小説家
「、そこ間違ってるよ」
「はいっ?何処?」
「ココ、こっちも間違ってる」
「何処だって?」
「こっち」
こんな会話を延々と繰り返している不二とにそぉっと顔を向ける。
が、次の瞬間には頭をがしっと鷲掴みされて強制的に正面を向かされた。
「手塚!にゃにするんだよ!!」
「余所見をするな」
「ちょっとくらいいーじゃんか!!」
「ダメだ。その時間が勿体無い」
「手塚のケチ!」
「・・・・」
へんっ!そんな睨みつけたって怖くないからな!
とこちらも睨み返す。
そんなオレと手塚の間を”まあまあ、二人とも”と大石が間に入ってとりなそうとする。
「大石ー!手塚が意地悪にゃぁ(TT)」
そういって泣きつけば苦笑しながらも宥めるようにオレの頭をポンポンと叩いて
「でもな、やらない英二が悪いんだから仕方ないだろ?」
その言葉に顔を上げて大石の顔を伺って見ると爽やかな笑顔を返された。
うあぁぁぁ、大石まで意地悪にゃ!!!!
こうなったら、タカさんに慰めてもらおう!タカさんは何処?
と辺りを見回したその時、何かが飛んできて顔にぶちあった
見事にぶちあたってヒリヒリする鼻を押さえて何が当たったのかと探してみると
それは丸められた雑誌だった。
それを掴んでオレは投げてきた奴、不二に抗議した。
「ふーじー!!なにするんだよ!!」
痛いだろ!!そう怒鳴った俺に不二は、それと今まで下を向いていたが顔を上げて
「「煩い!!」」
見事にハモった。
・・・煩いって、さっきまで騒いでたことだと分かったけども
まさかにまで言われるとは思わなくてオレは目を丸くする
「・・・・」
「さっきからうだうだと煩い!珍しく俺が真面目に課題にとりくんでるのに気が散るだろうが!」
「珍しいって、自分で言う?」
「その通りのことだろ?」
その言葉に思わず納得して頷いてしまった。
普段なら”そこで納得するな!”と言ってきそうなものだけど
さすがに自分で言ったからか自分でも納得して頷いてる。
その横では不二が呆れた眼差しでを見ていた。
「もっと早くからとりくんでいればそんな”珍しい”を発揮することもなかったんだよ?
なんで早くに取り掛からなかったのさ」
呆れた口調でそう問いかけた不二には真面目な顔で一言
「面倒臭かったからだ」
「・・・・・・・でもやらなくちゃいけないことなんだよ?」
「わかってる。だから今やってるんだろ」
「けど、全然進んでないよね」
「そうだな、1歩進んで3歩下がる状態?」
「そんなこと僕に聞かれても困るんだけどね、実際そんな状態だけど」
「まあ、とにかくやらなきゃ進まない!てことで不二、今の所間違いはないか?」
「今の所はね、でも今書いた漢字は間違ってるよ。」
「くそぉぉ!!夏休み中家でパソばっかり触ってたから漢字が全然思い出せねー!!!」
「叫ぶ前に書く!じゃないと終わらないよ?」
その通りだ!!とは叫んでまた目の前の、夏休みの課題に取り掛かる。
が今やっているのは読書感想文
本を読むまでは早かったけど、書く段になって、感想が書けない!と後回しにしていたツケが今やってきてるというわけだ
は作文とか小論文とか書くのダメだからねぇ
でもって漢字間違い多いとなっちゃね
なんてオレも偉そうなこといえなくてどっちもどっちなんだけどね。
「の将来、物書きになることだけは絶対にないよね」
てかなれないよね。
と、を手伝っている不二がしみじみと、ぼそりと呟いた。
それに感想文に集中しようとしていたが顔を上げて不二に一言
「元々なるつもりもまったくないしな」
と言ってまた感想文に戻る。
「なんにしてもそれは書き上げてね。明日提出なんだから!」
「うあぁぁ!何をどんな風に書けば良いって言うんだよ!!」
「が思ったことをそのまま書けば良いんだよ。簡単でしょ?」
「んじゃ、”面白かった”だけでいいじゃん!終わり!終了!」
なっ?と、不二の返事を伺う。
けどその後の不二が目を開いたことでしぶしぶと涙流しながら課題に向った。
「英二、お前を人事じゃないんだぞ?手伝ってやるから早く終わらそう。な?」
ぼへーっとと不二のやり取りを見ている俺を大石が覗き込んできた
それでようやく自分の状況を思い出した。
「うにゃぁぁ!!!明日には間に合わないから諦めようよぉ(TT)」
「諦めるな、何が何でも明日提出分だけでも終わらせろ!」
そんな手塚の声をバックにオレも泣く泣く終わらせるためにと課題に向き直る
こうしてオレもも夏休みの最終日、一日中見張り付きで課題に取り組まされて終わった。