お茶で一息つきましょう
「蕗、アレ良いのか?」
のんびりと窓の外を眺めて俺に友人がこそっと囁いてきた。
何度か聞かれていた言葉にこれ以上無視するのは悪いかと思い
”アレ”と指しているものにチラリと視線を向ける。
が、すぐにまた窓の外を見た。
「良いのかっていわれても俺にどうにかできると思うか?」
「いや、思わないけど」
けど、せめて何か一言かけようとは思わないか?
と暗にそんな言葉を含ませる友人に溜息を零した。
「俺が言ったからって聞くような奴らじゃないだろうに」
ぶつぶつと文句言いつつ
とりあえずこれ以上何か言われない為にも、と、
友人が望むように一言掛ける事にした。
「おーい、桃城、海堂、そろそろやめないか?」
お前らがそこで騒いでると弁当がまずくなる
と、声を掛けたところ、
「煩い!!」
の返事が返ってきた。
「なっ?言っても無駄だっただろ?」
二人の迫力に押された友人は「そうだな」と頷いて休めていた箸を動かした。
止めることを諦めていくらまずくなろうともさっさと食べてしまうことにしたらしい
それにしても、こんな広い学校の中、なんでかち合うことになるのか
それが不思議でならない。
「実はあの二人、仲良かったりしてな」
ぼそっと呟いた台詞に無言で弁当を食べていた友人が箸を取り落としそうになっていた。
「そこまで驚くことか?」
「驚くことだろ。なんでそう思ったんだよ」
「だってな、こんな広い学校でだよ、普通会うか?」
クラスとか教室の階数だって違うのに。いや、階数どころか校舎が違うのに
「まあな」
「だから実はものすごーく仲良いんじゃないかと思ったわけさ」
「でも俺はあの二人が仲良くしてる姿なんか想像できないぞ」
「・・・・俺もできない」
ものすごーくできなです。
てか、一瞬想像しようとしたんだけどなんか鳥肌たってきたのでやめた。
「やっぱあいつらは今のままで良いや」
「そうだな。ただ顔会わせるたびに喧嘩するのは止めて欲しいけどな」
「だな。一緒に行動してる俺達が迷惑するってーの」
本当に。
いきなり場所なんて考えずに喧嘩をはじめるから俺達はいつも迷惑してる。
教師とかに「早く止めさせろ!」と怒鳴られるのも大体側にいる俺達だからな
「でも、まあここなら周りに誰もいないし、巻き込まれそうなのもないから大丈夫じゃないか?」
「そうだな。。。。今日は放っておくか」
「そうそう」
毎回毎回止める体力なんかないって
一日一回が限度。最近じゃそれもかなりやばくなってるけどな
ということで今日は放っておくということで話はついたので
俺も放りっぱなしになっていた弁当を食べることにした。
喧嘩してるあいつらが放って置かれたせいで食いっぱぐれることになったとしても
それは自業自得であって俺達のせいじゃない
俺は手を合わせて「いただきます」と言うと箸を手に持った。
あっ、食べる前にお茶でも飲むか
なんか喉が乾いてる気がする。
と、置いてあった水筒のコップにお茶を注いで・・
「お前も飲む?」
「貰う」
空っぽになっていた友人の紙コップにもお茶を注いで俺達はそれを一気に飲み干した。
「「ぷはぁ〜」」
あー、お茶が美味い