君の苦しみ
青学テニス部のマネージャーである
彼は今、ある問題を前に頭を抱えていた。
それは前々から抱えていた悩みだったのだが
しかし、その問題は夏休みに入って日を追うごとに見過ごせない問題となっていき
それをどう対処しようかと頭を悩ますうちに日がたっていきさらに問題は悪化の一途を辿っていた。
毎朝、家を出る時に”今日こそは言わないと!”
と問題解決のために気合を入れるのだけれど
練習が始まるとそれどころじゃない忙しさの為に結局は言い出せず
帰りには溜息をこぼしだんだんと表情が暗くなっていくばかりだった。
さすがに、帰宅時だけでなく仕事の合間合間に溜息をつき始めると当然部員達も気づきだす。
が、あまりに深刻そうな表情の為に聞き出すこともならず
現在は”自信が言い出すまで待とう”といった雰囲気になっていた。
それは当然レギュラーメンバーさん達の間でも暗黙の了解といった感じで
皆、気にしつつも言い出すのを今か今かと待つ日々だった。
が、しかし、その暗黙の了解なんておかまいなし!
気になったら聞いてしまえ!!な者なんていうとのは何処にだっているもので
当然、大所帯なテニス部にだっている。
でもって今、部室にはそういったメンバーが運悪く揃っていた。
止めることができる者達は全員用事などでいなく。。。
まさに都合の良い状況となっていた。
「」
日に日に暗い表情になっていき溜息の数が多くなっていくマネージャーに菊丸が声を掛けると
はなにやら書き込んでいた帳面から顔を上げて自分を見つめてきている者達の顔を見た。
「どうしたの?てかまだ帰らないのか?」
いつもは一番に飛び出して行くだろう越前や桃城までが残っていることに不思議を感じて首をかしげた。
「最近なんか悩み事でもあるんスか?」
そういって心配そうに声を掛けたのは桃城だった
「・・・・・・・・・なんでそう思うんだ?」
「最近溜息ばかりついてるっす」
「でもって表情がくらーくなってきてるし」
「あと、ボーっとしてますよね。」
ボーっとしすぎて足元のボールに気づかずに転んでたでしょ
越前にそういわれては”しまった!見られてたのか!!”
といった表情をした。
どうやら誰にも見られて無いと思っていたようで。。。
なので見られていたことを知って今更ながらに赤面してしまう。
そして気づいたことが一つ
「越前、それを見ていたと言うことはお前・・・さぼってたのか?」
転んだのはコートから離れた場所で確かあの時間、休憩じゃなかったよな?
とが聞くとそれに菊丸と桃城が反応した
「おチビ!!途中でいなくなってた時あったけどあれは何してたんだにゃ!!」
「越前、さぼりはいけねーな、いけねーよ!!」
二人の先輩から責められても当の本人は気にせずといった感じで
「さぼりじゃないっす、自主休憩してたんスよ」
とのうのうとのたまった越前に
菊丸と桃城は「かぁぁ!!!それをサボリというんじゃぁぁ!!」
と空に向って吼えた。
「二人とも煩いっす。それより、先輩の悩み事って何?」
騒ぐ二人を無視して越前は本題に戻した。
「そうにゃ!!おチビのことは今は置いといて、大人しく白状するにゃ!」
「そうっすよ。悩む先輩が気になって練習に身がはいらないっすよ!!」
さあ、吐いてしまえ!!楽になるぞ?
と身を乗り出して迫る3人には真剣な顔を向ける。
「話して・・・いいんだな?」
『話して!!(ください!)』
頷く3人を見て、はとうとう覚悟を決めたようだった。
「前々から言おう言おうと思いながら今まで目を瞑ってきたんだけど・・・
お前ら部室で食べ物を食い散らかすな!!!夏休みに入ってからはエスカレートしていきやがって!!
誰が毎日部室を綺麗に掃除してると思ってやがるんだ?
食べるな!!とは言わないからせめて散らかさないようにしろ!!俺の手間を増やすんじゃない!!
・・・・・・・・分かったか?」
「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」
「分かったのか?と、聞いたんだけど」
答えを求めると、普段あまり大声を出さなかったのこの姿に驚愕していた3人だったが
再度聞かれて無言でこくこくと頷いた。
「あー、すっきりした。」
一気に言い終わって、今まで溜めていたことを一気に吐き出したせいか、
暗かった表情は元に戻っていた。
「これからは気をつけてよね。夏は特に大変なんだから・・・
朝来て、ドアを開いたら中にアリの大群が!なんて姿を見るのはもうイヤだよ」
あれ見るとその日一日気持ち悪くなるんだから。
「それで表情暗くなってたんスか?」
「そう。だって、アリの大群だよ?気持ち悪いじゃないか」
「・・・・・そうっすね」
「これ以上ひどくならないように気をつけてよ?
もし変わらないようだったら手塚に言っちゃうからね」
「「「それだけは!!」」」
「だったら気をつけてください」
そう言ったに3人は何度も頷いて
「えっと・・・オレそろそろ帰るにゃ」
「俺も!、越前、乗って帰るだろ?」
「っす」
それじゃあ!と3人はそそくさと部室を出て行った。
まさか悩みの原因が俺達だったとは!といった心中だろう
この後、の部室内での食い散らかしによる悩みは無事解消され
事情分からないまでも悩みが解決して今日もニコニコ顔でマネージャー業に精を出す
の姿を見て原因となった3人以外の皆は「良かった良かった」
と練習に精を出すのだった。