桜
見上げた空は視界いっぱいに広がる桜に遮られていた。
はらはらと舞う桜の花びらを見て
「春だなぁ〜」
としみじみ思う。
そおいえばこうやってじっくりと立ち止まって桜を見るなんて3年振りじゃないだろうか
そう考えて、3年て早いよなぁとか呟いてみた。
中学の入学の時もこうやって立ち止まってじっくりと桜を見ていて
それが先日卒業して今日は高等部の入学式
本当に年月経つの早いよな
我ながら普段なら考えないようなことをつらつらと考えて
自分を知ってる奴がこの様子をみたら気色悪がるだろうなと苦笑した。
そんな時、
「、何一人で笑ってるにゃ?」
「朝から寒気するようなもの見せないでよ」
掛かったその声に俺は振り返りながら恨めしげな声を上げる。
「お前ら、それが久しぶりに会った奴にいう台詞かよ!」
「久しぶりといっても2日前に会ったじゃんか!」
「2日振りだろうが!!」
てか、2日振りだろうがんなのはどうでもいい。ただ、朝の挨拶くらいはちゃんとしろよ!
「それもそうだね。、おはよう」
「、おはよー!!」
「二人ともオハヨウ」
不二、高等部に上がろうがやはり笑顔は変わらないな
そして英二、当然の如くお前のその騒がしさも変わらないな
まあ、そんな急に変わられたらそれはそれで怖いけど
「で、ぼーっと上向いて何してたのさ?」
ぼーっとかいうな!いや、確かにぼーっとしてたけどさ
「いろいろと思い出してたのさ」
「いろいろ?」
「そう、いろいろ」
「例えば?」
例えば、ねぇ・・・・
「青学入ってもう3年も経ったんだなーとか」
「ふーん。」
何?その意味有気というかそんな感じの相槌には一体どんな意味があるのさ
と、表面は平静を装いつつ内心冷や汗かいてたり
うーわー!誰か頼むから俺と不二との間にある空気を壊してくれ!とか思ってたら
その願いは叶えられた。
「がそんなこと考えるなんて似合わないにゃー!!」
やかましっ!!
願いは叶ったのは嬉しいがこんな叶えられ方はいやだぞ!
「うっせー!お前、それ傷ついたぞ?俺の心はカバーガラスのようにデリケートなのによ!!」
「カバーガラス?・・・・うわっ、うっすー!!!」
「なんでカバーガラスなの?」
薄い!と言った英二を絞めつつ不二の質問に答える。
「”壊れやすい”だ」
この一言に”離せー!!”と絞められてもがいていた英二の動きが一瞬止まった。
どうしたのかと俺も絞める手をゆるめて様子を伺えば
その隙を狙って英二が俺の手から抜け出した。
が、抜け出した後の表情というのが
「の心が壊れやすい?うそにゃ!!」
と・・・・口に出して言わなくても表情見れば言いたいことわかるから!!
一々言うな!!!
今度こそ本気で絞めるぞ!と迫る俺に英二は
「できるもんならやってみな!」「べーっ!」と舌を出して迫る俺との距離を上手く測っていた。
そんな俺達を見ていた不二になんとなく顔を向けると
不二は右手を上げて、親指と人差し指で何かをつまむような仕草をして、
パリン
と、俺には聞えたような気がしたのだけど
その表現間違ってはいないだろう!というようなつまむ仕草からそれをひねりつぶすような動作をした。
そして俺ににっこり笑う。
おい、もしかして今のはカバーガラスを割った動作、ではありませぬか?
よーするに・・・・俺の心を潰したってこと?
「の心がこれくらいでそんな簡単に割れるわけないでしょ?」
違う?と笑う不二
その不二の後ろに隠れるように「そのと〜り〜♪」とニヤニヤ笑う英二に思わず殺意を覚えてしまっても
仕方ないことだと思う。
なんて俺の文句に二人は知らんフリ
「そもそも入学式の日にそんな辛気臭い顔してるから悪いんだよ」
「そうそう!せっかく高等部でも3人同じクラスになれたってのにさ」
それともオレ達と同じクラスが嫌なの?
そういって英二に顔を覗きこまれて・・・んなわけあるかぁ!!
「嫌どころか滅茶苦茶嬉しいぞ!!」
「ならもっと嬉しそうな顔するにゃ♪」
「おうっ!!」
俺達はこれから3年間通うことになる高等部の校舎に向って歩き出した。
「不二に英二、1年間よろしくな!」
「「”3年間”よろしく(にゃ)!!」」
「あははは、3年間よろしく!!」