質問
朝から何やらの様子がおかしい
そのことに桃城はどう接して良いかわからず悩んでいた。
いつもなら朝練が終わる頃に部室にひょっこりと顔を出し
着替えが終わった自分を待って一緒に教室に行くのだが
しかし、今日はバラバラで教室に入ることになった。
それは何か用事があって、とか寝坊して、とかというわけでなく
ましてやたまにはこんな日もあるさ☆とかいうものでもなく
一度部室に顔を出して、着替え終えた自分と挨拶を交わしたにも関わらず
挨拶後、「あっ」と小さく声を上げて何やら困ったような表情をした後にそのまま黙って先に行ってしまったのだ。
初めてのこの行動に桃城は首を傾げ
二人がいつも一緒に教室に行くことを知っている皆もどうしたのかと桃城に訪ねてみたのだが
桃城自身理由がわからないので答えることができなかった。
どうしたんだろう?といった会話が交わされているうちに何故か桃城が無意識の内にを怒らせたに違いない!
という結論が出て3年の先輩達は部室を出るときに皆
「桃、早く仲直りするんだよ」
「を怒らせちゃいけねーにゃ、いけにゃーよ!」
などといった言葉を送られるハメになり桃城は
「俺は何もしてないっすよ!!」
と、叫んだが誰も聞いてくれることはなかった。
しまいには部室を出ようとした海堂の「・・・フンッ」とバカにしたように鼻をならされ
それにつっかかっていき、手塚に放課後20周走らされることになってしまい。
朝から情けない顔をして教室に向った。
教室にはクラスメイトということで当然がいて、
桃城が入ってくるのを視界の端に映したらしい彼はふいっと顔を背けてしまった。
それを見た”一体何なんだ!俺が何をしたってんだよ!”と心の中で叫び
それを心の中だけに収めて置けるような性格でもない為
ずかずかとの目の前まで歩いて行って声を掛けた。
「」
「桃、何?」
「俺何かしたか?」
「してないよ」
”してない”といいつつやはり視線は桃城に合わそうとしない
それにイラだって「こっちを向け!」と肩を掴もうとしたその前にから声が掛けられた。
「桃、ちょっと聞きたいんだけど」
ようやく今日の態度について話す気になったかと「何だよ」と答えて次の言葉を待った。
「あのさ、もしお前の目の前に社会の窓が開いてる奴がいたとして。。。注意するか?」
一体何の話だよ!とつっこみたい心を抑え真剣な顔で聞いてくるに桃はうーんと唸って
「する」
と答えた。
「何で?」
「開いてるのが自分だった場合、注意してもらった方がよいからに決まってる」
と言い切った桃城を見ては「そうか」と頷いた。
「で、それが一体どうしたんだよ」
今日のお前の態度に関係ある話なのか?
「あのさ、お前がそういうからには言わせて貰うけど」
「おうっ!」
はっきり言ってしまえ!という桃城の目をじっと見たあとは一言
「開いてる」
「はいっ?」
主語が抜けている言葉に何を言われたのか分からずつい間抜けな返事を返してしまった。
「だから、お前の社会の窓が開いてる!!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・もっと早く言えぇぇぇぇ!!!」
そんな桃城の叫び声が教室中に響き渡った。
「だからな、言った方が良いかそれとも自分で気づくまで黙っておくかどっちが良いか悩んでたんだって」
部室で自分を見たあとの態度をそうは答えた。
「あっ」と気づいた後、言うべきか黙っとくか、それをずっと悩んでいたらしい
そして気づけば先に教室に来てしまっていたとのこと
その内容に桃城は脱力した。
「あのなぁ。そおゆう時は気づいた時に言ってくれよ!!」
気づかなかったとはいえ部室から教室までの間知らない間に恥ずかしい格好をさらしてしまっていたことに
桃城は机の上にバタンとふせて涙してしまっている。
「ゴメンて、皆の居る前で言ったら恥ずかしいかなと思ったんだって」
「知らないままここまで来てた方が恥ずかしいっての!!」
「そうだよなー」
「お前が納得するなよ」
「あはははは」
「笑って誤魔化すな」
拗ねてしまった桃城を見ては苦笑しつつ
「お詫びに放課後にパン奢るからさ」
「ジュースもつけろよ」
「はいはい、今回だけな」
あっというまに機嫌を直した桃城を呆れた目で見つつこいつが単純な性格でよかったと心から思った。
放課後、何故かこの話はテニス部中に広がっていて、
桃城は皆からさんざからかわれて恥ずかしい思いをし、
それをはフェンス向こうから楽しそうに見ていたらしい