二

やはりこれを食べなきゃならんですか

「えっと・・・不二、食べたそうだから食べる?俺、いーや」

豪華特製チラシいらないよ。だって俺ってば飛び入りさんだし!!

と言ってみたのだけど語尾の方は音になることなく消えてしまった。

「えっ・・いいの?あっ、でも皆食べたし、僕、の反応も見たいし

だから今回は残念だけど諦めるよ。だからさ、食べて?」

ねっ?と首を傾げながら言われてどお断れってのさ。

というか気になるところが!!

俺の反応が気になるってことはですよ、

不二、お前俺の寿司がワサビ増量と気づいてやがるな!!

でもってそれなのあえて俺に食べさせたいと?

うーわー・・・わかってはいたいけどなんて奴だ!!!



「・・・」

「早く食べて」

「・・・・はい(TT)」

結局、俺も他の皆も不二には勝てないんですよ。

強い者にはまかれとけ。ちゃう!!そうじゃない!!

けど、とにかく不二には逆らっちゃダメっていうこと

逆らっても逆らわなくても同じ結果。

というか逆らった方がさらに恐ろしい結果になるならば

最初から逆らわず大人しくしていた方がまだ身の為なんですよ。

ということで、俺はわさび増量寿司を口の中に放り込み

そして白目向き倒れ伏した皆の山が又一つ、高くなった。


この後、聞いた話によると、不二は豪華特製チラシだけでなく

ちゃっかり純ワサビ寿司も堪能したとのことだった。。。。。。サスガというべきか

 

 

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